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暗黒日記Z #33 「将来なのかな、今って」

そんなこと言うな!
透!
そんな、現実と向き合わせるな!
そんなこと言うな!
疲れてなくてもASMR聞いていいだろ! パトラ!

これほんとキモくてすき。

なんか勢いでうづコウの称賛になってしまったけど、四半世紀四半世紀言ってたら気付くと二十六歳になっていた。将来って、今なんだよな、もはや。もうさすがにこれは、去年までならマジのマジにギリギリで逃げられなくもなかったけど二十六となると弁解の余地なくアラサーである。別に逃げる気も無いのではあるが。さっさと歳食って「若者」というフィルターの外れた状態になりたいとはたぶん十代ではなくなった頃からずっと思っていたくらいだし。さらば若さ。こんにちは老い。腰が痛くなり始めた。良い椅子を買わなければならない。

老いさらばえることを望んでいるとはいえ、趣味嗜好の部分では老いきってしまいたくないと思っている。なのでNETFLIXに加入した。なのでなのか。そうでもないな。経済的に少しばかり余裕が生まれたので折角ならと入ったというのがほんとのところ。以前一度だけ無料のお試し加入をしてみて、気になっていた『DEVILMAN crybaby』『このサイテーな世界の終わり』を観て満足して退会した。何故かそれ以外を観た記憶が全くない。それぞれの話数を考えると、ちょうどその二つだけを観終わったタイミングで無料期間が終わったのかもしれない。それにしても映画数本くらいは観る余裕ありそうだけど。あまりラインナップに惹かれなかったんだろうか。

そんなネトフリに改めて入ってみての印象はというと、正直、やっぱりラインナップにはいまいちピンと来ない部分がある。探し方がまだ練れていないせいもあるだろうが、俳優や監督名で検索しても出てくる作品が「え、そこ?」というものになっている場合が多い気がする。そのぶんネトフリオリジナルの作品に力を注いでいるのだろうということは、探しているとよく分かる。出て来る出て来る。どんなジャンルやキーワードで調べても、必ずその他の作品と半々くらいの割合でNETFLIXオリジナル作品が検索結果に表示される。

十中八九先入観が悪さをしているだけなのだろうけど、どうもNETFLIXオリジナルの作品は独特の薄さがあるように思えてならない。そんなことはないに決まっているのに。現に加入して割とすぐに観たジェーン・カンピオンの『パワー・オブ・ザ・ドッグ』は素晴らしかった。彼女の映画はこれまでに『ピアノ・レッスン』と『ブライト・スター いちばん美しい恋の詩』を観たことがあるが、そのどちらと比べても遜色はなく、むしろ私としてはそれら二作品より圧倒的に好みだった。漫画マニアな感想になって申し訳ないが、オノ・ナツメが連想されるような、語り過ぎない演出がたまらなかった。

それなのに薄いとどこかで感じてしまうのは、やはり先入観がよくないのだろう。ストリーミングを前提につくられているというだけで、劇場でかけるためにつくられた映画よりも格が低いコンテンツという風に思い込んでしまう節が私にはある。映画人達の一部が痛烈にストリーミングサービスを批判しているのも、もちろんそれだけが理由では無いのは承知の上だが、私と似たような心理が働いているせいなのではないかと思わなくもない。

要は慣れの問題か。まだストリーミングサービスに慣れていないだけで、自分の中でその存在が当たり前になっていくにつれ、違和感や偏見はきれいさっぱり消えていきそうな確信めいた予感も、実際あるのだ。慣れていこう。ズブズブでやっていこう。老害にならないためにも。

ネトフリオリジナルのドラマも『全裸監督』と『ストレンジャー・シングス 未知の世界』だけ観てみた。『ストレンジャー〜』のほうはとりあえずシーズン1をまるっと全部観たけれど『全裸監督』はシーズン1の途中で止まってしまっている。いや、面白いは面白いんだけど、どうも結局日本のテレビドラマみたいだな〜……とかいう話をし始めるとまたぞろ愚痴愚痴マンになってしまうので打ち止めにしておく。『このサイテーな世界の終わり』にまさかのシーズン2が存在していることも確認している。あれだけ綺麗に終わっておいて続くとか海外ドラマは大変なのだなと思いを馳せてしまう。

先月末(一応これは七月の月報のつもりなので、六月のことを言っています、ユルシテ)から始めた絵の練習はなんとか変わらず続けている。明らかにモチベーションはぐっと下がってしまったが、消えてはいない。今までは少し練習してみてはすぐに辞めてそれっきりということばかりだったが、今回に限ってはそうなることはなさそうだ。具体的な練習法を知り、これを続けていけばちゃんと上手くなれるはずだという希望が最初から持てているので、今回こそきっと私は上手くなる。そうだ、上手くなるんだ、絶対に……と思いながら日々カキカキしている。最近、迷い線をなるべく描かないようにしようと意識してみたら、なんとなくクロッキーのぱっと見がきれいになってきたので、ちょっとそれがささやかながらモチベにつながりつつある。応援しているよ、未来の自分。どうか神絵師になりなさいね。お願いよ。将来はまだ今じゃねえんだよ、やっぱりさ……。

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