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海外移住をきっかけに離婚を決めたミドサーが日本で卵子凍結をした話

自己紹介

はじめまして。Shokoと申します。
この記事に辿り着いていただき、ありがとうございます!

自己紹介をいれると長くなるので、別ページに記載しました。
なぜ34歳というタイミングで卵子凍結を決断したかも書いてあるので、
記事内容を理解いただくためにも、読んでいただけたら嬉しいです。


卵子凍結に至るまで

はじめに

まずはじめにご理解いただきたいのは、卵子凍結は個人差があるということ。
また費用も採卵できた卵子の個数や個人の身体の状態で変わるし、もちろん病院によっても変わるということ。
この記事はあくまでも、卵子凍結を考えられている方の少しでも助けになればと思って書いているので、卵子の数などが違うからと言って一喜一憂しないでください。

調査開始

海外移住が決まった6月から、卵子凍結について本格的に調査を開始。
最初の壁が「婚姻関係」でした。
卵子凍結は不妊治療の一部として扱われている日本では、パートナーありきで考えられることが多く、病院によってはパートナーのいない人は受け付けてもらえない。
私は調査を始めてすぐ離婚をすることが決まったため、卵子凍結実施時には離婚しているか、離婚に向けて協議中というステータスになることが見えており、当初の計画から大きくズレることになりました。
完全に盲点だった…

\\\\子供がほしい!と思った時のために卵子凍結するんじゃないの!?/////

パートナーありきなの!?
なぜ!??頭固すぎない???
とあっちこっちに愚痴っていた私ですが、私同様の認識の方もたくさんいました。
(そのためにもこの記事が役立ちますように…)

卵子凍結を決意する前から周りの口コミもあり、
病院は2つまで絞り込んでいたのですが、候補①は初診からパートナーの同席が必要。
事実婚ならOKだが、パートナーなしのシングルによる卵子凍結は受付不可。
しかも候補①の病院の初診の前日のリマインダーメールでその事実を知り(予約時に見落としていた私が悪いけれど…)、そこまでの数日間が水の泡になったのでした。

結果、候補②の病院で予約を取り直すことに。
奇跡的に候補①の初診予約の3日後に予約ができ、私のやり場のない怒り?も無事鎮火。
病院の情報は最後に記載させていただきますが、卵子凍結でとても有名な病院で、私の周りでも3名が卵子凍結済み。

決め手は以下

  • 信頼できる友人が卵子凍結していた

  • 同じバツイチの友人がパートナー無しで卵子凍結していた

  • アクセスが良かった

  • 院内が清潔感に溢れていた

  • クレジットカードが使えた (ポイントおばさんなので個人的にかなり重要)

  • 土日も予約可能

  • 早朝も予約可能

そんなこんなで、ドキドキしながら初診を迎えるのでした…

卵子凍結開始

初診

最後にテーブルも載せますが、ここからは具体的に日程と金額、診察内容も載せていこうと思います。
※金額に関しては2023年7月時点のもの

6/30 15:30予約→17時頃終了 (たしか…)

  • 病院へのカルテ登録

  • 血液検査 (卵巣年齢が分かるAMH検査が面白かった!)

  • 医師による卵子凍結の説明・軽い問診

病院に到着してまず最初に驚いたのが、
良くも悪くもとても効率的だったということと、当たり前だけどほぼ女性しかいなかったこと。
(もちろん卵子凍結ではなくて受精卵凍結もあるので、時間帯によっては男性もいるけれど、結構肩身狭そうだったな…)
そしてさらに、いらっしゃる女性がほぼ全員PC開いていたということ。笑
妙な安心感が生まれた。。。
ちなみに待合には電源もあるので、待ち時間に仕事ができてとても助かった。
個人的にそこはかなりの評価ポイントでした。

カルテ登録が終わると、まず採血。感染症やAMH検査などを行います。
この日までAMH検査の存在を知らなかったのですが、
「卵巣年齢検査」と言って、今後排卵する卵胞がどれぐらい残っているかを調べる方法らしい。
それらの結果が出るまで待機。大体1時間位で出た記憶。

混雑状況にもよりますが、とにかく待機時間が長いのが卵子凍結なので、
時間を潰すものの持ち込みは必須!

