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國學院大學博物館企画展【大嘗祭】行って来たよ

へいへい、悪意表出ソムリエで御座いますよ。

2019年12月15日、母校國學院大學博物館の企画展【大嘗祭】に行って参りました。
日曜日まっ昼間の渋谷住宅街は閑散として静かですた。

◆外観

超ド級久方ぶりに訪れた母校・國學院大學は敷地スゲー増えてた。

博物館敷地内の外展示、これはオイラが在学中から見慣れているものがそのまま移設されていたよ。

この看板はその内のひとつだ。
横には、朝鮮半島の巨大な壺が置いてある。
國學院大學のみんなが知ってる定番だ。

外展示は他に、よその地域から出土した石棺が素っ気なく置いてある。
壺と石棺と、それらの説明看板、これらはもともとあるの。
國學院大學博物館は嘗て資料館くらいの規模だったが、外展示はホントにもともとあるの。

そういう訳で、これら外展示はヘイトスピーチ目的で建ててあるのと違うからねっ!!

◆ショップ

博物館にはミュージアムショップが併設されているから、深掘りしたい情報は刊行物を購入して、自宅で読み込むといいよ!

オレは今回、ショップで図版目録を買うつもりだったの。
売り切れてたから、次点として薄いパンフレットの目録確保、そして包括的な視点で判断し國學院雑誌と文庫シリーズの一冊を購入。
次にトイレに行って、そして展示をゆっくり拝見、という順番でした。 

ショップにあった刊行物で気になったのが、コピー用紙みたいのを分厚く重ねて閉じただけの重たい重たい大嘗祭資料集だったの。
厚みが6cmはあった。アレはきっと専門家用のだわね。
食指は動いたけど、3800円と高価だから断念w

(母校オリジナルのゆるキャラや縄文グッズには目もくれない、アテクシはこんな冷たいヤツでございます)

企画展コーナー前の撮影可能ポイントにて

◆企画展

ざっくり簡単に説明すると、各地に残された大嘗祭の記録物などの資料が展示され、祭祀の流れがひと通り把握出来る様に工夫されていた。
古文書の仕様書、仕様書から復元された模型、絵巻、年表、家系図、古文書を保管して来た家の説明などなど。

▼ テキストの展示品目録どぞー

▼ 展示品目録英語記述もどぞー

企画展大嘗祭の中で唯一、撮影OKな展示物がコチラ。

これらは大嘗祭の旧い記録から再現した大嘗宮の模型で、オレの在学中から展示されているもの。
この模型、最近はテレビ番組なんかでお馴染みだネ。
興味関心のある方は見た事あるでしょ、ねえ皆さん?

あとは常設展の方で、ネタに使えるものしか撮影してないわ…。 

◆常設展

何かっつーと、諸星大二郎センセ「暗黒神話」ごっこに使えそうな縄文式土器(縄文中期のものだけ)を撮影してた。

竹内老人「縄文がすきなようじゃね?」

な?暗黒神話ごっこ出来るだろ?
厳密に言うと、土器にヘビの飾りはついてないがw

そしてお待ちかね、在学生のウチ内で最も評判の悪い縄文人の実物大マネキンじゃw

この縄文人マネキンはオレの在学中既に設置されており、当時は館内が狭くて暗かったため、その悪評たるや散々であった事よ。

「何であんな真っ暗い場所にわざと不気味なマネキン置いてあるの、嫌がらせかよっ!?」 

さすが我等が母校、敢えて撤去しない処が潔くてイイッ!
だが、この標本の本来の主役は、後ろ側に掛けてある貝塚跡の土層断面なのであったw

◆全体のまとめ

企画展内は撮影禁止だったが、常設展は撮影フルオッケーでな。
企画展と常設展すべてでひとつ分野の流れが把握出来る、そういう素晴らしい博物館だわよ。
小規模ながら理念の堅さが歪みねえな!と思いました。

