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散歩する文学賞結果発表

本日、2020年末まで作品募集を行っていた、「散歩する文学賞」の大賞作品を発表させて頂きました。

コロナ禍の世界を淡々と生きていく中で、自分に何が出来るだろうと考えた時に創作の灯を盛り上げたり、作家さん同士の繋がりを生み出すことが、この混乱した時代を乗り越えることだと思い、昨年の初夏に賞を企画しました。

大変ありがたいことに、合計201作品も応募を頂き、締め切り日の翌日に作品合計数を数えた時は本当にびっくりしました。
「人生で初めて小説を書いた」「この賞のために作品を書いた」などとご連絡を頂いたこともあり、(ちょっと言葉では言い表せないくらい)嬉しかったです!

正直なところ、初めての告知をしてからしばらくの間は個人主催の文学賞に作品が集まるのかとか、俺は何だかめっちゃ怪しいやつなんじゃないか・・・などなど、色々な葛藤がありましたが、
日を追うごとに応募者の皆様そして仲間が増えていき、驚いたことに多くのメディア・個人サイト様に掲載頂いたり、たくさんの文学を愛する方々にSNS等で拡散を頂き、無事今日を迎えることが出来ました。

応募を頂いた全ての方、そしてご協力頂いた全ての方に感謝御礼申し上げます!

散歩する文学賞受賞作品

さて、お待ちかね(?)の大賞作品ですが・・・・・・、


(ドラムロールが鳴る音)


厳正なる審査の結果、散歩する文学賞大賞作品は、
髙橋洋有さんの「熱波」を選ばせて頂きました。

こちらのページにて大賞作品並びに髙橋さんのコメントを読むことがございます。


選考は何日もかかり、たくさんの素晴らしい応募作品の中から1作品を選ぶ難しさを痛感しただけでなく、ご応募頂いた作品は長編から短編、そしてジャンルも様々で、正直、決定までの過程でものすごく悩みました。

大賞作品の「熱波」には日常における暖かな心の交流が描かれております。賞の趣旨を体現するような作品であったと同時に、人と人の間に見えない壁があるような気がするこの時代だからこそ、人間同士の交流による優しさや希望が多くの方に伝わって欲しいと思い、大賞として選ばせて頂きました。

髙橋さん、おめでとうございます!そしてありがとうございました!

選考のプロセス

※僕はただの素人で大学の文学部で専門教育を受けたことや、「小説の書き方」みたいな本を読んだことがありません。ですので「素人が何を偉そうなこと言ってんだ!」くらいの気持ちで続きを読んで頂けると助かります笑

応募者の方から多く選考のプロセスの公開のご要望を頂いたので、簡単になりますが開示申し上げます。
選考は大きく3つのプロセスに分けて審査をしており、それぞれのフェーズでテーマごとにポイント制の基準を設けた上で、作品を拝読した際の僕の気分やコンディションによって評価にムラが出ないように審査をしました。

一次審査
オリジナリティ 

二次審査
文章の巧拙

最終審査
賞の趣旨に合っているかどうか

結果に関しての個別の回答が出来ずに恐縮ですが、しっかり全作品拝読させて頂きました。意欲的な作品ばかりで、おかげさまでとても楽しい選考でした!


散歩する文学賞のこれから

大変ありがたいことに、第二回を望む声を多く頂きとても嬉しかったです。
現時点では次回開催に「YES」とも「NO」とも言うことが出来ませんが、次回(もしあれば)はクラウドファンディングの利用を検討したり、企画段階で仲間を巻き込んだりと、今回の反省点を生かしつつ、より意義のある文学賞にしたいと考えております。

懸念材料としては「時間」と「ニーズへ答えること」の二点で、
自分はちょこっとだけプログラミングを齧っているため、今回利用した応募サイトを改修したり、特に時間がかかった作業を自動化すれば、全体の作業量を減らすことは十分に可能ですが、「一字一句集中して、真剣に読む」というコンピュータには出来ない部分の時間捻出への疑問や、
如何せん個人主催の小説賞ですので、現状書籍化を望まれている方のニーズや、YOASOBIのような小説をベースとした他ジャンルとのコラボレーションの機会創出へお答え出来ない心苦しさがございます。

とはいえ、ステートメントとして掲げた『物語に出来ることはまだあるかい』をこれからも模索して行くつもりですので、
もし同様の課題意識をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお力添え願いたいです。
物語には現実に対する仮説や拠り所として、私たちの人生を照らす魔力があると思います!

選考中に応募者の皆様の沢山の作品世界を旅しながら、下記のようなことを考えていました。


・小説を書くことはとても難しく、特殊な技能である。
・翻訳サービスの進化はグローバル市場に日本語で執筆された小説を押し上げるか。
・書き手の供給量と読み手の需要のバランス。
・AI小説時代に悩みながら手を動かす意義と意味。

おわりに

小説を書くことは、基本的に孤独な作業です。

自分の意志で全てを自由に決定出来る反面、誰かを頼ることが出来ないし、他人の才能に嫉妬した時や思うように書けずムシャクシャした時、全て自分自身の問題として引き受け、苦しまなければなりません。
他者との接触が限られたこの時代だからこそ、賞をきっかけに多くの同じ志を持つ人たちと繋がれたことが何より嬉しかったです。

冒頭の繰り返しになってしまいますが、髙橋さん、ご応募頂いた皆様、ご協力頂いた全ての皆様に感謝御礼申し上げます!

応募者の皆様につきましては、緊急事態宣言に伴い5月に延期させて頂いた授賞式の他、交流の場としてSlackチャンネルを設けておりますので、積極的にご利用頂けますと幸いです!(詳しくはメールをご確認ください)
また、ご不明点やご要望等あればいつでもご連絡下さいませ。

これからもよろしくお願いします!


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