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コルトレーンを聴きながら 【詩/現代詩】

コルトレーンを聴きながら
乗車率120%の電車に揺られている
両耳を挟んでいる電波から
軋むように唾が鳴っている

窓の向こうを鰯が飛んでいる
夕陽に照らされて上下に揺れる
尾びれを光らせながら
電車のスピードに同調する

高層ビルが顎を突き出して並ぶ
風が濁っていく
そっぽを向いている鼻と鉄塔

乗車率125%の電車が
コルトレーンのねじを外していく
架線の隙間をゆく鰯は
スピードを上げている
天井から聞こえる悲鳴
流線型が真っ赤に染まる
これまでになく身を寄せ合って
夕闇を突進するアンサンブル

コルトレーンのねじが外れていく

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