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短歌

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「日常を"日常"と呼ぶ幸せを、君は知らないね」と聞く日常

愛してる君の不幸を願ってる全部私が代わってあげる

一月

唇の皮を剥いては君呪う 誰よりも好き、誰よりも好き

喉に張り付いたチョコレートのように甘い不快が広がってゆく

煙草でも吸ったらこっちを見てくれる? それとも手首を切るべきかしら

文庫本積み重ねては神様に起承転結の有無を問う夜
#短歌 #note短歌部 #現代短歌

新年

何もかもなかったことになるように
手首の皮を噛みちぎってみる

足先の爪に残った赤色は
もう戻らないね、きみによく似て

「新しい年も出会いもいらないの。ただこの時が続けばいいの」

2019年初短歌
本年度もよろしくお願い致します。

家族

「海の中植えてみたの」と微笑んで
死にゆく命はどこへ行くのか

「やっぱりさ、食べればよかった。そうすれば、あの子の命は永遠だった」

PCの青い光に照らされて
世界で誰より孤独だね、きみ

犬愛しそれに比べて人間は
卑怯傲慢陰険下劣

「未払いのお知らせ」口座の金足りず
振込止まって父の死を知る

「みんな死ね、こんな世界はもう終わり」
騒ぐ私に犬あくび一つ

「薄味の人生なんてつまらない」

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「あの頃は楽しかったな」笑うきみ
ええほんとうに、ええほんとうに

左手を差し出してくれ指輪ごと
その薬指引き抜くために

その皮を剥いで中身が見てみたい
なんだかおまえは神様みたい

また短歌を作りました。

あお

死ぬのなら海がいいなと笑ってた
足跡ひとつ残らないのに

暗がりの中に浮かんだ水槽を
見つめる顔が死体に似てる

ホルマリン漬けによく似たかなしみを
こころに並べて生きてゆきたい

大学の授業で短歌に触れたりしている。自分でもたまに作ってみたりすると、これがなかなか楽しい。
#短歌 #日記

透明な青を信じるうつくしさ
変わらずここに沈んでほしい

#短歌