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「少女記録」 武野汐那/制作記録(編集後記)

出演モデル紹介

第25回作品のモデルは、21人目の登場となる武野汐那さん。
(撮影日:2018年9月24日)

現在、中学三年生(撮影時、中学二年生)。所属事務所の女優志望の若手が集結し結成された「少女劇団いとをかし」の舞台やドラマに出演するなど、今後の活躍を期待している注目の新人女優です。

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少女記録が武野汐那さんにとって初の写真作品となります。発表の場として少女記録を選んでくれたことを光栄に思います。

少女記録が初の写真作品となった出演モデルが多い理由はふたつあります。ひとつは、意図して指名していること。もうひとつは、人気・知名度・実績にとらわれず、自分の審美眼と感性を信じ、独自の判断基準で積極的に新人を起用した結果です。

武野汐那さんを指名した経緯

出演依頼した当時、芸歴は1年未満。所属事務所が運営する劇団の舞台に出演経験がある程度で仕事実績はないに等しい状況でした。

それではなぜ大抜擢したかについて解説します。

これまで公言しませんでしたが、武野汐那さんは、オーディションのための顔合わせを行ったはじめての出演モデルです。言い方を変えて説明すると、出演応募を採用したはじめての出演モデルになります。

正直なところ、候補者にすら入っていませんでした。失礼を承知で書くと、以前の宣材写真を含めネット上で見ることができる写真でよいと思えるものがなく、まったく気に留めていない存在でした。

ですから、いつもであれば、お断りして終わりだったと思うのですが、担当マネージャーからの熱烈な売り込みに感銘を受けたこともあり、直接本人とお会いすることにしました。

というのも、出演応募の文面が、少女記録のサイト本体を見ただけでなく、Twitterやnoteも読み込み、誰がどのような想いと目的をもって制作しているのか理解した上で書かれた喜ばしい内容だったからです。宛名だけ書き換えて、同じ内容を複数の媒体に送りつける画一的な売り込みではなく、僕個人に宛てて書かれた特別な感想であり依頼でした。しかも、少女記録に対する感想だけでなく、売り込む対象である武野汐那さんの魅力を僕に伝える熱意が感じられたことも決め手となりました。

ありがたいことに、これまでも出演応募をいただく機会はありました。光栄にも、人気ファッション誌の専属モデルや採用していたら歴代出演モデルの中で人気・知名度がトップ5に入る活躍をしているタレントからの出演応募をいただいたこともあります。それらは望んでいる嬉しい申し出でしたが、すべてお断りしてきました。少女記録が出演モデルを厳選していると表明してきた所以です。

厳選している別の証拠として、お世話になっている出演モデルの所属事務所から逆提案を受けても遠慮なく断っています。つまり、お付き合いで優先的に紹介するつもりはありません。

出演応募の採用がゼロだった理由は様々ですが、根本的な問題として、出演希望するにあたっての熱意が感じられかったことも影響しています。生意気かもしれませんが、少女記録は僕にとって唯一無二の大切な場所です。簡単に出演できると思ってほしくありません。

武野汐那さんの出演応募は、僕が少女記録の活動をとおして届けたい想いに共感していることが伝わる内容で心に響きました。とはいえ、人情で判断が揺らぐことはありません。出演モデル候補者に入っていない旨を伝え丁重にお断りしました。

ところが、すぐに引き下がるわけでなく、本人と直接会う場を設けるので、顔合わせとテスト撮影をしてもらえないかという相談を改めて受けました。これまで何度も出演をお願いし、もっともお世話になっている芸能事務所であるにも関わらず、誰にも頼らず直接連絡してくれたことにも意気を感じ、マネージャーの熱意に打たれた僕は提案を了承しました。

宣材写真について

顔合わせの時にテスト撮影した写真から選ばれたのが現在の宣材写真です。印象的な光ですが、特別なライティングをしているわけでもなく、会議室の窓際に立ってもらい撮影しただけです。衣装は本人の私服ですっぴんに近い自然なメイクをしています。素材の素晴らしさが伝わるはずです。(本番の約一ヶ月前に撮影)

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はじめてお会いした武野汐那さんはとても魅力的な美少女でした。

本人も自覚があるように、写真映りに自信がないことが表れてしまった結果なのか、それまで目にした写真はどれも本来の魅力を表現できていませんでしたが、自ら撮影した写真を見て考えを改めました。1時間ほど面談とテスト撮影を行い、高い将来性を感じました。そして、少女記録で作品を発表する価値があると判断し指名しました。

