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イメージとかけ離れた妊娠後期の実記録。

おい、うそだろう。

私はまるで工業製品のようにキツく張り詰めた自分の腹に触れながら、手越しに伝わってくる振動とその圧迫感にひとり唸っていた。

出産まであと2ヶ月弱、妊娠9ヶ月というラストスパートへ向かっている私の人体は想像を遥かに超える天変地異を起こしていた。そしてそれは、私が30年以上も認識していた「妊婦像」とは遠くかけ離れたものであったのだ。

出産を終えてはや3ヶ月、今のうちに忘備録としてわたしが妊娠後期に感じたギャップとその症状について書き留めておこうと思う。

聞いていた妊娠後期と違うんだが

まず窓を開けて、私は声を大にして言いたい。妊娠後期の実態は、いわゆる世間やネットで見聞きしていたものとあまりに違いすぎるのだ。

例えば本を買ったり、ネットで妊婦とググればお腹が大きくて優しそうな母と、その横にいる優しそうな夫が嬉しそうにお腹を撫でているイメージ画像がごまんと出てくる。

他にも私がイメージしていたこととしては赤ちゃん用品を買い揃えたり、部屋を新生児向けにカスタマイズしたり、編み物をしたり、マタニティフォトを撮ったりするというような、幸せウフフなイメージしかなかったのである。

妊娠初期(5週〜16週)に襲ってくるつわりは大変だというイメージが社会的にあるように思うが、それを過ぎると「お腹が重そう」「動きにくそう」ぐらいの印象しかなく、妊娠後期と呼ばれるいわゆる妊婦さんの見た目の時期になると急に幸せいっぱいなメディアの刷り込みが散見されるから不思議だ。

誤解のないよう先に断っておくが、別に妊娠後期が特段「不幸せ」なわけではない。

普通の生活の中にちょっとした不安としんどさが同居しており、時折「なんだこれ」と突っ込みたくなるような見知らぬ症状に悩まされる、あくまで日常の延長にある「非日常」なのである。

わたしも大変だろうとは思いつつも、ある程度の情報とイメージを持っていたからたかを括っていた。さらに身近な姉や同僚で妊婦出産した人が多かったこと実情を理解している「つもり」を助長した。

しかし、これがいざ自分の身に起きた時に私は思わず真顔になった。リアルを目の前にした時「いや、全然聞いてたのと違うんですけど。ウフフのかけらもないんですけど・・・!」と自分に盛大に突っ込まざる終えなかったのだ。

そうして私はひとりベットの上で、今にも爆発するんじゃないかと思わされる圧迫感に身悶えしながら、死んだ魚の目をして「妊娠後期 しんどい」でググる日々が幕を開けたのであった。

ワタシの妊娠後期

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