検査の結果が出ると、先生に呼ばれ、感染症などの有無とともに、
自分の卵巣年齢から予測される、採卵時に取れそうな卵の数と、
卵子凍結についての説明、スケジュール、注意点などの説明がありました。

私の場合海外移住が決まっていたので、それに伴う影響を明確にしたかった。
当たり前だけど、海外には持ち出せない、ということでしたが、
一旦懸念点は払拭されたので、この病院での卵子凍結を進行することに。
34歳2ヶ月目のお話。

一点知識不足だったなと思ったのが、
1回の採卵で何個採れるかわからないから、もしかしたら採卵は複数回必要かもしれない、ということ。
そして1回目の採卵と2回目の採卵は間髪あけずにできないということ。

よーく考えたらそうだよな…
AMH検査はあくまでも想定であり、実際は採ってみないと何個元気な卵子がいるか分からないし、
薬を接種することで身体への負担もかかるから、そんなに何度もサクサクできない。

色々明確になった初診は16,500円でした。
次の予約は、生理が始まってから取るということで、予約はせずに帰宅。

ざっくりスケジュール

6/30 初診 (1回目)
(7/12 離婚届提出)
7/18 生理開始
7/19 通院 (2回目)
7/24 生理終わり
7/25 通院 (3回目)
7/27 通院 (4回目)
7/30 採卵 (終了)

結果初診からちょうど1ヶ月で1回目の採卵が終了。
(8/26に日本を出国したので、超スピードギリギリ卵子凍結でした)

初診後の通院内容

杉山産婦人科資料より転用: 元資料はこちら

<1回目の診察>7/19
生理が始まった日に予約を取り、生理2日目に1回目の診察へ。(7/18生理開始、7/19 1回目通院)

  • 採血

  • 先生とお話し

  • 看護師さんによる排卵を誘発するお薬の説明

この日はまず採血をし、ホルモン値を調べてから、排卵を誘発するお薬の説明を看護師さんから受けました。
薬は内服薬と自己注射(ゴナールエフ)。(人生初自己注射!!!)
自己注射は指定された量を指定された日程で打ちます。
自己注射が怖い人は通院で打っていただくことも可能みたい。
看護師さんから説明を受けたその場で1回自己注射を行い、howtoを学べるので、ちょっと安心。
保冷バッグに入れた注射をお弁当のように持ち帰り、冷蔵庫で保管しながら次回の通院に備えます。

1回目の通院は採血とお薬代込で58,630円。
薬の量は個人差があるので、この辺から金額が変わってくると思います。
次は生理終了後とのことで、今回も予約せずに帰宅。
大体2時間くらいだった記憶。

初めて薬を持って帰ったこの日、
元パートナーとはまだ一緒に住んでいた時期だったので、自己注射薬にすごく驚いており、男性にとっても必要な知識と過程だなと感じました。
思っていたより過酷な過程をシェアできて良かった。

<2回目の診察>7/25
生理が終わった7/24に予約を取り、翌日7/25に2回目の通院。
きちんと注射を打っているかの確認も兼ねて保冷バックに入れて、自己注射と使用済みの注射針(病院で回収)を持参します。
採血の後、もう少し薬を続けようということで再びお薬をいただいて、
3回目の通院の予約を2日後の7/27に取り帰宅。
ちなみに予約は全てオンラインで取ることができます。簡単!

この日は採血と追加のお薬代で34,270円。
1時間程でした。

<3回目の診察>7/27

  • 採血

  • 先生と採卵日の決定

  • 採卵日までに必要なお薬の説明 (超重要)

いつも通り採血をし、結果を待って、先生とお話し。
いい感じに卵ができてきてるので、採卵日を決めましょうという日程の相談と、採卵日までに必要なお薬の服用の説明。これがかなり大事!
特に点鼻スプレーの時間が細かく決まっていて、これがちょっとでもずれると最悪の場合採卵日が変わってしまう可能性もあるとのことで、
ビビりまくった私は採卵日前日の予定をキャンセルして、アラームをしっかりかけるという徹底ぶりを発揮。それくらい大事な作業ということでした。
先生とお話しし、3日後の7/30朝7:30で採卵日が決定。

