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【エッセイ】まだ見ぬ君

金魚といえば、お祭りの金魚、だと思っていた幼少期。
大人になって、金魚の種類の豊富さに驚くばかりである。
最近、目が真っ黒の金魚をよく見かけるようになった。
可愛くて1匹お迎えしたくらいである。
子どもの頃に描いた金魚の絵の目と、そっくりな君。

作出される金魚の種類が増えて
とても楽しませてもらっている。
来年、再来年作出されるであろう
まだ見ぬ金魚と出会える未来が
楽しみである。

中国やアメリカで作出される金魚も良いが
日本の水で生み出される日本作出の形は
とても丁寧な作り込みで
繊細さの中に逞しさを秘める。

津軽錦の品評会に行った時には
北国の持つ厳しい気候の中でこそ
引き締まる体色の澄んだ美しさを見た。

室町時代から続く日本金魚の美学が
さらなる変化を遂げていく中で
生きていけることが人生の楽しみである。

また、メダカの作出も本当に夢があって
金魚と同様に楽しみにしている。
まだ見ぬ君に会える未来を
思うだけで心躍る。

これを楽しみに
生まれてきたのかもしれないと
思うばかりに。


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