見出し画像

"勘"とは何か

「"勘" 無き経営者は失格」 故・松下幸之助氏の言葉です。

あらゆる情報を的確に選別・分析し、正しい経営判断に持っていくのは人間には不可能です。つまり「経営には"勘"が必要」と言うことになります。

ここで言う"勘"とは一体何なのか?

そしてそれは、"ヤマ勘"、"女の勘"さらには"推定"、"直感"、"閃き"、"第六感"などとはどう違うのか?はたまた同じなのか?

よくわからないけれども、人生において大きな影響を及ぼす可能性のある"勘"というものについて、ちょっと考えてみたいと思います。

問題① 日本に電柱は何本あるでしょう?


ちょっと考えてみてください。制限時間は3分です。
電卓やスマホ、PCは使用しないでくださいね。

・・・

どうでしたか?

正解は「約3,300万本」です。

答えを知っている人も多かったかもしれませんね。
確かGAFAかBig4コンサルの入社試験の問題だったかと思います。
細谷功氏著「地頭力を鍛える」の例題にもありました。

考えてもらったみなさんは、おそらく日本の国土面積や人口など、自分の持っている情報を活用して答えを導き出してもらったかと思います。
これはいわゆる"推定"ですね。(フェルミ推定と言います)

この推定力を高める方法については、「地頭力を鍛える」を読んでいただくとして、このnoteでは"勘"についての考察を進めていきたいと思います。

では続いて問題です。

問題②  なんて書いてあるでしょう?

制限時間は10秒です。

・・・

どうでしたか?

答えは「いただきます」です。
当たった方いますか?(笑)

この問題については、自分の持っている情報がほぼなかったはずです。

いわゆる「ヤマ勘」で答えるしかなかったと思います。

しかしみなさん、何らかの"推定"をしませんでしたか?
例えば、「こんにちは」が一般的だから、逆に「おやすみなさい」ではないか?とかです。
つまり、「"こんにちは"が一般的である」という情報から"推定"して答えを導いた方が多かったのではないでしょうか?

つまり、①フェルミ推定も②ヤマ勘も、広い意味では"推定"であり、違いは「自分の持っている情報の多寡」であると言えます。

閃き・直感

何かをしている時に、ふと良いアイデアが浮かんだり、今までずっと考えていたことの解決策が浮かぶことってありますよね?いわゆる「閃き」というやつです。
例えば私の場合は、ランニングをしている時に、面白いビジネスやnoteのネタ、ツイートネタが思い浮かぶことが多いです。(ちなみにツイートはウケない。)

なぜでしょうか?

スポーツや読書、映画など、何かに集中するとストレス発散になりますよね?
これは何かに集中することにより、脳がリラックスする状態になるからです。ずっと頭を悩ます(論理的に何かを考えている状態)→脳をリラックスさせることで、左脳→右脳への思考の転換が図れます。
これが、上記の「ふと良いアイデアが浮かぶ」という閃き現象の根源であると考えています。(違ったらごめんなさい)

将棋のプロとアマチュアの違いもここにあります。
プロは"直感"で差すのに対し、アマチュアは"思考"で差します。
プロとアマチュアに詰め将棋を解いてもらい、脳の状態を測定したところ、プロは「右脳」を多く使っていたのに対し、アマチュアは「左脳」を多く使っていました。ちなみに正答率は同じでも、問題を解くのにかける時間はプロの方が圧倒的に短いと言う結果も出ました。

天才数学者が、数式を「美しいかどうか」というアーティステックな視点で捉える現象に似ています。

もちろん、将棋のプロも天才数学者も、尋常ではないくらいの経験を積んでいるからこそ使いこなせる"直感"なのだと思います。
しかし、左脳で考える"推定"とはちょっと違うようです。

女の"勘"、経営者の"勘"

冒頭に記述した「勘なき経営者」の"勘"についてはどうでしょう。
ベテラン経営者は過去に様々な苦難や困難な状況を乗り越えてきたはずです。それらの素晴らしい経験を基にした"推定"or"直感"による判断を、瞬時に行うことができ、それが結果的に正しかった(利益に結びついた)=優れた経営判断ということになるでしょう。
"推定"なのか"直感"なのか、ベテラン経営者の脳の状態を測定した結果はないので何とも言えませんが、おそらく直感なのではないかな?と思います。これは私の直感です(笑)

では"女の勘"って何でしょうか?
私は男なのでわかりません(笑)

