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ちょっと不思議な話

母親の伯父さんの話。

伯父さんは、母親が若い頃に鬼籍に入っている。
私が生まれる前の話のようだった。
母親はその伯父さんのことをずっと私に話してきた。
忘れられない人なのだろうと思った。

私は気になった。
こんなに忘れられていないのは何故だろうと。

そして、今思えば随分不思議な仮説が閃いた。

ー伯父さん、まだ成仏してなかったりして。

父の知り合いにその辺に詳しい人がいるので
夏休みに会いに行って聞いてみることにした。

詳しい人に見てもらったところ、
「肉体を抜けて最初に行くところにまだ居るね」
と言われた。

「行くべきところに行きましょう」

そう声をかけてもらったところ

伯父さんは、他所行きの服に着替えて、
その場から移動したとのことだった。

この話を母親にしたところ

伯父さんはオシャレな人だったから、
服を着替えたんだろうと言っていた。

服の特徴を伝えると、
そういう服を着ていた、と懐かしんでいた。

この日を境に、母親は伯父さんの話をしなくなった。

あれから何年経っただろうか。
今年、母親が久しぶりに伯父さんの話をした。

伯父さんの家はまだあって、今も家族が住んでいる。
家族の話によると、
伯父さんの家では、誰もいないのに音がする、という
不思議な現象がずっと続いていたのだという。
それが、ある日を境にパタッとなくなったらしい。

「あなたが詳しい人に見てもらった年と
音がしなくなった年が同じ年みたい」

と言われた。


以上、ちょっと不思議な話でした。


ここまで読んでいただきありがとうございました。
すてきな今日を。







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