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レストラン業態の特徴

食事を提供する飲食店を指すレストランは、18世紀以降にフランス・パリで発展しました。
「回復させる、元気づける」という意味をもつフランス語、restaurerが語源で、パリのブーランジェリー(ベーカリー)が自家製のブイヨンやポタージュスープ、羊のホワイトソース煮込みなどをレストラン(元気を回復させる食べ物)と名付けて売り出したことがきっかけです。
その後、パリを訪れる旅行者をもてなすために、現在のようなレストランが登場しました。
個々のテーブルでメニューから好きな料理を選んで食事ができるレストランは、限られた時間のなかで大テーブルを囲んで食べる不衛生な簡易食堂しかなかった当時のパリですぐに評判になりました。
旅行者のみならず、会食に訪れる人も増えて、レストランはパリの各地で見られるとともに、世界中に広がっていきました。

日本のレストランの成り立ち、ファミレスの台頭

日本では、1857年に長崎で、1862年に横浜でレストランがオープンしました。
その後、明治から昭和初期にかけてオープンした高級ホテルの多くでは、西洋各国の料理を提供するレストランが併設されました。
以降、西洋料理を日本風にアレンジした洋食レストランが全国各地にオープンしていきました。
1970年には日本初のファミリーレストラン「すかいらーく」が登場。
外食が日本人にとって身近なものになっていくと同時に、セントラルキッチンの建設やオペレーションのマニュアル化などによって均一な商品とサービスの提供が可能になっていきました。

「食の安全」と外食文化の多様化


1990年以降では、96年のO-157による食中毒、2001年のBSE問題、02年の食品偽装表示や残留農薬問題、04年の鳥インフルエンザなど、立て続けに食への信頼をゆるがす問題が起こりました。
そのような状況のなか、飲食業界では食の質やサービスが見直され、危機管理や食の安全に取り組む流れが生まれました。
消費者のなかにも健康・安全志向はもとより、本物志向、手作り志向、グルメ志向など、さまざまな価値観が生まれていきました。
近年では、そうしたニーズの変化に合わせて、多彩なレストランが登場しています。
イタリア料理(イタリアン)やフランス料理(フレンチ)などのジャンルでは、海外の有名店で修業した料理長が腕を振るう本場の味を提供するレストランが増えてきています。
また、カジュアルに食事を楽しむことができ、カフェとしても使えるカフェレストランや食事をしっかりと取ることができるダイニングレストランなど、お客様の利用シーンに合わせてレストランも形を変えています。
2007年には、レストランを1~3つの星で評価・案内するミシュランガイドの東京版が、2009年には京都・大阪版が発行され、2011年からは東京・横浜・鎌倉版、京都・大阪・神戸版とそれぞれカバーする地域が広がりました。
そのほかにも、日本野菜ソムリエ協会が認定するレストランなど、権威ある団体によってレストランが評価されることで、各地のレストランも一層活気づいています

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