また採卵時の麻酔もその日に決める必要があり、
「静脈麻酔(55,000円)」・「局所麻酔 (22,000円)」・「麻酔なし座薬のみ」の3つから選択。
私の周りはほぼ全員静脈麻酔で実施済み。痛みに強い方だと自負している私は、採卵の痛みが想像できず、最初に麻酔なしを選んだのですが、先生に「本当に大丈夫?」と何度も確認され、逆に怖くなり、「局所麻酔」を選択し、帰宅しました。

この日は点鼻スプレーの追加などもあり、31,340円。
支払い完了まであと1通院!笑
2時間くらいだった記憶。

採卵日までの過ごし方

点鼻スプレーの時のために前日の予定を全キャンセルした以外は通常通り過ごしていました。
ちなみに採卵当日は、禁飲食での来院となるので、健康診断の前日のような過ごし方になります。

卵子凍結(採卵)当日

日曜日の朝7:30の予約。
到着した時点で2名ほどの患者さんとお会いしました。
受付をして、着替えて用意された個室で待機。
個室にはロッカーとマッサージチェアのようなリクライニング付きソファが用意されていました。
お水が飲めないのがつらい…
8時に採卵予定でしたが、実際に案内されたのは8時過ぎ。
先の見えない待機時間が心細かった。

採卵室にて

採卵室では分娩台のような形をした椅子に座り、卵胞の位置を確認された後に、採卵する箇所付近と膣壁に局所麻酔を打っていただき、
あとは先生が黙々と採卵していく様子をモニターを見ながら観察。
結論、局所麻酔にして良かった。(静脈麻酔でもいいかも)
作業としては採卵用の針で膣の奥からプスプスと採卵される感じ。
私はじっとしているのが非常に苦手なタイプなので、モニターを見たり、天井を見たり、動かせる首を精一杯動かして気を紛らわしていたけれど、
やっぱりちょっと痛みは感じました。
表現しにくい鈍痛というか…

静脈麻酔の場合は目が覚めた頃には終わっているので、
何も見たくない、何も感じたくない、という方は静脈麻酔がいいと思います。
ただし、あくまでも素人の感想なのと、静脈麻酔の後は安静にしていないといけないので、実際は先生にご相談ください。

採卵終了

作業自体は15分くらいで終わった記憶。
局所麻酔の場合は終わったらそのまま自分で歩いて先程待機していた個室に戻り、先生に呼ばれるまで待機します。
その間に着替えたり水を飲んだりしてOK.
私は自宅から水筒を持参したけれど、緊張や暑さで終わった直後は喉がカラカラだったので、もし仮に500mlのペットボトルだったら秒速で飲み終わって足りなかったと思う。
特に私のように夏に採卵される方はご自宅から多めのお水の持参をおすすめします。

待機時間が長くなるほど、だんだん具合が悪くなってきて…
先生に呼ばれる頃にはフラフラで、個室で座って待機しているのも辛い状態でした。
熱中症ではないのに、症状は熱中症に近いというか。
めまいがして、呼吸が浅く、汗が止まらず、さっきまでごくごく飲めていた水さえ飲むのが辛い、そんな状態でした。
ケータイを見るのも辛い。

私の周りでこんな状態になったのは私だけなので個人差があると思いますが、麻酔が合わなかったのか、針をプスプスしたことによる身体の拒否反応なのか未だ不明…

一人で帰れるわけもなく、心配して病院まで送ってくれた元パートナーに、お迎えをお願いすることに。
あまりにも具合の悪い私を見て、余計心配させてしまったのですが、同時に、卵子凍結がどれだけ過酷なものであるかを、彼は再確認できたようでした。
サポートしてくれて、ありがとう。

採卵結果

先生の検卵が終わると呼ばれ、採取できた卵子に関する説明がありました。
採卵できたのは12個でそのうち保管に値する卵子は9個という結果に。
34歳で12個は良い傾向のようでしたが、あくまでも採卵できた卵子の数なので、本当に大事なのはこの先の未来で受精卵にする時。
9個の卵ちゃんたちよ、、、頑張ってくれ!!

