行動学

三島由紀夫の行動学入門を読みはじめた。はじめの数ページで、なぜ三島由紀夫があのような最期を遂げたのかがありありとわかった。
彼は、口だけの人間を許せない人だったと思う。有言不実行、または、実現性を考えず、行動を伴わない無責任が許せない人だったと思う。
私も、無責任が好きではない。
例えば、男女が付き合ったとして、その1日目に「一生一緒にいようね」なんて言われた日には付き合ったのは間違いだったかしらと思ってしまうだろう。
なぜなら、(そこにその人たちにしか分からないストーリーがあり、それを本気で心から、あらゆる可能性を考慮した上で発言しているならすてきだとおもうけれど)その発言は無責任極まりないからだ。それを聞いた時点で、何だかしらけてしまう。
例えば、「好きな服を着たらいいじゃない」と言ったあの人が、(私はその時素敵な発言をする人だと思ってとても嬉しくなったのに、)「ねえ見て。あのこのメイク、おかしくない?へたすぎる。」と言ったら、途端にその人の言葉に対する信頼が失せる。
だったら、はじめから、「ブランド服以外は裸と一緒。良く外歩けるわね。」と言ってくれた方がよっぽど気持ちがいい。
学生時代は悪口を好き放題言っていた先生に、卒業してから会いに行って「恩師に会いに来た!」とストーリーを載せるような人間。
友人が、「絶対と言う言葉はあまり使いたくない、保証がないから」と言っていたが、彼女のことはとても信頼できると思う。
信念のない、芯のない言葉は口に出さぬが吉だ。上っ面だけの、飾りの言葉だけなら、ないほうがましだとおもう。
逆に私は、有言不実行が許せないので、自分の成し遂げたい目標をあえて口にすることがある。口に出してしまえば、実行しないことは信念に反する。
かっこつけるなら、外側だけみたいな中途半端はむしろなにもしないよりも最悪で、中身まで完璧に擬態してもらわなければいけない。完全に自分を騙してモノにしなければならない。
中途半端にするくらいなら、汚い本音をぶちまけて生きている人の方が気持ちが良くて好きだ。

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