佐原涼

文章を書いています。

佐原涼

文章を書いています。

マガジン

最近の記事

猫日記(32日目〜100日目)

前回の猫日記からしばらく経ったのでまとめる。 家に来て32日目。人間のヒーターを奪う猫。 人間は追い詰められると猫を洗う。今回は卒論中間発表で焦っている。猫は「また!?」という顔をしていたが大人しい。えらいね。ごめんね…… 食欲旺盛。体重1239グラム。 家に来て33日目。人間の布団を奪う猫。 人間が卒論に追われている、その横で猫は爆睡している。まったく猫とはお気楽なもので、うらやましい限りである。 食欲は普通。体重1258グラム。 家に来て34日目。祖父曰くおうちゃく

    • 猫日記

      1日目 友達が保護した子猫が家に来た。 里親にならないかと言われてから1週間ほど悩み、結果お迎えした次第である。最後まで悩んでいたのでお迎え前日は眠れなかった。悩んだ理由は様々あるが、1番は犬が死んだ時のペットロスがキツすぎたからだ。マジでもう二度と経験したくない。 にも関わらず懲りずに猫と暮らし始めたのは、「あと数年で祖父母が死ぬとなると孤独感に耐えられなさそうだから」という自己保身が理由だ。生きる理由を作らないと自殺しそうだからだ。私はカスなのである。 友人宅から子猫

      • 犬いぬ日記

        11月3日は犬の誕生日で、今年で15歳になった。 日付が変わった零時過ぎにお祝いをして、アルバムで犬のこれまでを振り返って、一息ついて温かい布団に入ると虚しくて涙が出てきた。 茶番である。今年も来年も再来年もずっとその先も犬は15歳になんかならない。犬は死んだので、未来永劫14歳と9ヶ月のままだ。 犬が死んで49日以上が過ぎ、後釜に据えるように子猫を飼い始めた。迎え入れた元野良の黒猫を構いながら、努めて犬のことを考えないようにしていた。人間とは勝手なもので、あれほど忘れたく

        • 犬が死んだ日

          2021年8月30日、午後2時に犬が死んだ。よく晴れた夏日だった。からりとした陽気で外は暑く、名古屋は37度もあった。 犬は私に頭を撫でられながら死んだ。丁度ワクチンを打つために出かけようとしたところで、私はなんとなく犬を撫でていた。犬はハ、ハ、と大きく2回息をして、クゥ、と小さく鳴き、動かなくなった。私は犬を撫で続けながら、「ああ犬が死んだ」と考えた。同時に「こんなに舌出してたら息できなくて死んじゃいそうだな」と考えた。犬の腹はもう上下していなかった。クーラーが効いていたか

        猫日記(32日目〜100日目)

        マガジン

        • 短歌
          8本
        • 日記
          6本

        記事

          ケツ穴照らされたらストレス難聴改善した

           医療脱毛に行き、全裸になってきれいなお姉さんに全身はもちろんケツ穴まで爆裂照射されてきた。するとストレス性の難聴が軽快した。因果関係は不明。  概要としてはこんな感じの日記です。  脱毛契約は1ヶ月ほど前に済ませていた。推しは永久脱毛をしてそう(マジで偏見です)なので、より彼を理解するならば私も脱毛すべきだと考えたのだ。  脱毛体験の有無がキャラクター像の理解に繋がるのか、という点にはかなりの疑問が残るが、当時の私は脱毛が二次創作の完成度に直結するはずだと頑なに信じていた

          ケツ穴照らされたらストレス難聴改善した

          眉アートメイクしてきた

          本日眉毛のアートメイクをしてきたので、備忘録を書くことにする。「アートメイク気になってるけど、実際どうなの?」という方の一助となれば幸いである。 先に言ってしまうとまだ1回目を終えたばかりの段階(私が受けたのは2回コース)ではあるが、やって良かった〜! と思っている。 以下、詳細に移る。 きっかけ「最悪眉毛さえあれば化粧しなくても良くね?」と考えたのが始まり。 化粧は好きだ。 しかし面倒くさいか面倒くさくないかで問われれば、「面倒くさい」一択のものぐさ人間である。 正