しかしこの"女の勘”についても、経営者の"勘"と同じではないでしょうか。
例えば浮気をしていた元カレのとった行動や言動、はたまた、いつもの彼氏の行動や言動と何かが違う。部屋の雰囲気がいつもと違う。
この「いつも」が女の経験に該当するのではないかと思います。

そこから導き出された"推定"or"直感"が女の勘です。
女性は右脳型の思考をする方が多いです。
「男の理論 vs 女の感情」
これに頭を悩ませてきたのは私だけではないはずです(笑)
女の"勘"も、おそらく”直感”なのだと思っています。

ちなみに、この右脳型の直感を鍛えるには、普段と違った行動を意識的にとるという様なことが有効だそうです。

例えば、「右利きの人が左手でお箸を持ってご飯を食べる」などです。
そうすることにより、脳がいつもと違った刺激をもらうことになり、右脳の活性化につながります。

第六感

「何となく嫌な予感がする」といった感覚ってあると思います。
そういうものって意外と当たったりしませんか?
あるいは霊感がある人もいるかもしれません。

そして、こういう感覚って子供の頃に多かったように思いませんか?
特に霊感については子供が幽霊を見やすいといった話をよく聞きます。

私は霊感はありませんが、子供の頃、祖父が亡くなった一報の電話が鳴った瞬間、「あ、おじいちゃん死んだな」と思った経験があります。
また小学生の頃、楽しみにしていたベッドを買ってもらい、そのベッドが届く日に何となく「あ、返品されるな」というほぼ確信に近い予感が当たったことがあり、今でも非常によく覚えています。

(以降、この予感や霊感のようなものを"第六感"と呼ぶことにします。)

この現象はなぜ起きるのでしょうか。
そしてなぜ子供の頃にこういった経験をすることが多いのか?
考えてみたいと思います。

(ここからはどんなに優秀な科学者でも答えを持ち合わせていない領域なので、完全なる私の推察になります。)

子供の頃の方が"第六感"が当たるということは、今までの経験や積み重ねてきた知識からくる"推察"、"直感"とはどうも違うようです。

私は、「子供の頃には備わっていた能力が、大人になると徐々に失われていっている」のだと考えています。
では何が失われているのかというと、それは「五感に対する集中度」であると考えています。

赤ちゃんは見るもの触るもの全てが初めてのものがたくさんです。
だから、それが何なのか理解するために、色々なものを口に入れて舐めたり、手触りを確かめたり、動くものをじっと見つめたりします。

しかし大人になっていくにつれ、周りにあるものは全て当たり前に知っているものばかりになってきます。だから、わざわざそのものや現象に対して、注意深く観察したり触ったりということはしなくなります。

中村天風という哲学者がいます。
松下幸之助や稲盛和夫といった名経営者達、原敬元首相、東郷平八郎や山本五十六といった軍人達、スポーツ界では大谷翔平選手など、様々な著名人達に多大な影響を及ぼしてきた人物です。
中村天風氏曰く、第六感を開花させるには、五感を極限まで鍛えることだと述べています。

大人になって衰えた五感を鍛え直し、赤ちゃんの頃のような鋭い感覚を取り戻すことができれば、"第六感"も戻ってくるのかもしれません。
瞑想による集中も有効かもしれません。瞑想を習慣化し、さまざまな能力を開花させる人達が実際にいます。

科学で解明できているものは、この世の森羅万象の中の10%に満たないと言われています。ほとんどの物質や現象が、まだ解明されていないもの、よくわからないものなのです。

最先端の科学理論では、この世の空間は「ひも」のようなもので満たされ、さらに多次元の時間や空間がパラレルに存在していると言われています。
これらは当然、人間の五感では捉えることができないものです。
しかし、"第六感"がもしこのようなパラレルに存在する時空とアクセス可能なものであるとするならば、「霊」や「未来予知」と言ったことも可能であるのかもしれません。

結論

私の考える"勘"は大別すると以下のようになります。

・左脳型の勘:ヤマ勘など、自分の持つ情報や経験から推定するもの。
・右脳型の勘:閃き・直感など、脳がリラックスするときに発生するもの。
・第六感  :五感を極限まで鍛えたものが取得できる能力。

捉えどころのない"勘"ですが、それぞれの"勘"を鍛えて、仕事をはじめ人生におけるさまざまな場面でうまく活用することができれば、今まで想像もしなかったような人生の道が開けてくるのかもしれません。










この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?