理想通りではなかったと悩む人がいます。これまではせっせと情報収集をして自分の理想を固めてきました。更には理想を実現できるように自分なりに工夫しました。しかしなかなか思い通りにはいきません。理想は遥か遠くに感じられ始めます。

理想通りにならないのは無理しているからです。更に言えば高い条件を望んでいるからです。理想な食べ物をイメージすれば、高価なものをイメージします。自分で食べてみた美味しいと感じるものではありません。周りの人が良いと言っているものを良いのだと感じます。そうしてよく分からないけれど、きっと良いのだろうと無理して何者かになろうとします。理想通りにしようと努力します。

　理想を追い求めるのは避けがたい困難を経験したためです。たとえば今日はうまくプレーできなかったと周りに話せば「こうするとうまくいくよ」「これができないからうまくできなかったんじゃない？」と言われ続けてきました。周りは自分の困っているような様子を見て何か解決になればとアドバイスをしているのです。しかし自分にとってはこれは負担になります。なんでもかんでもアドバイスをもらうと、プレッシャーを感じます。自分はできないことがあると失望します。今の自分のままで大丈夫だと思えません。

　自分は大丈夫と思えるためには休息することです。口を閉じてゆっくりと深呼吸するだけで、自分は大丈夫という感覚は大きくなります。初めのうちは何もせずに呼吸することに慣れないでしょう。何かしたくなる衝動に駆られるはずです。誰かに話を共有したいと思うはずです。不安に感じるはずです。

　今、自分が抱えている不安は、実は周りの人によって形づくられました。その態度や行動に逐一反応して悩んできたのです。こたえてきたのです。不安を解消するためには、これ以上何かできるようになる必要はありません。ただ「アタマとカラダを空っぽ」にするだけで自分に気づくことができます。自分なりに考えて行動するようになります。すると何故だか大変な環境から抜け出しています。安心している人になっています。