白木軽骨

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  • 偽病六尺

    或る文士気取りの日々の記録。月初更新。

  • 雑記帖

    取り留めのない思考の欠片。

  • 軽骨堂書店

    掌編たち。

最近の記事

偽病六尺 #3 「2023年の総括」

 人の時間は早いね。これ多分一年を振り返る系文章の今年における最多登場フレーズだと思う。そんなことはさておき。もう今にも2023年が終わってしまう。これといって印象的なことも無いなと思っていたら年末に立て続けに大変なことが起こってしまって未だ少し呆気に取られたままで、軽いショック状態からギリギリ立ち直れていない可能性がある。しかしひとまず色々脇にどけておいて、例年通り個人的ベストムービーやら何やら振り返っていこうと思う。 映画今年観た映画のベスト5は以下の通り。 1位 フ

    • 偽病六尺 #2 「Glare」

       わが子が巣立っていくのを見届けるというのはこういう感覚なのかしらとひたに思うのであった。ヤマシタトモコ『違国日記』最終十一巻を先程読み終えての現在の心情。田汲朝という少女に対してであるとともに『違国日記』という作品そのものに対してでもある、われとわが手を離れていってしまうものへのさびしさにひしゃげている。恐らくこのままいくと私は今生では子供を持つということは無いだろうから、どこか擬似的に貴重な体験をさせてもらえたような気分でもある。槙生ちゃんは「育ててない」けれど。それで言

      • 偽病六尺 #1 「そろそろ名前を変えないと」

        この日記とは名ばかりの月報と呼ぶにもサボってしまいがちなこれを始めた頃は今ほど「Z世代」ってものの知名度が高くなかったからこいつはいいやとタイトルに使ったんだけど最近巷でよくこの言葉を耳にするようになってしかも大抵良くない文脈の中に入れ込まれているし一応生まれ年的にちゃんとその世代に自分は該当するんだけど今や世間一般のイメージは「今の十代の子達」みたいになっているのでアラサーのこんな私が自らをそう呼ぶのは恥ずかしい気がしてきたからタイトルを変えたいと思う日々です。オタク早口。

        • 暗黒日記Z #40 「来世は人外がいい」

           リアクション動画を見るのに数年前からハマっている。特に海外の方の動画。アニメやニコニコ動画が好きな人なら一度は目にしたことがあるであろう「海外の反応」とかあの手のやつだ。沢山の外国の方々の顔がワイプのように映し出されていて、中央にはかなりボカされていたりフィルターがかけられていたりして音声も極限まで絞られたアニメ本編が載っているやつ。あのスタイルの動画に使用されていた内の一人である「伯爵ニキ」「お茶ニキ」といった呼ばれ方で知られるTeeaboo氏が気になって元動画を見に行っ

        偽病六尺 #3 「2023年の総括」

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        記事

          暗黒日記Z #39 「ローソンの月見とろろそばが食べられないこんな世界なんか一緒にヒャッハーしちゃおっか」

          全部全部めちゃくちゃになっちゃえ〜、と思いながら温玉の消えたそばと半熟ゆで卵を買って上手くすればあの味を再現出来るのではなかろうかと挑戦したところ無事失敗に至る。後日ファミマでとろろそばと温泉たまごを買って組み合わせてみたけどやっぱり私が愛したあの味にはならなかった。まるで知らなかったが鳥インフルの影響で卵が今かなり高騰しているようなので、それが収まるまでの一時的な措置であることに期待を寄せておきたい。そうじゃなかったとしたら最早完全自炊であの味を超えることを目指してみるしか

