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〇℃で同性ペア指輪をクリーニングして嬉しかった話など

新宿伊勢丹は、思い出深い場所だ。

ここの4℃は、2年前、僕らの ” 結婚指輪 ” を相談したブライダルショップだ。

土地柄なのか、男性カップルの僕らにフラットに対応いただいたことが心地よく、印象に強く残っている

結局、購入は本店だった。
あれから2年経ち、指輪は傷がつきはじめていた。

指輪のメンテナンスに訪問

僕も専業主夫になり、指輪をはめたまま水仕事をしていたから、ボコさんの指輪より傷だらけになっていた(当たり前・・・)。証明書を持っていけば、どの店舗でも無料で磨き直しをしてもらえると聞いていたので伺った。

場所は、本店ではなく、思い出の伊勢丹新宿店にした。

伺った2022年6月はコロナ第6派が落ち着いたころ。
平日でも、お客さんで賑わっていた。
カップルの結婚式ラッシュかもしれない。

外に出て時間を潰したが、賑わったままで、僕たちは4℃のショーケースを見るフリをしていた。

店員さん「手に取りたいお品物がございましたら、おっしゃってください。(笑顔)」
ボコさん「指輪のお直しをしたいので、後で大丈夫です^^ 」

それを聞いて店員さんが、即座に別の方を呼ぼうとしたが、結局、すぐにその店員さんが対応をしてくれた。

メンテナンスのお願いへ

ボコさん「指輪が摩耗してしまって、磨き直したいのです」
店員さん「お直しですね、証明書があれば可能です。ただし1カ月以上かかりますがよろしいでしょうか。」
ボコさん「はい。」

そこで僕の出番だ。
指輪の台座に、ボコさんが指輪を置く。
それを見て僕はかばんから、2つの証明書をガラスケースの上に置き、僕の指輪も台座に置いた。
(同性カップルとは一言も言いわず・・・(恥ずかしくて))

店員さんはそれを見て、何も聞かず、もともと異性のカップルが目の前にいたかのように「ありがとうございます」といって証明書と指輪を確認した。

店員さん「管理番号と照合いたします。少々お待ちください」

最初、ボコさんとだけ目を合わせていた店員さんだったが、その瞬間、僕にも目くばせをしてくれた。
2年前に相談に来た時と同じ感覚だった。

流れるような接客だ。

指輪の磨き直しの落とし穴(何度もは無理)

店員さん「お待たせしました。・・・お磨き直しは可能なのですが――大きくすり減った部分に合わせて全体を削ることになります。何度もできる作業ではありません。よろしいでしょうか。」
僕「そうなんだ・・・」
ボコさん「なるほど。一般的には、どのくらいの頻度で磨き直すのですか。」
店員さん「1つの指輪につき、2度が限度です。ですので、特別な時だけに――」
僕「例えば、式を挙げる時とか」
店員さん「その通りでございます。ほかにも特別なお写真を撮られる際など、ここぞという場合が皆さん多いようです。(僕を見て)お連れ様のほうの指輪は確かにすり減りは多いのですが、味になることもございます。クリーニングもおススメですよ。」

そういえば、指輪を作った後すぐ専業主夫になった。
無知ゆえに、指輪をつけたまま鍋やざるを洗ったり、ぞんざいに家事をしていた自分が憎い。

僕「クリーニング…?」

指輪のクリーニングなら何度でも

店員さん「クリーニングは削らない方法で、ある程度、指輪についたくすみが取れたり、現状より輝きを増すことができます。お試しになりますか?」

了承すると、店員さんは背を向けて手元でクリーニング作業を始めた。
液を付けたか、機械に浸したか、その後はすごく力強く磨いてくれた。
数分程だっただろうか。

店員さん「お待たせしました」

指輪は、キラリと輝いた。

私「わあ、結構きれいです!」
店員さん「喜んでいただけて、なによりです。」
ボコさん「裏側もキレイだね。」

テンションが上がった。
クリーニングは簡単に言うと拭く作業っぽく、傷は少し残る。新品状態にはならない。
それでも充分。
でも、それ以上の何か。
僕たちを友人ともゲイカップルとも、どうとでも形容できる接客の中、クリーニングと共に、安心できる時間を過ごせた。

店員さん「磨き直しは大変ですが、クリーニングでしたら証明書も不要です。何度でもご利用可能ですので、お待ちしております。」

しっかりとボコさんと僕の目をみて、お辞儀をしてくれた。


帰り道、伊勢丹新宿店は2年経って、また心からファンになったと、この感情を、ボコさんと共有しあった。

今回のアライ対応は、夢のようだったし、嬉しかったのだ。

もし式をあげることがあったら、磨き直しは、その時必ず――!
まずは、この指輪を手に過ごします。

キラリッ



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