一本の試験管で3つの卵子が保管できるということで、結果試験管は3本の保存となりました。
(試験管の本数で保管料が変動します)

先生から卵の状態の説明と保存方法などの説明を受け、最後に出血や体調が悪くなった時用(この時点で意識飛びそうだったけど。)のお薬をいただき、お話しは終了。
帰れそうだったら帰っても良いとのことで、早く家のベッドで横になりたかった私は、元パートナーのお迎えを確認し、さっさとお会計をして、車の背もたれをフルフラットにして、浅い呼吸のまま帰宅したのでした。

家に到着する頃には少し楽になっていたけれど、
そこから死んだように3時間ほど寝続け、やっと回復。
夜には大好きな焼肉をお腹いっぱい食べているほど元気になっていました。
※当日は飲酒禁止なのでノンアル焼肉

そして気になる採卵当日のお支払いは、、、、、
348,700円(お薬代込み)
となりました。

費用合計とスケジュールの振り返り

今までの流れをまとめるとこのように。

Shoko第一回卵子凍結費用総計

年間保管料に関しては、33,000円/本となり、
4-6個: 66,000円 (2本)
7-9個: 99,000円 (3本)
ただし
10個: 110,000円 (4本)
となります。

まだ更新していないのでここから先のことは分からないけれど、更新時期になると病院からお知らせが届く模様。
このタイミングで更新をしないと、卵子は破棄されてしまうので、そこだけは絶対に忘れないようにせねば…!

卵子凍結をしたことによる変化

身体的にはもちろん、何も変わりません。
ただ、周りの友人たちに卵子凍結の相談を受ける機会が増えたし、
34歳という年齢を考えると、もっと早くやっておけば良かったと、やった今も考えます。
さらに、この先いざ受精卵にするぞ!となったタイミングできちんと受精卵になるのか、
自然妊娠が一番理想だけど、受精卵としてこの凍結した卵子を使うことがあるのだろうか。。という不安?もあります。

繰り返しになるけれど、悩んでいる時間がもったいない、
悩んでいるならやったほうがいいと思うし、早ければ早いに越したことはない。
身体に負担は発生するものの、将来自然妊娠ができなかったり、不妊治療を頑張っても赤ちゃんを迎えることができなくなるかもしれないという悲しみを考えると、できることはやっておくべきだと、強く思います。

決して安くはない投資だった。
でも、不妊治療を行うことになったらもっとお金がかかるし、心も辛くなる。
そう考えたら、今できることをやっておくことで、少しでも将来笑顔になれる時間が増える、そんな気がしています。

国の助成金について

私がバンコクに到着してからしばらくして、東京都が卵子凍結に関する助成金を始めるとの報道がありました。

詳細についてはご自身でお調べいただければと思いますが、
まーーー手続きがめんどくさそうで。笑
でも、これで少しでも経済的負担や、心理的負担が軽減されるのであれば嬉しい制度だと思います。
(もっと早く決断してほしかったよ、東京都さん)

病院+参考URL

私が卵子凍結を行った病院は東京の「杉山産婦人科 新宿院」です。

病院を決める情報に使ったページも載せておきます。
情報量が多いので、理解を深める参考になるはずです。

最後に

この記事をなぜ書こうと思ったか。

こんなに便利な世の中でも、卵子凍結の情報が圧倒的に少なくて、私自身がとても不安だったし調査に最も時間を費やしたから。
また、「卵子凍結」というキーワードの認知度がまだまだ低いということを体感した。
そして、自分の親世代と話していた時に、妊娠への考え方が大きく違い、女性が積極的にこのような備えをすることに、少しネガティブな反応があったから。

だからわざと、辛かったこと、痛かったことも踏まえて、
誰かの役に立てればと思い、実体験をシェアしたかった。

どうかこの記事がきっかけとなり、
卵子凍結を考えている方の背中を押すことができ、
卵子凍結の理解を深めることができ、
一歩踏み出す勇気に繋がったらいいなと願っています。

そして…
元パートナーにも本当に感謝しています。
離婚届を提出した後にも関わらず、送迎をしてくれたり、薬を飲む時間を気にしてくれたり、
離婚をしていなくても卵子凍結は行っていたと思うけれど、
彼の懐の深さがあってこその、私の卵子凍結でした。

末尾とはなりますが、この記事に辿り着いていただきありがとうございました。
誰かの力になりますように。

私が答えられる範囲のものであれば答えたいとも思っています。
自己紹介にTwitterとInstagramを載せていますので、感想やご相談、気軽に投げかけてください。
(真面目なトーンで書きましたが、普段は赤裸々ストーリー芸人やってますw)

書くと決めて2ヶ月費やしてしまったけれど、
出張中のシンガポールより、未来に願いを込めて。

おしまい

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