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「主夫」が選ぶ3種の神器 (上編)

かつての日本では、「テレビ・洗濯機・冷蔵庫」が3種の神器と言われ、暮らしを大きく変えました。我が家にも、家事に革命をもたらした3種の神器が存在します。今回はドラム式洗濯機の話です。

◾️眼中になかったドラム式洗濯機

我が家にドラム式洗濯機がやって来たのは、今から6年前のこと。それまでの洗濯機は故障もせず、特に何の不満もない。だからドラム式を買うつもりなんて、これっぽっちもなかった。

普通の洗濯機なんて、安ければ 2, 3万円から買うことができる時代。それと比べると、ドラム式はあまりに高過ぎる。

ちょっと見た目がいいからって、なんで20万も30万もするんだ。僕達は家電量販店のチラシを見る度にそう思っていた。ところが、そんな僕達の気が変わる出来事が起こる。

◾️家庭の危機

ある日のこと、2人目を妊娠中だった妻が体にちょっとした不調を感じた。そして軽く検査を受けるつもりで病院に行ったところ、緊急で長期入院となってしまったのだ。

その当時、僕達は共働き。長男の保育園への送迎は、車通勤だった妻が行っていた。それが突然、一切の家事を含めて僕の役目となった。

朝は1時間半近く早起きし、保育園に行ってから出社。夕方もできるだけ定時に上がり、急いで保育園に迎えに行く。帰宅後は、夕飯を作って食べ、一緒にお風呂。洗濯機を回したら寝かし付ける。

長男が寝てからは、残りの家事の時間だ。食器を洗い、洗濯物を干してから布団に入る。とにかく毎日が必死で、ワンオペ育児の大変さを思い知らされた。

しかも4歳の長男はママが恋しくてたまらない。そのため週に2日は保育園から病院へ直行した。「やつれたけど大丈夫?」会うたびに入院中の妻からそう言われたのは、皮肉なことだ。

◾️ドラム式洗濯機が我が家へ

そのうちに妻から、ドラム式洗濯機を買おうと言われた。このままだと僕が倒れると思ったのだろう。保育園のママ友がドラム式を使っており、妻は以前から便利だと聞かされていた。

「お手伝いさんを雇ったと思ったらいいんじゃん?」ドラム式を買い渋る僕に、妻がそう言った。どうやら今回の入院で、保険金が少し下りるらしい。

どの機種を買うかは、ママ友に話を聞いたり、大型店で店員さんに尋ねて決めた。こうして妻の入院中に、我が家へドラム式がやって来た。

◾️便利すぎるドラム式

なんでもっと早く買わなかったんだろう。実際に使ってみてそう思った。以前は見た目や値段の違いに気を取られ、ドラム式の良さを理解できていなかった。でも今なら、この便利さを人に伝える自信はある。

まず第一に、洗濯と乾燥を自動でやってくれる。これがもう驚くほど便利。つまり中に入れた汚れ物が、キレイになって乾いた状態で出てくるのだ。

干し忘れた洗濯物が臭うこともないし、干した洗濯物が雨に濡れることもない。おまけに梅雨みたいに干せない時や、夜の乾きにくい時だって問題なし。

第二のメリットは、自分にとっていいタイミングで洗濯できること。それまでは、干す時間を考えて洗濯しないといけなかった。それに天気にも左右される。

しかしドラム式だったらそんな心配は無用だ。出がけや寝る前にスイッチを押せば、後はもうほったらかしで完了する。

第三が、時短。共働きにとってこれは強力な武器だ。洗濯物を干したり取り込む手間も省けるし、自分達が寝ている間に洗濯・乾燥が終わっている。

◾️お値段以上

僕が選んだドラム式は、値引き後で20万円ほど。この値段が安いか高いかは人によって変わる。当時の僕にとって、洗濯機に20万円はかなり思い切った金額だった。

でも今なら間違いなく安いと言える。金額的には高いが、お値段以上のメリットを感じられるからだ。

20万円のドラム式を10年使ったとすれば、1年間で2万円。ひと月にすれば1,700円程度である。もちろん電気代は多少上がるが、それでも節約できる時間と手間を考えれば、圧倒的に買いだ。

もし購入を悩んでいる人がいたら、僕は全力でその背中を押したい。ドラム式洗濯機には、それだけの価値がある。

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