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【見かけで決めつけましょう】


黒ずんでるから買わない方が良い


先日も店頭で言われました。
“キャベツさぁ、もっと緑がしっかり綺麗なやつないのん?
これ何か紫っぽく変色してて買う気せーへんわぁ”

わかります。
自分も昔はそうでした、キャベツは緑が絶対、黒ずんだものは買わない。
見かけで決めつけてました。黒ずんでるから品質が良くないんだ、買わない方がいい。
本来のイメージと色合いが違ったら一気に印象が変わり購買意欲が失せていくのって本当に日本人っぽいなぁと思ってしまいます。
身嗜みを大切にする日本人ならではの見た目に重きを置いた考え方。


ならば


“正しい知識をもとに見た目で選んで欲しい!”

昔は黒ずんだキャベツを買うのに抵抗があった自分ですが今ならこう言えます。


あの紫の正体、実は。

紫に変色したキャベツ、実は…

ではまずあの黒ずみの正体、あなたはご存知ですか?
ご存知の方はなかなかのお野菜好きなんじゃないかなと思います。
あの黒ずみ、というか正しくは紫色なんですがタイミングや状況によって紫の色味が深くなり黒く見えることもあります。
なので正しくは紫色、そしてこの正体は皆さんご存知の

アントシアニン
なんです、そうポリフェノールの一種です。

キャベツに限らずいろんな野菜に言えることなんですが
お野菜もしっかりと生命力を持っています、厳しい冬の寒さの中で元気に育つ事は容易ではありません。お野菜は自ら様々な栄養素を作り出す事で自分の命を守るのですが、その生理現象によってアントシアニンが放出されるんですね。
なので外的要因だったり病気だったりで変色してるのでは無く、自己防衛反応の証、つまり頑張って元気に育った証拠だと思って頂いて大丈夫です。
キャベツ以外だとブロッコリーや水菜やにんじん、カブなどお野菜の紫色はほとんどこれに該当します。



アントシアニンが放出されると甘くなるの?

ではそのアントシアニン
放出されると味にはどんな影響があるのか、一言で申し上げると“直接影響はありません”
詳しく説明しますと、アントシアニン自体に甘みがあるのではありません。
糖度の上昇によってアントシアニンの放出が活発になるお野菜が実はいくつかあり、キャベツも例に漏れずソレなんです。
露地栽培でお昼は太陽を浴びて光合成を行い力を貯める、そして夜はその力を放出して寒さから身を守る、つまり生命力が活発になる。元気なお野菜は味わい良くなるのが定説でキャベツにおいても同様であり、つまり、相乗して放出されるアントシアニンで紫に変色した事が美味しさの目印になるという話なんです。
助かりますよね、美味しさが見た目に現れるなんて。

なので、キャベツを選ぶ時は
見た目重視、紫に変色したものを選んでください。

有機の肥料などを使って土づくりがしっかりされた栽培環境で土から十分な養分を蓄えて育つキャベツは前述した通り元気に育ちます。
その元気さが“味”に繋がるんです、これはいろんな農家さんに教えてもらって皆さん同じ事をおっしゃってます。
だからこそ土づくりが何よりも大事という理論に繋がっていくんです。

見た目は確かにイメージが悪い。
でも少し調べたり聞いたりしたらちゃんと理由がある。
それが見た目で判断できるのなら知ってて損はありませんよね。
正直言って印象やメディアに踊らされてる人が本当に多いので
その情報が正しいのかどうか、とか
自分の選択は本当にあってるのだろうか、とか
考えて調べてみると意外な発見が多くて面白かったりします。

これからは見かけで判断して紫がかったキャベツを買ってみてくださいね。

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