          暗黒日記Z #39 「ローソンの月見とろろそばが食べられないこんな世界なんか一緒にヒャッハーしちゃおっか」

          暗黒日記Z #38 「2022年の総括」

          時間の流れの体感もいよいよ牧場物語めいてきたこの頃。山行って鉱石掘ってたら一日終わるやつ。PSPのシュガー村とみんなの願いはマジで名作なので皆やろう。とうとうクリアしないままに実家に置いてきて何年も経ってしまったせいで記憶に変な補正がかかって、忘れがたい旅先の思い出みたいなものになっている。いつか改めて遊ぼう。 という訳で今年の総括。2022年の印象に残ったものについて色々話していく。ほぼほぼ自分のためだけにやっていることだけど、年始の暇をぷちっとやれるようなサムシングは無

          暗黒日記Z #38 「2022年の総括」

          暗黒日記Z #37 「あとどれくらいボールを投げたら」

          旅の終わりが着実に近付いて来ていて、既にそれがやってきた時のことを考えて辛くなっている。あんなに何度も何度もしつこいくらい勝負を持ちかけてきたあの子も、未だ正体の分からない電話口の相手──無論、電話がかかってくる時必ず姿を見せる素敵な髪型の紳士共々──も、時折遠路はるばる姿を見せに御足労頂いてしまっている特徴的が過ぎる教師達も、誰も皆一様にぱったりと姿を見ることは無くなるのかと思うと、これ以上先へは進まないというのが最も幸せな選択のような気さえしてくる。どうすれば良いのだろう

          暗黒日記Z #37 「あとどれくらいボールを投げたら」

          暗黒日記Z #36 「水星に住むつもりかい?」

          買い物に成功したことがない。今までの人生、思い返すと私は一度たりとも買い物に成功していない。そもそも買い物の成功とは何かと言えばきっとそれは一ミリの後悔もない物品または金銭でやり取り可能な価値の購入のことで、本当に私はそれが成功した試しが全くない。 何を買っても後悔する。大きな出費を伴う例えば電子機器や衣服などは言うまでもなく、食料品の購入ですら失敗しかしない。買った後に必ず後悔の念が押し寄せてくる。もっと別の物を買えば良かった、また惰性で適当なものを選んでしまった、選ぶの

          暗黒日記Z #36 「水星に住むつもりかい?」

          暗黒日記Z #35 「懺悔」 

          卯月コウの脱法ロックが本当に脱法レベルのブツで情緒ドンガラガッシャンなみなさん。どうもこんばんは。無料パートの民です。悩んだ末にすごすごとすごってきた。円盤出るっぽいからその時までひとまず。Day1もまるっと見逃してるし。何の話か分からない人は「にじさんじ FANTASIA」で検索検索。 何故かこの一週間くらいライブをたくさん見ていた。ネットでではあるが。U-NEXTでいやまさか無いよなと思いつつ「GRAPEVINE」と検索してみたら映像コンテンツがいくつかあったのがきっか

          暗黒日記Z #35 「懺悔」 

          暗黒日記Z #34 「実に夏であります」

          セプテンバー。アースウィンドアンドファイアー。終わりかけの夏が死に体で酷暑している。去年はコバエを自分の部屋で累計軽く百匹は見たような気がするけど、今年は全然出なかった。違いは何かと考えると、多分寝てる間もエアコンをつけっ放しにしていたことだった。単純に熱中症で逝ってしまいたくなかったからではあったものの、おかげで羽虫らの繁殖を防ぐことにもつながったようで得した気分。電気代は倍近くなったし喉イッガイガにもなったから全然トントンと言えばトントンだが。一個人の幸福の総量は決まって

          暗黒日記Z #34 「実に夏であります」

          暗黒日記Z #33 「将来なのかな、今って」

          そんなこと言うな! 透! そんな、現実と向き合わせるな! そんなこと言うな! 疲れてなくてもASMR聞いていいだろ! パトラ! これほんとキモくてすき。 なんか勢いでうづコウの称賛になってしまったけど、四半世紀四半世紀言ってたら気付くと二十六歳になっていた。将来って、今なんだよな、もはや。もうさすがにこれは、去年までならマジのマジにギリギリで逃げられなくもなかったけど二十六となると弁解の余地なくアラサーである。別に逃げる気も無いのではあるが。さっさと歳食って「若者」という