中学二年生という学年も抜擢するにあたり高影響しました。三年生であれば指名しなかった可能性もありますし、武野さんの人気・知名度・実績で高校生であったなら確実に指名しませんでした。

次回の出演モデルを迷い誰にも出演依頼していないタイミングであったことも運がよかったと思います。人気・知名度・実績がない今だからこそ、少女記録が最初に写真作品を発表する意義を感じました。先見性を示す意味でも紹介するに足りる実績ができてから撮影するのでは遅いのです。

言葉にするわけでなく決して強い主張ではありませんでしたが、少女記録に出演したいという確かな意志を見せてくれたことも嬉しかったです。

テスト撮影では、撮られることに不慣れで苦手意識のある武野さんに対し、表情・顔の角度・姿勢などいくつか助言も行いました。

本番当日に写真家と初対面して緊張するよりも、武野さんの魅力を理解している自分が撮影した方が求めている作品を撮ることができると考え、僕自身が撮影することを条件に出演してもらうことになりました。

ちなみに、過去に発表した作品の出演モデルは、基本的に撮影当日はじめて現場でお会いしています。多少なりとも関係を築いた状態で本番を迎えたのは武野汐那さんがはじめてです。

新人を抜擢する意義

人気・知名度・実績・肩書にとらわれない新人の積極的な起用は、少女記録が一貫して続けてきた活動意義のひとつ。仕事実績がなく宣材写真のみを手がかりに抜擢したこともあります。

ファッション誌までもアイドルをモデル起用することで販売部数を稼ぐ現実から分かるように、目先の反響を優先するのであれば、人気アイドルに頼るのが正解であることは自明です。(僕自身、アイドルが好きですしアイドルを否定するつもりはありません)

少女記録は未来を見据えた計画であり、活動目的が収益を得るためではないからこそ、目先の反響にとらわれない大胆な起用が可能なわけです。

武野汐那さんも多くの人は知らない存在だったはずです。だからこそ、少女記録が美しい写真作品と共に紹介する意義があると考えました。

サイト公開からこれまで、人気・知名度・実績がない新人を抜擢した時の作品本編の閲覧数は期待に反して芳しくありません。費やした膨大な時間と労力にまったく見合っていない状況ですが、だからといって妥協することは一切ありません。

残念ながら、写真品質の良し悪しよりも、誰が写っているかどうか(被写体自身に人気があること)の方が見てもらうきっかけとして重要なようです。その一方で、少女記録を例にすると、出演モデルの人気・知名度が必ずしも閲覧数と正比例でない結果も出ており興味深いです。

費やしている膨大な時間と労力に見合わなくても尚、芸歴が短く仕事実績が乏しい新人を抜擢する理由は、少女記録が未来を見据えて人選しているからです。具体的には撮影から2〜3年後に活躍しはじめて、5年後に大活躍する(誰もが知るような存在になる)ことを期待し指名しています。

実際、作品発表後に人気・知名度が上がった出演モデルも多く、活躍し話題になるたび少女記録を見てもらえる好循環が生まれています。少女記録は、過去を振り返った時、まだ注目される前の輝かしい記録が残っていることに価値があると信じて制作しています。ゆえに、少女記録の本質的な価値が露わになるのは数年後だと考えています。(サイト公開から4年目の今、すでに兆しが現れている実感もあります)

目先の数字を獲るために(収益を得るために)、タレントの人気・知名度を利用するのは理解できますが、独自の目利きで選んだ新人を丁寧に撮影し、質の高い写真で容姿の魅力を紹介するメディア(コンテンツ)が増えることを切に願っています。

メディア関係者だけでなく芸能事務所にも伝えたいことがあります。少女の輝かしい時は短く過ぎた時間を戻すことはできません。儚く尊い瞬間を大切に残してください。

少女記録は、数多あるメディアの中で、一番最初に写真作品を発表することに強い使命を感じています。

これからも、未来に残す価値ある写真を記録していきます。

作品公開までモデル名を明かさなかった理由

トップページ公開までモデル名を明かさなかった理由はふたつあります。

ひとつは、少女記録の人選を参考にしている新人紹介企画やキャスティングの関係者に、人選を真似された上で先出しされるのを回避するため。前作と立て続けに撮影したこともあり、作品の発表が撮影から半年後になる可能性もあり、モデル名を明かしませんでした。

人気のある新人であれば、注目を集めるという意味で作品本編を発表するまでの期間にオフショットを紹介する価値もありますが、人気・知名度・実績がほとんどなく大抜擢と言えた武野汐那さんに関しては、作品発表まで隠しておきたいという意図がありました。

