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クレイジーハズバンド

本日はわたくしの夫の話をしたいと思います

※以下、文章に関係のない写真が続きます

タヒチのお料理「ポワソン・クリュ」
魚をカットしライム汁に漬け、にんにくやきゅうり、トマト
塩コショウと絞ったライム、ココナツミルクで和える!

夫と結婚し、どうにも貧しかった
家財道具は買えず、机は段ボールをひっくり返したもの。

家電は20年程まえの貰い物
水が漏れだし、冷蔵効果の弱い冷蔵庫
鍋もお皿も、ごみ捨て場から拾ってきたもの・・・

妊娠を機に、わたしは周囲を気にし始めた
周囲の”一般的なママさん”を観察する
会話を分析する
わたしも一般の人になる、そして
浮かないようにしなければ、子どもへ影響があると考えたのだ。

妊娠中から出産を経て
”ママ”といわれる方々が集う場所へ出向く
子育て広場、公園
子育て支援センター
いろいろな子育て施設
プレ幼稚園・・

いままで関わってきた闇の人たちとはちがう
ママさんたちはたいへんにキラキラして見えた。

わたしは
「一般常識」「きちんとした服装・髪型」
「余計なことは言わない」・・
などなどに気を配った

元ホームレスのわたしでも
今度こそ、コミュニティに馴染まなければ
”ちゃんとしたママ”として・・
なんとしても!

皆が右といえば右へならえ、だ

「ショレザルド」
ライスプディング。バスマティ米と砂糖、ピスタチオ、サフラン
ローズウォーターで煮る。シナモン、ナッツをのせて。

”こどものため””老後のため”
ファイナンシャルプランナーの方の
お金の本(ライフプランと計画的な貯金の仕方)などを買い
わたしは”一般的な人たち”の価値観をアタマに叩き込んだ。

”こどもの教育費用の貯金””自分たちの老後のための持ち家”
”老後のための貯金”

・・なんだか、”一般的なママ”に、近づいてきた!!

「カルカディ」
ハイビスカスの花、レモン
炭酸水、はちみつ
ローズウォーターおおさじ2

それにしても、貯金がむずかしい・・
その時は、夫が家計を管理していた
わたしは計算が苦手だから

でも・・計算が合わない・・わたしはついに、夫を問い詰めた。

どうしたことか。

夫を問いただすと、なんと夫は
薬物依存症の元ホームレスの方の居住費や
困窮している作家の方に仕事を作り、賃金を支払ったり
余ったお金は厳しい状況下の国々の方へ寄付したり

陰でそのようなことをしていた!!

わたしは激高した。
「そんなことをして!もう、親になったのだから
貯金をして、保険に入って、家を買って・・みな、親はそうしている。
この国では、それが”ふつう”なんだから!」
「それに、そんなことをしたって、自分たちの貯えはどうなるの。
そんなこと人に言ったらばかにされるし、なにも返ってはこないんだから」

Blooming!!

「見返りはないよ。ただ与える。ただやるだけ。」

「なにをかっこつけて!!なんのつもりなの!!
子どものためにまともになってよ。いつも穴の開いた服着てバカにされるよ!恥ずかしいからやめて!そんな恰好で保護者会に行かないで!」

ヒステリックになるわたし。

家計を圧迫するほどの、困窮者へのサポート。
おかしい・・そうだ、夫もなんらかの障害なのではないだろうか。

発達障害とか・・
わたしは夫を精神科へ連れて行こうと、説得をかさねた。

わたしたちは先日、結婚10周年を迎えた。

結婚式も家財道具もない
新婚旅行やマイホームもない

夫はついに、精神科へは行かなかった。


わたしは以前は、爪に火を点す様な節約をしていたけれど(貯金のため)
いまはもうやめた、夫が人助けに家計を注ぐのをみて
”一般的な価値観”がばからしくなった

いまはわたしが家計を管理している
極端な節約を止めた


妻であるわたしにも変化があった
世界のことを知り、自分に出来ることはなにか
考え始めた

地域の活動や難民支援について学ぶ
子ども食堂へ出向いたりなどなど

正しいかわからないけれど、行動し始めた
本を読むこと 動画で学ぶこと やってみること

とてもゆっくりだけれど

「ブプレリュームとカネーション」
ゴミ捨て場から拾ってきたビン
背の高いお花を活ける!

最近夫はつねにガザの状況をチェックしている

彼の食欲が落ちてきたのもあり、いろいろな国の料理を試して出していると
食べてくれるようになった


彼は相変わらず、破れた服をガムテープで補強し
出勤している
10年経って わたしはそんな彼を
恥ずかしいとは思わなくなった

貯金はないが
息子は今日も元気に学校へ行っている。

「カツオのたたきとオレンジ」
カツオ、オレンジ、紫玉ねぎスライスに
オリーブオイルにオレンジの絞り汁、バルサミコを煮た液をまわしかける


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