          暗黒日記Z #33 「将来なのかな、今って」

          暗黒日記Z #32 「二十五歳、絵を始める」

          言うてあと二日で二十六歳になってしまうこんなタイミングで始めたところでどうにもなるまいとは思いつつ、なんとイラストを本格的に練習し始めてしまった。愚かである。しかし元々興味がなかった訳ではないのだ。幼少期はカービィの絵をよく描いていた。丸描いて左右に半円くっ付けて下にも横向きの楕円二つくっ付けて、縦長の丸二つ中心に置いてそれぞれ半分黒くして、その下辺りに口っぽいの付けるっていう馬鹿ほど簡単な手順で描けてしまうので。でも思えば描くのはいつもその正面から見た姿ばかりで、横向きや何

          暗黒日記Z #32 「二十五歳、絵を始める」

          暗黒日記Z #31 「タイムカプセルを捨てた日」

          久しぶりの日記。月末に書くようにしようと決めて初の更新。もうどんな風に書いていたのかまったく思い出せない。しかしまあ、しばらく更新していなかったぶん書くことは色々あるような気もする。今月のことを振り返ってみよう。 ゲームをよくしていた月だったかもしれない。月初め辺りにFGOのストーリーを改めて読み始めたから。オルレアンで永遠に止まっていたのをようやく読み進めだしたのは確か今月だった。今はなんか海賊がアレしてる。 あ、そうだ、積ん読と化していた『空の境界』もガッツリ読み始め

          暗黒日記Z #31 「タイムカプセルを捨てた日」

          【ダイヤモンドができるまで】「モノラル・ダイアローグス」感想

          遅ればせながらシャニマスのイベスト「モノラル・ダイアローグス」を読んだ。ツイートでは収まりきらないのは間違いないくらい色々と言いたいことが湧いてきてしまったので、思い浮かぶままに書いていく。 今回のストーリーを経て、シャニマスがSHHisの物語によってやりたいのは「ダイヤモンドができるまで」を描くことなのではないかと思うに至った。ダイヤモンドという宝石は、地下深く、6万気圧という凄まじい圧力がかかり、2000℃という恐ろしい高温のマントルの中で炭素同士が結びつき、それがマッ

          【ダイヤモンドができるまで】「モノラル・ダイアローグス」感想

          暗黒日記Z #30 「悪魔の毒々モンスター上京6年目」

          気が付けば上京して五年が経っていた。五年である。長い。小学一年生が六年生になってしまい、中学一年生が高校三年生になり果て、そしてガルグ=マク大修道院で仲良く教練に励んでいたはずの生徒達も、政治的な立場の変化によって打倒すべき敵同士として相見えなければいけなくなる、それだけの年月が過ぎ去ってしまったわけなのだ。恐ろしい。 あの、個人的な上京悲喜交々について書こうと思ったんだけど一旦FE風花雪月の話していい? ごめんねマジで。例として挙げたら話したくなっちった。 あのゲームの

          暗黒日記Z #30 「悪魔の毒々モンスター上京6年目」

          暗黒日記Z #29 「きのこ」

          ART-SCHOOLがずっと嫌いだった。嫌いというと少し違うか、苦手だった。演奏は好きだったけど、ボーカルだけがどうも聴いていてしっくり来なかった。率直に言ってしまえば「いや、下手過ぎるだろ!」と思っていた。たぶんあのバンドの曲を初めて聴いた時、10人中7人は同じように感じると思う。私が彼等の音楽に出会ったのはいつだったか、恐らく高校生くらいの頃だったとは思う。きっと初期のほうの曲を聴いてみたのだと思うが、演奏に関しては、特にそのくらいの年代の心には見事に真っ直ぐ突き刺さるも

          暗黒日記Z #29 「きのこ」