もうひとつの理由は、作品本編を自ら撮影したため、本編で掲載する可能性のある優れた写真を、SNS投稿用のアザーカットとして気軽に発表することができなかったからです。また、発表点数を増やすほど画像データの仕上げに時間と労力がかかるという現実的な問題もありました。撮影から半年間もアザーカットを発表し続けるのは不可能です。

僕が撮影した宣材写真をトップページ公開直前まで使用許可しなかった理由も、宣材写真を更新したら依頼が増えると考えたからです。魅力的な新人を探すため、日々多くの宣材写真を見ている自分が客観的に評価しても、突出して優れた写真である自信がありました。少女記録が紹介する出演モデルが活躍することは望んでいる嬉しいことですが、自ら撮影した写真がきっかけとなり作品発表前に抜擢されるのを避けたかったのです。営業資料に使用することも控えていただきました。

何を恥ずかしげもなく自惚れたことを書いているのだと笑う人もいるかもしれませんが、少女記録の人選が業界関係者の参考にされているという事実を書いた記事「ネクストブレイク企画を見て思うこと」のとおり、少女記録の先見性ある人選と写真品質の高さは、キャスティング資料として確実に注目されています。

実際、思い上がりではない証拠として、武野汐那さんは宣材写真を更新してからオーディション書類審査の通過率が劇的に上がったそうです。芸能活動のお役に立てるのは本当に嬉しいこと。今後の活躍を楽しみにしています。

武野汐那さんの人柄と撮影の感想

武野汐那さんは色白で清楚な印象を与える容姿だと思いますが、自分の意志を見せる芯の強さもあります。

趣味がランニングであるように運動好きの活動的な一面もあり、撮影に向けてジムに通い身体を仕上げたという意識の高さも素晴らしいと感心しました。

ピアノが特技であったことからも予想していましたが、育ちの良さも魅力のひとつ。親しみやすい性格で質問に対しても明るくハキハキと答えてくれました。

積極的な態度に好感をもてた一方、本番の撮影では、テスト撮影時の自然な表現から一転し、何かを残そうとする気負いが過剰な表現となり空回りしている印象もありました。しかし、芸能界を生き抜いていく上では、強い自己主張も必要なのかもしれません。

武野さんにとって、自身が主役の被写体となる初の本格的な作品撮影だったわけですが、新人ゆえの未熟な表現も活躍して有名になった時に貴重な記録となるはずです。

ファインダーを覗きながらOKカットがいつもより少ないかもしれないという予感があったため、粘ってたくさん撮影したこともあり、結果としては十分な撮れ高の美しい作品を発表することができました。

いつものように、アートディレクターとして撮影に立ち会う自分であれば、もっと客観的に的確な指示を出すことができたという反省もあります。個人的な作品撮影を重ね経験を積んだ今の自分であれば、もっとうまくできたという後悔もあります。

とはいえ、自分で撮影することを選び本当によかったと思っています。本職が写真家ではない自分を信頼し、撮影を任せてくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

作品紹介

・トップページについて

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トップページは、夕日の逆光と緑のきらめきが美しい風景を記録しました。指定した位置に立ってもらった瞬間、ここだと確信しました。(公開終了)

トップページにうつむいた横顔を採用したのははじめてのこと。顔の角度、表情、仕草などすべてにおいて会心の写真を撮ることができました。ちなみに、虹は奇跡的な偶然です。

トップページを前提にした場面であるため、タイトルロゴの位置と関係する人物の入り方を含め、構図も具体的なイメージをもって撮影しています。

綺麗な光と白くかすんだ幻想的な雰囲気を妨げないように、タイトルロゴの文字色は可読性の低い白をあえて選択しました。

幸運にも、武野汐那さんの撮影も晴天に恵まれました。太陽の下、自然光に照らされた美少女が一番美しいという信念のもと作品を制作しているため、晴れること以上の演出はありません。

トップページの写真も曇っていたら実現することがなかった風景です。

・制服篇について

制服篇の前半では室内撮影を行い、教室イメージの作品も発表しました。

窓辺で撮影した美しい横顔は、学校案内のパンフレットや学習塾のポスターに使用する広告写真として、そのまま発表しても問題ない写真品質だと自負しています。

少女記録はカメラ目線のない横顔の写真を積極的に発表しています。理由は単純に美しい横顔が好きという個人的な嗜好も影響していますが、広告写真は遠くを見ている横顔の採用率が高いと感じているためです。横顔の写真は資料価値が高いはず。キャスティングの参考にぜひ活用してください。

