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正しい議論の方法とは?【私たちはよく間違える!】

私は今までに、数こそ多くはないのですが、有名大学の学生から出版コンサルタントやインフルエンサーとして活躍している人までと、話をする機会がありました。

そこで実感したことは、「正しく議論できる人は非常に限られている」ということでした。

むしろ、どれほど社会的に成功している人であっても、以下のようなスタンスであることがとても多かったです。


・相手を否定して、マウントを取ることが目的になっている

・自分の意見が否定されると感情的になる

・何でも肯定しないといけないと思っている


これらを見て、「自分は気をつけよう」と思えたのなら、それは賢い判断だと思います。というのも、人はたいてい自分の至らなさを認める力量がないからです。

私自身、ここ数年間で、自分がいかに論理的に考えられていないかや、自分の考えがいかに偏っているかを何度も痛感してきました。

今回は、そうした経緯もあり気づいた「正しい議論の方法」を解説してみます。


まとめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①「誰が」ではなく「何が」正しいかを考える

私たちは、つい「自分が正しい」と言われたいものです。しかし、一歩引いた視点で、「誰が正しいか」ではなく「何が正しいか」を考えることを徹底することで、良い議論につながります。

②自分の感情ではなく根拠を軸に議論する

さらに私たちは、よほど訓練していない限り、「客観的な根拠」ではなく、「主観的な感情」に基づいて話をしてしまいます。大切なことは、自分が何を信じたいかにかかわらず、根拠を優先することです。

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①「誰が」ではなく「何が」正しいかを考える

ほとんどの人は、議論で重要な「自分の無知や過ちを積極的に認める力量」に欠けています。

個人的にも、私が今まで会ってきた人たちの大多数は、議論になると、自分が正しいと言われないと納得せず、相手を否定することが目的になってしまっていました。

それでは議論ではなく、ただの喧嘩です。

残念ながら、「どうやって相手を否定しようか」と考えて話す人は少なくありません。すると、話が噛み合わなくなるし、話に生産性がなくなります。

私たちは、たいてい、人の過ちにはすぐに気づくものの、自分の過ちを認める力量が足りないのです。すると、自分が正しいと言われないと気が済まなくなるのです。

繰り返しますが、議論においては、「誰が」正しいかはどうでもいいのです。代わりに「何が」正しいかを徹底的に突き詰めましょう。



②自分の感情ではなく根拠を軸に議論する
①と重なる部分でもありますが、加えて重要なのは、「根拠を軸に会話をすること」です。これもよく見落とされがちです。

私たちは、「自分が信じたい、だから正しい」という考えに陥りやすいのです。

そして、自分の意見が、根拠と共に否定された場合でも機嫌を悪くする人は多いです。「自分が正しいと思いたいことなのに、なぜ否定するんだ」と感情的になるのです。

しかし、大切なのは感情に従うことではなく、根拠を探ることなのです。私たちはよく、根拠ではなく感情を軸に話しやすいです。そのため、否定をされると被害者の気分になりがちですが、それは大きな過ちなのです。


また、中には「議論は避けるべきだ」「何でも肯定すれば平和だ」と考える人もいますが、これも大きな間違いです。

議論は喧嘩とは違い積極的にすべきですし、議論を避けるのは決して平和ではないのです。むしろ、議論の無い社会は改善ができず、とても危険だと思います。

たとえば、私が日本の男女平等指数が低いといったような”事実”を指摘した際、あるいは相手の主張が誤っていることを指摘した際に、怒りをあらわにされたことがあります。

「それは社会批判だ!」

「なんでいちいち否定するんだ!」

といった具合です。

しかし、事実を指摘することと、国や人物を卑下することは全く異なります。そして、意見を否定することと、人を否定することも別物です。

このように、正当な意見交換を避けてしまえば、建設的な議論は一向に進みません。

たとえば、日本の男女平等指数が低いというのは「卑下」ではなく「事実の提示」であり、それを話題にすることは、社会を良くするうえでとても重要です。

議論を避けたり、否定すること避けたりすることは、全く平和でないのです。

また、自分の過ちを指摘されて感情的になることが誤った思考であることは言うまでもありません。

やはり、自分の過ちを積極的に認めることは、尊敬すべき姿勢だと思います。


まとめると

①「誰が」ではなく「何が」正しいかを考える

②自分の感情ではなく根拠を軸に議論する

という2つが議論においてはとても重要だということでした。

非常に残念ながら、本当にこれができる人は極めて少ないです。

たとえば、テレビでよく「教養人」として出てくるような人たちでも、自分の無知や傲慢を積極的に認め、建設的に議論をする力量のある人はほとんどいないように思います。

むしろ、議論の場では、自分が勝つことを目的としやすく、無知を認めずに言いくるめる人の方が注目されやすいです。


しかし、本当に賢い人は、いつも俯瞰的に議論ができて、自分の至らなさを認める力量に非常に長けています。

私もそうしたスタンスを大切にして、生産的な議論ができるように心がけようと思っています。


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