あとは常設展をしみじみと見て来たでした。
展示資料は総じて損壊の少ない実物が多く、コンパクトながらも充実した博物館でありますよ。
特に、信仰や埋葬の変遷や進化が概ね把握出来るかなー。
帰りは写真撮る元気無くなったし、ウチからは都営バスだけで行かれるから、またその内見に行こうと思う。

◆大嘗祭オカルト説その他の懸念について

御代替わりや大嘗祭がどんなことなのかと云えば、仕事上で自分ら側の担当者が代わる時の引き継ぎ作業や、お客様への挨拶廻りに相当するし、そうだと思えば概ね、何方でも自分の事として引き寄せて考えられると思います。
退職や転職に伴って、割と誰もが通過するお仕事の過程じゃないでしょうかね?
大嘗祭も、神は祝祭時の饗宴の場に参加するという日本古来の神さま観を踏襲しているため、儀式の工程ほとんどがお供えなんですよ。
盲いた獣を呼び出す狂える邪教とか、破瓜の涙と血の音色に満ちた髑髏の宴(※1)要素なんぞ、残念ながらまーったく見当たりません。

今回、大嘗祭の実施が注目を浴びた理由って、費用面と、あとは宗教色というかオカルト色が何処まで強いのかというポイントでしょ?
祭祀全体の有り様はこうして公開される類いのもので研究者は大勢いるし、オカルト色の有無に関する仮説論争(※2)からは既に約30年が経過していて、論文も資料も何もかもが公開されていてネットで幾らでも探せるし、このイシューは透明性が高いのですよ。
公明正大な議論だったら、なんぼでも参加可能ですよ。

大嘗祭が全ての代替わりの度に実施されてるかっつーと実はそうでもなく、端折った代も当然あるし、実施の無かった期間が200年もあったり、実施の無かった代で大きな国難があった訳でもなく、代替わりの度に毎回毎回絶対にやらないと国が潰れるという性質の祭祀ではない。費用が莫大過ぎるという反論は至極まっとうなものであって、そこのポイントで意見交換が出来ていたらよかったとオレなんかは考えています。 

また、大嘗祭が始まった代の天皇は女帝だったりもするので、女帝継承の可能性について否定する論拠にもならんのです。

天皇の代替わりや皇室の事に口を出したい人たちは概ね、ご自身やお仲間の作られた独自の迷信を強く信じ込んでいるだけの素人さんに見受けられる。
せめて一次資料にあたってくれたら、そういう変な茶々を入れようという気は失せるし、もっと正当な反論が出せる様になるんだが…。

このテーマについては、購入した資料の内容紹介など含め、後日また別個の記事をアップロードする予定ですよ。

そんじゃまたネ (・ω・)ノ

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【関連する過去の記事】

天皇という職業
https://note.com/shukudani/n/n24299d1889e3

天皇シャーマン説は誤解に過ぎません 
https://note.com/shukudani/n/n2b8deb51fdb3


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【注釈】

※1
人間椅子「陰獣」より引用

▼ 当該動画
人間椅子「陰獣」輝く!日本イカ天大賞より
https://youtu.be/EIKKNtGT9sE

▼ フルコーラス動画もどぞー
人間椅子「陰獣」live
https://youtu.be/NZohijPDoMs

※2
目的や用途が不明のものに関しては、未だ不明として情報が公開されている。
不明点に関しては仮説を立てるしかないというのが、学問研究の基本的な態度である。
折口信夫によって立てられた仮説より派生したのが大嘗祭オカルト説・天皇シャーマン説とも云うべき陰謀論であり、無知な素人の邪推や願望的な妄想に過ぎない。
折口信夫による天皇霊仮説への反論は約30年前に岡田莊司より示されている。

▼ 岡田莊司氏による反論はこちら
大嘗祭--“ 真床覆衾論”と寝座の意味
https://ndlonline.ndl.go.jp/#!/detail/R300000002-I3328365-00

〜他の注釈はただいま工事中〜

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2020年1月27日初版発行
記録・撮影・考案・筆記・権利保有
©️夙谷稀

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アテクシは一介のサブカルクソ野郎で結構で御座いますよ。