ABEMA prime取材によせて(賛同者 篠原匡朱子寄稿)

寄稿者 篠原匡朱子(篠原昌子)

先日、ABEMA primeにて運動を取り上げていただきました。
番組冒頭において、大変わかりやすく署名にて訴えていることをご紹介いただきました。
番組は2021年2月16日までアーカイブでご覧になれます。
https://gxyt4.app.goo.gl/dkgz2


当方は取材時、マナー講師の立場から就活マナー講座や新入社員研修の現場で実際に感じたこと、寄せられた相談などを元に署名文の2項目目についてご説明をしました。
◼️署名はこちら→http://chng.it/XcsfrLT4yW
◼️より詳しい署名文はこちら→https://note.com/shukatsusexism/n/n734bc5aec42b


番組でわかりやすくご紹介をいただきましたが、改めてこちらで
「2.女性はこうすべき、男性はこうすべきという偏った表現は差別や抑圧につながるため見直してください!」
という内容に加えて、当方の思いを記事として投稿致します。


我々の団体では「セクシズム」を「男性だから」「女性だから」と性別を理由に「らしくある形」、言ってしまえば「誰かに作られて来たイメージを押し付ける事」と理解して使用しています。

皆さんも「男なんだから」とか「女なんだから」と言われた経験はないでしょうか。

先日の箱根駅伝では、声援の中に「男を見せろ!」というゲキが飛び話題にもなりました。
そして、最近では東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森さんの「女性は余計なことを話す」という発言です。
森さんの発言が海外に紹介される中で使われた「セクシズム」という言葉についてどう訳すべきかと議論も巻き起こっているようです。

どれもセクシズムという「この性別はこうあるべき」というイメージや刷り込みが意識に影響している「バイアス」というものの現れです。
署名文の中では「性的役割」と表現していますが、本来は個々人に向き不向きがあり、性別で押し付けられる役割ではないはずです。

多くの方は「男だから、女だから」ではなく「個を大切にする」社会になってきていることを感じていらっしゃると思います。
しかしながら、まだ「セクシズム」に気づいていない業界の1つが「就活産業、就活ビジネス」だと感じています。
(マナー講師や研修サービス提供会社を含みます。)

そのため、「就活におけるセクシズム」という意味で「#就活セクシズム」というタグや言葉を用いて「男性なら、女性なら」という表現、指南、商品やサービスの提供をするのでなく、多様な生き方を認め、排斥しない業界に変わっていただきたいと声を上げています。

就活ビジネスが発信する情報ではマナーと銘打って「男性なら」「女性なら」の固定概念を打ち出しているものが多く見られます。

女性ならスカートスーツにヒールパンプス、メイクをして、指輪ははずしたほうがいいなど。

男性なら頭髪の色もスーツもカバンも黒くして清潔なイメージ作りをし、出世などを意識するべきなど。

指南やアドバイスの域を超えて、ルールのように発信されているものも少なくありません。
どこも同じような内容で発信されているので、指南を受けた就活生の方々は「この型からハズレたらどうなるのだろう」と不安になり、「従わないとならない」気持ちになるのではないでしょうか。

リクルートスーツ売り場に行けば、指南された通りの黒スーツと黒カバンと黒い靴が売っている。
その現状を目の当たりにして、それ以外の選択肢があるとはなかなか思えないのではないでしょうか。

自分が希望している就職先はもっと自由度が高く、個性ある人を求めているかもしれない、とさえ考えなくなってしまうかもしれません。

マナーは「相手を不快にさせない心遣いの所作や心配りの方法の例」であって、ルールではありません。
そして、今指南されているマナーの中に本当に性別で分けるべき項目はいくつあるのでしょうか?

女性だからといってスカートスーツでなくてもいい。
スカートスーツのイラストの近くに「1つの例です」と加えること。
事業者によって求める人材像はさまざまなので、リサーチしてみましょうと加えること。
これらは難しいことでしょうか。

「これしかない」「これが正解」と受け取られるような発信はやめて欲しいのです。
それによって、「男性だから出世したいと言わなければいけないのか」「女性だから着用したくない形状の衣服を着なければならないのか」と誤解を植え付け、就職することに恐怖や不安を持つだけでなく、「それを受け入れることができない自分は何か問題があるのかもしれない」と誤解させ、傷つけることがあるのだと気づいてください。

就活生の方々へ届けたいのは安心であるはずです。
今、求められている安心のかたちは変化してきています。


今、教育の場では「ジェンダーに敏感な視点を育てる」取り組みがすすんでいるそうです。
既に取り組まれていたものにより、ジェンダーに敏感な世代として育ち、学業の場から経済の場に出ている方もいらっしゃいます。

そして現在、日本では未だ整えられていないLGBT平等法について、Equality Act Japanが主催する「#日本にもLGBT平等法を」という署名運動が行われています。
2021/2/21まで受付→https://equalityactjapan.org

間もなく、性別についての多様性は感覚や認識だけでなく、社会の仕組みとしても変わる事でしょう。

「男と女」の表現だけしておけばよいというのではなく、そこにどのように幅を持たせるべきなのかを模索して発信していただきたい。

来年度の就活ビジネス業界がより多くの生き方を認め、排斥しない「ダイバーシティ&インクルージョン」な変化をされていることを期待します。

#就活セクシズム #セクシズム のない社会を。
#SDGs#ジェンダー平等 の実現を目標にしています。


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