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・洋服篇について

洋服篇の前半は空と海の青、後半は光のきらめきが美しい木々の緑を背景に撮影しました。横顔の写真も多数発表しています。

本編未掲載の写真を各種SNSでも発表しています。アザーカットでしか発表していない場面もあります。作品本編と共にチェックしてもらえると嬉しいです。(TwitterInstagram

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少女記録はモデル本人すら知らなかった(気がついていない)自然体の表情と等身大の魅力を大切に残していきたいと考えています。そのため、輝きを引き出すためのさりげない演出も行っています。おそらく、ほかの撮影では経験しない特別な演出だと思います。演出(現場の雰囲気づくり)は、朝の挨拶からはじまっています。

武野汐那さんのブログに「どれも自分がこんな表情をしていたんだと驚きと感動でいっぱいです!」という作品に対する感想が書かれており撮影者冥利に尽きます。

嬉しかったブログと手紙

武野汐那さんは、少女記録をブログでもたびたび紹介してくれました。

短文の投稿が全盛の今だからこそ、思考を巡らせ丁寧に書かれた文章の価値は一層高まるのではないでしょうか。僕はブログなど中高生の女性タレントの文章を読むことが好きですし、素敵な文章を書く人を応援したいと考えています。

僕自身、Twitterでは用が足りないからnoteを活用しています。時に、文字数の制限を気にすることなく伝えたい大切な想いがあります。

作品発表後、武野汐那さんから丁寧な御礼のお手紙もいただきました。素直な感想を伝えてもらえることは制作の励みとなる喜びです。とても感激しました。本当にありがとう!

今回、嬉しかったのは、お父様からも御礼のお手紙をいただいたことです。少女記録は、性の消費と対極の思想で制作しています。常々、男親であるお父様にこそ、娘の成長を見てほしい・喜んでもらいたいと思っていました。(お母様から感謝と御礼の言葉をいただく機会は何度かありました)

男性向けグラビアを担当する編集者の中には、お父様に合わせる顔がないことをさせている自覚がある人も少なくないと思いますが、僕はこれまで作品を発表してきた出演モデルのお父様と会ったなら感謝と御礼しか言われない自信があります。

武野さんのお父様からいただいた言葉の数々は、美しい作品を発表するために最善を尽くしたすべてが報われたことを実感できる感慨深い内容でした。

気持ちの込もったお手紙をくれた武野汐那さんとお父様に、この場を借りて心からの感謝をお伝えします。僕は幸せ者です。

制作チーム紹介

ヘアメイクは田宮裕子さん。今回も素晴らしい提案をしてくださり、制服篇と洋服篇で素敵な髪型の変化をつけてくれました。自然で美しいヘアメイクはもとより明るい現場づくりで武野汐那さんの緊張を和らげてくれました。少女記録が表現したい世界観を熟知しており頼りになる存在です。多謝。

撮影は山田信男。吉田美月喜さんの作品に続き、編集長自ら撮影する二度目の作品となりました。衣装はいつもと同様に自らスタイリングしています。

自ら撮影する利点は、立ち位置の指示や演出、風景をどう切り取るかの構図をすべて自分で決められることです。また、デザイン(写真構成)することを想定し、縦横比率・カメラ目線のありなし・正面と横顔・顔周辺のアップまたは全身など、偏らずにバランスよく撮影することもできます。

写真家に任せる場合と異なり、想像を超える特別な一枚を撮ってもらうことはできませんが、自分には見えていた美しい風景の撮りこぼしがないことも自ら撮影する利点です。

そして、画像データを自分の理想とおりに仕上げられることも大きいです。明暗・色相・彩度・コントラストなどの調整は、デジタル写真表現の定着における重要な作業なわけですから、それらを自らコントロールできることも自ら撮影する利点です。

すべての工程において、こだわり抜いて制作しました。一人でも多くの人に新人女優の初々しい姿を見てもらえると嬉しいです。ぜひご覧ください。

武野汐那さんの今後の活動にぜひ注目してください。女優として成長し活躍する未来を楽しみにしています。

読んでくださりありがとうございました。

心に響くものがあったなら幸いです。
少女記録に共感したならぜひ広めてください。

志を高く。美を探求する旅は続きます。
美少女の輝きが届きますように。

「少女記録」編集長/運営人 山田信男

Instagram@shoujokiroku
Twitter@shoujokiroku


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