釜揚げしらす

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ゲンロン友の会を更新した話

ゲンロン友の会を更新した。今期で3期目となる。 かつて僕は東浩紀の読者であり、初めて拝読した著作は『存在論的、郵便的』だった。この本のおかげで、経済学部生にも関わらず、ジャック・デリダの思想に夢中になり、哲学のゼミに通い「正義論」をテーマに研究した。 通っていたインカレサークルでは、『動物化するポストモダン』を読んだオタクたちが理論を援用し、涼宮ハルヒについて語り、部室でハレ晴レユカイを踊っていた。まぁそんな時代だった。 しかしながら、悲しいことに大学卒業後、就職すると哲学

    • 『カルラの歌』

      ネタバレを含みます。 一九九六年、ロバート・カーライルは『トレインスポッティング』の荒くれものベグビーと他所にケン・ローチ監督『カルラの歌』で労働者階級の人情味溢れるバス運転手を演じた。 カーライル演じるジョージは、ある日、自分が運転するバスに乗り込んだ移民を庇う。そして、移民の女性カルラと惹かれ合い、恋に落ち、彼女が抱えるトラウマはニカラグア革命の傷跡と知り、彼女の戦友であったアントニオとの再会を果たすために協力する。 ニカラグアでのシーンはロードムービー的な要素を含

      • 20年目のLost in Translation

        ソフィア・コッポラの『Lost in Translation』を久々に見た。 本作はソフィア・コッポラの半自伝的作品であり、翻訳の喪失というタイトルが示す通り日本語という言語の壁と人生の岐路や迷いに翻弄される異国の登場人物たちが描かれる。 僕が高校生だったちょうど20年前、第一志望だった大学のオープンキャンパスで東京に初めて来た。(それはちょうど本作がアメリカで公開された年だった) この映画で描かれたTokyoは地方出身者の僕にとっての東京に等しい。東京はモノと情報が加速度

        • 何か書きたいときに書くこと

          はじめまして、釜揚げしらすと申します。 実はnoteのアカウント自体は3年前に作成してたのですが、なかなか筆が、キーボードが進みませんでした。 ほとんどの場合、書こうとすると酒を飲み始めたり、外に出かけたくなったりと書くことに対して集中できませんでした。集中力の欠如ーこれが私の最大の問題。 よって、無理をせずに何か書きたいときに書くことを始めたいと思います。 どうぞよろしくお願いします。 写真は東ロンドンの住宅地の公園 釜揚げしらす

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