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教育実習生の心を折るブラック労働

教育実習生を受け入れることに関して、学校現場はなぜか上から目線で実習生に接しています。

  • 「採用試験を受けない実習生は受け入れない」

  • 「忙しい先生方が無償で指導しているのだから、平身低頭で望みなさい」

  • 「就活などもってのほか、他の予定はすべて断りなさい」

自分たちがボランティアで受け入れていると言わんばかりの態度や対応であるケースが多いようです。

今回はこのことについて考察していきます。

教員採用試験の倍率と人材確保

教員採用試験の倍率はここ数年で大きく減少しました。私の済む九州でさえも、小学校の倍率はもはや1倍台です。

中高、特に高校の場合は5倍以上は維持しているものの、かつてと比較してかなり下がっています。

しかも、最終倍率はともかく、中高の多くが1次試験の倍率は2倍台であることは明らかで、少なくとも学力試験はかなりハードルが下がっています。

私の勤務するような私立の場合は、公立の受験者や不合格者を囲い込むという形で人材確保を行ってきました。

さらに、教員免許更新制の影響は大きく、かつては潜在的に教員になる可能性のあった人達を駆逐したため、もはや教員第一志望の学生で、私立を考えていも良いと思う学生を探さないと困る状況は多いようです。

教員免許取得の道を選んでくれてありがとう

正直なところ、あまりにも免許取得者の数を見ると、学校経営や管理職の人間だけでなく現場の人間からもお礼の言葉と金一封レベルの感謝をしなければならない状態なのです。

しかし、実際には実習生に対し未だにブラック労働を強いて、さらにその耐性を求める学校の話をよく聞きます。

実習生へのブラック労働の強制

まず、多いのがやたらに早い時間に出勤を命じ、しかも掃除などのボランティアを強制することです。

この手の指導は学校全体というよりも、指導教諭の方針ではありますが実質的に強制的に行っているケースが多いようです。

また、指導案を毎授業で準備をさせ作成の時間が長すぎる問題もあります。

そもそも、学生の段階で作り慣れていない指導案を毎日毎授業、フルスペックで準備をさせるのには無理があります。授業に必要という考え方ならば、実習授業を減らすべきなのです。

さらに、時間外の部活動を指導を当たり前のように指示します。これに前述の指導案や早朝出勤も重なるため、体力的にも精神的にもかなり追い込まれます。

結果、貴重な教員志望者を減らしていくという悪循環を発生させています。果たして何をしたいのか、全くわけがわかりません。

後進に希望を与える必要性

「#教師のバトン」などで炎上するなど、教員の労働環境に関しては重大な社会問題となりつつあります。

しかし、それと同様に実習生への対応に関しても考えなおす必要があります。

「自分たちはそれで鍛えられた」、「若いうちに厳しさを体験すべき」などという考え方こそが、自分たちのブラック労働の環境を生み出す源泉となっていることに気づくべきです。

せめて、希望を持って教育業界に入ってきた人達のやる気を削ぐような実習にだけはしてはいけないと思います。


実習生や新任、新卒者に試練を課すような指導法を取る人が未だに多いことは本当に謎です。

それで良い気持ちにはならないし、多くの人は辞めるという選択をするというのは分かりそうなものですが…

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