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サラリーマンの脳エクスサイズ ー ❺デザイン思考的解決構想づくり

全くない物から新たなる価値を生みだすことはとても素晴らしいことだと思います。
それは言うまでもありません。
しかし、はたしてそれが世の中にどれだけあるでしょうか?
スティーブジョブスが生み出したiPhone、ジェフベゾスの育てたAMAZONなど、どれを見てもニーズと複数のシーズを結合・連鎖させて新たなる価値を生みだしています。

ノーベル賞級の発明も、積み重ねの論理と技術の集積であることが多いのです。稀代の天才のアインシュタインのような発見は、そう頻繁に出現するものではありません。
いかに複数のシーズを組合わせて、適切なタイミングでニーズにフットさせるかを考えることが解決構想づくりなのです。

◆組み合わせの事例 自動車
少し大きな話になるが、わかりやすい考え方を取り上げてみます。マツダはカーボンニュートラル対応の一部の電動化について、ビルディングブロック戦略を取っている。もちろん一つ一つのブロックを積み上げるのには血と汗の結集になるが、価値を生み出すには組み合わせと連鎖だというのが良くわかります。

まず、コア技術を定義します。マツダは、コア技術をPower Train, Chassis, Bodyと定めました。カーボンニュートラル(CN)などの市場要求にマッチしたシステムを積み重ねながら進化させるというものです。
ベースになるPower Train技術はノウハウの集積が最も難しい内燃機関と定め、電動補助システムのHEVを追加して行きながら、適切な時期に適切なPower Trainをマーケットニーズに合わせ、徐々にフルの電動に変えていこうという現実的な解決構想です。

マツダの技術戦略(マツダIR資料より)

市場ニーズは、世界各国のエネルギーや経済事情はさまざまで、電動化の普及には時間的なズレがあります。そして、バッテリーがクルマの原価の半分程度を占めるという2020年ころの現状と、充電ステーションのインフラ整備が遅々として進まないことから考えると、各国ごとに適切なタイミングで適切な量を供給するという考えは、とてもリーズナブルな考え方だと思いませんか。
ただし、問題は『適切な』を、収益性と両立させて矛盾なく解決して行くことを、構想として描かなければなりません。

全世界のパワートレインの普及予測

市場のニーズは、PEE(政治、経済、環境)によって大きく変化します。
昨今では、ロシアーウクライナ侵攻でヨーロッパのエネルギー危機が起きた。それに伴い近隣のヨーロッパの国々の景気は後退し、新しいインフラへの投資やクルマの購入に関しての意欲も減退しました。
一時は一気にEV化に向かう勢いでしたが、今はスローダウンしています。
このスローダウンは少なくとも3年~5年の遅れをもたらすことになると私は思います。
専制主義や社会主義経済でない限り、マーケットのニーズを無視した動きは起きえないのです。

◆個人目線へ、ダイエットの解決構想
かなり話が少々大きくなり過ぎたので、解決構想を個人目線に戻したい。
このコロナが5類に移行して、少々飲みすぎ、食べすぎ。少し太ってきたな。何とかしないといけないとしましょう。
10㎏のダイエットをしないといけない、さりとて、ダイエットをしても筋力を落としたたくない。

ダイエット法はさまざまあります。食事、運動、サプリに頼るなどさまざまですね。これらをどのように組み合わせて10㎏を達成するか!?考えてみます。

一般的に、成人男性が一日に必要な摂取カロリーは2400kcalと言われています。そして、体重を1㎏減らすには7200kcal必要と言われています。

解決構想は、食事と運動の組み合わせです。
朝300kcal(アンパンと牛乳)、昼600kcal(キーマカレーセット)、夜800kcal(長崎皿うどん野菜たっぷり)以内に食事を選ぶと、食事だけで500kcal/日つまり体重は約70g減ることになります。
そして、運動で、30分のウォーキングで150kcal消費、スクワット10回で30kcal消費する。これら運動によって筋肉が増えることで一時的には体重が増えますが、必要代謝が2000kcalに増えます。
同じ食事法を取り続けていれば、50g/日減らすこときます。
一日の減量ペースは120gです。あとは、何日続ければよいかを決めるだけになります。つまり、時間軸のニーズとマッチさせることで、解決構想が出来上がります。(無理な減量はやめましょうとだけ、一言付け加えます)

一つ一つは手の届きそうなことばかりです。今や将来に起きそうなことを解決するためには、やることを定め、組み合わせ、積み上げていくことが大切なのです。
やるかやらないか、それは自分次第なのです。

田中松月

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