          眉アートメイクしてきた

          「日常を"日常"と呼ぶ幸せを、君は知らないね」と聞く日常

          「日常を"日常"と呼ぶ幸せを、君は知らないね」と聞く日常

          愛してる君の不幸を願ってる全部私が代わってあげる

          愛してる君の不幸を願ってる全部私が代わってあげる

          神様どうか

           どうして仲良くなったのかは覚えていない。少なくとも私は、「ちょうど良かった」から彼女に声をかけた。目には見えない序列関係が五月の時点ではもうはっきりと決まっていて、私は自分と同列で、仲良くしてやっても良いなと思える子を選んだ。これから始まる中学校生活を孤独に過ごすのは、ちょっと耐えられそうになかったのだ。それでもプライドだけは高い私は、自分よりももっと目立たさなさそうで、気が弱そうな彼女に目を付けた。はっきり言えば、私の冴えない学生生活を「この子よりマシだ」と思う、そのため

          神様どうか

          一月

          唇の皮を剥いては君呪う 誰よりも好き、誰よりも好き 喉に張り付いたチョコレートのように甘い不快が広がってゆく 煙草でも吸ったらこっちを見てくれる? それとも手首を切るべきかしら 文庫本積み重ねては神様に起承転結の有無を問う夜 #短歌 #note短歌部 #現代短歌

          新年

          何もかもなかったことになるように 手首の皮を噛みちぎってみる 足先の爪に残った赤色は もう戻らないね、きみによく似て 「新しい年も出会いもいらないの。ただこの時が続けばいいの」 2019年初短歌 本年度もよろしくお願い致します。

          家族

          「海の中植えてみたの」と微笑んで 死にゆく命はどこへ行くのか 「やっぱりさ、食べればよかった。そうすれば、あの子の命は永遠だった」 PCの青い光に照らされて 世界で誰より孤独だね、きみ 犬愛しそれに比べて人間は 卑怯傲慢陰険下劣 「未払いのお知らせ」口座の金足りず 振込止まって父の死を知る 「みんな死ね、こんな世界はもう終わり」 騒ぐ私に犬あくび一つ 「薄味の人生なんてつまらない」 塩分過多で幕下ろす祖母 #短歌 #創作

          「あの頃は楽しかったな」笑うきみ ええほんとうに、ええほんとうに 左手を差し出してくれ指輪ごと その薬指引き抜くために その皮を剥いで中身が見てみたい なんだかおまえは神様みたい また短歌を作りました。

          あお

          死ぬのなら海がいいなと笑ってた 足跡ひとつ残らないのに 暗がりの中に浮かんだ水槽を 見つめる顔が死体に似てる ホルマリン漬けによく似たかなしみを こころに並べて生きてゆきたい 大学の授業で短歌に触れたりしている。自分でもたまに作ってみたりすると、これがなかなか楽しい。 #短歌 #日記

          透明な青を信じるうつくしさ 変わらずここに沈んでほしい #短歌

          透明な青を信じるうつくしさ 変わらずここに沈んでほしい #短歌

          8月が永遠に続きますように

          理想の夏がある。 小学生の頃みたいな、朝起きてちょっとだけ宿題をやって、午後からはプールで、夕方帰宅すると疲れ果てて眠ってしまい、家族がタオルケットをかけに来てくれる。そんな夏。 夏が好きだ。 夏休みって、なんでもできる気になれる。本当に。世界の中心が自分だと思えた。セミの鳴き声も青空も、日焼けのあとが痛いのも、自分が主人公だから起こるんだ。 小学生時代はこんな感じで、とにかく夏、というか夏休みを愛していた。 夏休みになると途端に早起きになって、毎朝おはスタやら再放送のアニ

          8月が永遠に続きますように