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米国市場:2/19週の振返りと24年2/26週の予定

概略

・米国株市場は史上最高値を更新

 ・S&P500指数、ナスダック指数、ダウ工業株指数が過去最高値を更新
 ・2月の上昇率はS&P500指数で5%、年初来では6.69%
 ・住宅ローン金利が7%超え、中古住宅市場は低迷

・今週の注目点

 ・1月PCE価格指数:インフレ率の動向を判断
 ・2023年第4四半期GDP:最初の発表との比較
 ・企業決算発表:SAAS銘柄に注目

市場概況

 先週のS&P500指数は、5088.8と前週比+1.66%で終了しました。NASDAQは15996.82と前週比+1.4%で終了しました。
 先週の株価は、S&P500、ナスダック、ダウ工業株指数の3つの指数が史上最高値を更新しました。アノマリー的には、節分の後は市場が弱くなることが多いため、これは今年の相場が強いということを示しているように思います。特に、今週の上昇はNVDAが示した好決算が拍車をかけたのではないかと思います。S&P500指数は2月の1カ月間で5%上昇し、年初来では、6.69%の上昇となっています。2023年も年初来24%も上昇した素晴らしい年だっただけに、この上昇率はかなり高いです。今後は、現在の市場価格の近くで目標値を設定しているため、年内の目標値を引き上げるか、あるいは目標値を維持し、指数が予想値を上回るのを見守ることになると思います。
 いったん勢いのあるボールが転がり始めると、それを止めるのは難しいです。資金が株式市場に流入し続ける傾向が続いていますが、23年の10月以来4カ月足らずで25%近くも急騰したことを考えれば、減速の兆しを見つけたくなります。ただ、市場がお祭り騒ぎを始めているのであれば、その終わりがいつになるのかを常に注意深く観察しながら、参加し続けるべきかと思います。特に連休明けの20日はNASDAQが下げ、調整の週となる予感がしましたがNVDAの決算がそれを全て吹き飛ばしてしまいました。
 今週末から3月に入ります。月が変われば投資家の考えも少し変わるため年間は強気のスタンスで望みますが、3月はまた2月とは違うと考えて市場の観察を続けていく必要があるかなと思います。
 先週、FRBの高官が何人か講演を行いました。そのほとんどが現在の金融政策に対するスタンスに沿った形でのスピーチを繰り返しています。結果として、FRBは利下げを急いでおらず、また、先週水曜日に公表されたFOMC議事録でも、この見解が述べられています。このことから、金利水準は3月は現状維持がほぼ市場に織り込まれており、今年末の金利も多くて利下げは3回との予想に変わってきています。金利が株式の変動のファクターになる可能性は少なく、引続き企業業績がどのように推移するかを注目すべき相場だと認識しています。
 先週は、経済指標の発表は少なく、中古住宅市場は400万件でした。しかし、住宅ローンが7%を超え始めていることを考えると、中古市場が動きずらい状況は変わっていないと思われます。また、住宅ローンの支払遅延率、担保処分率をみても異常は見られませんので、住宅市場に変化はないものとみてます。新規失業保険申請件数も20.1万件と予想21.7万件を下回る結果となっており、労働市場も引続き好調を維持しているものと見ています。

来週の主な決算発表(予定)

2/26(月):
<寄付き前>Domino's Pizza (DPZ)
<引け後>Trex (TREX), Unity Software (U), Workday (WDAY), ZOOM (ZM)
2/27(火):
<寄付き前>American Tower (AMT), JM Smucker (SJM), Lowe’s (LOW), Sealed Air (SEE)
<引け後>Axon (AXON), eBay (EBAY), Inter Parfums (IPAR), Splunk (SPLK),
2/28(水):
<寄付き前> TopBuild (BLD), TJX Companies (TJX)
<引け後>HP (HPQ), Okta (OKTA), Salesforce (CRM), Snowflake (SNOW)
2/29(木):
<寄付き前>Best Buy (BBY), Hormel Foods (HRL), Papa John's (PZZA)
<引け後>Hewlett Packard Enterprises (HPE), Zscaler (ZS)
3/1(金):
<寄付き前>-

米国の主な経済指標

2/26(月):新築住宅販売件数
2/27(火):耐久財受注、S&Pケースシラー住宅価格
2/28(水):
2/29(木):個人所得・支出、PCE、新規失業保険申請件数
3/1(金):ISM製造業景気指数

今週の着目点

 今週は、経済指標は比較的多く発表される週です。1月個人所得・支出と同時に発表される1月PCE価格指数が注目される。実質賃金の伸びが戻ってきたことを示すことを示す結果となると思いますが、1月CPIとPPIのデータに見られた上振れサプライズを考えると、市場は1月コアPCE指数を非常に注意深く観察し、12月の前年比2.9%という数字に対してどのように積み上がるかを注視すると思います。現在、クリーブランド連銀のインフレ・ナウキャスティング・モデルでは、1月のコアPCE指数を2.74%としています。
 2023年第4四半期GDPの2回目の発表を、4.9%という最初の数字との変化を確認します。
 企業の決算発表はだんだんと少なくなってきており、3月上旬まではSAAS銘柄が中心に決算発表があります。4月に向けた準備が進むと思われます。


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