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Brain concussion-脳震盪-

またまた記事紹介


脳震盪(のうしんとう)

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特にアメフト界では脳震盪が多く発生するし選手生命のみならず人生そのものにも影響を直接与えることがあるので、色々と話題になります。

当然脳震盪発生後にどう対応するのかも議論の的ですが、スポーツに関わるトレーナーや治療家の人にとっては、予防、再発予防が最も重要なテーマの一つだと思います。今日はそんな話。
業界では予防について大事だと思いつつもどうすればいいかわからないという空気を感じるので参考になればと。

詳しくはわかりませんが
脳震盪は頭蓋骨に大きな衝撃がかかり脳が頭蓋骨より遅れて動き出すことによって衝突が起こったり、脳が何かしらの引っ張りを受けることによって起こるとされています。

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脳震盪を起こさないためにはこの脳の衝突力か引っ張りを緩和してやれば良いわけです。

そもそもの頭蓋骨への衝撃を減らすために、選手のスキルや防具の性能も考えなければなりません。
ですが、もう一つ大切なのが
同じ勢いで同じものが同じ場所に同じ姿勢でぶつかったとしても、筋の状態と筋の能力次第で脳に与えられるダメージは大きく変化するということ。

頭蓋骨の加速度の変化が急激であるほど脳へのダメージは大きくなると考えられます。
頭部への衝撃の話では質量の大きいものほど加速度は小さくなり、時間をかけて衝撃を受け止めるほど加速度は小さくなるということを使うために、首の状態が大切だということ。詳細は割愛。

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早い話が首の筋力(というか機能?)はやはり重要であり、
首だけでなく、同時に使われる筋との運動連鎖も重要になる。

ここにトレーナーや治療家にしかできない、しなければならない事があると思います。

そのために、首の状態を「評価」する必要がありますが、精度が高ければ高いほど良い。
筋の名称だけではなく筋のどの線維に何が起こっているのかが分かれば、より的確に改善、強化、予防できる可能性があがります。

実際に脳震盪を起こした選手は、単純に首が弱いから鍛えましょうで済むわけではなく、極端に弱くなっている筋肉が存在します。(一般の方でも片方の耳や目に異常や頭痛、顔の左右差が大きくある場合みなさんなってますが)

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例えば広頚筋、
左右の広頚筋で状態が異なる場合、その先にある大胸筋の上部線維はどうなっているか。
咀嚼筋はどうでしょうか
頚椎の屈曲を行う際に、広頚筋は下顎骨を引っ張り口を開ける力が発生しますが、口を閉じる筋が働かなければ頚椎屈曲に寄与できません。口が開くだけです。
その時に内側翼突筋、咬筋の浅層、深層、側頭筋の各線維とどの筋肉が働いて、どの筋肉が働かなくなっているでしょうか。確認する方法を用意しておけば脳震盪に限らず様々な場面で活用できます。
働く筋の割合が違えば頭蓋骨のどこをどの程度引っ張るのかが変わり、偏りが強ければ骨のズレが大きくなり、骨のズレは筋の張力に影響を与えます。
首の動きに関与する筋は頭蓋骨に付着するものも多いですから当然影響を大きく受けます。

大胸筋からでも、頭蓋骨のアライメントからでも、首の筋の触診、視診でも、首の動きの動作分析からでも何から見ても同じ状態が確認できるので、何か一つでも気づけるように、「評価」できる能力を養うべきです。

さらに広頚筋と大胸筋は脊柱にも肋骨にも付着しておらず、頚椎や胸椎のしなりを直接コントロールできるわけではありません、重要なことですね。
同時に前・中・後斜角筋の状態や肩甲挙筋・僧帽筋の各線維などの状態について把握し、それらの情報と合わせて蓄えていくことで見えてくることが多々あるわけです。

何か、予防にはこれ!とか、首のトレーニングはこれ!とかはありません。
一人一人起こっている事が全く異なります。
トレーニングをしても簡単に弱点となる部位を強化することはできません。屈強なアメフト選手でも、働いていない筋の特定の動きをさせると自身の頭部の重さですらしんどいということは極く当たり前にあります。
特に首は代償動作のオンパレードですから。

各自で起こっていることが全然違っても、その人に対して的確な評価をし、問題点を抽出して、改善させられる人

それがトレーナーや治療家であるべきではないでしょうか。


トレーナーの地位向上についての戯言



ストレングスコーチ?であれば、アスレチックトレーナーから斜角筋の前部線維が働き悪いから改善しておいた、後はトレーニングしておいてと言われたら出来なければならないと思います。
もしそれがリハビリの範疇だと言うのであれば、首のトレーニング時に代償動作が出た時にリハビリ側や治療家側の人間に報告しなければならないでしょう。
少なくともトレーニングの専門家と言うのであれば不良動作を見極められなければならないはずです。

どの程度できているでしょうか、これは首に限った話ではありません。
全身どこにでも通用する話だと思います。
足首においても肩、膝においても、専門家の能力が低いせいで困っている人が山ほどいます。

現段階でトレーナーの地位向上も賃金アップも本当に必要でしょうか?
なぜ上がらないのでしょうか?
職責を果たせているのでしょうか?
スポーツ界にトレーナーの働く場が増えれば本当に選手は助かるのでしょうか?
選手が助かり役に立っているのであればトレーナーがいる現場からどんどん地位も賃金も上がっているはずではないですか?

何も知らない人からは感謝もされるでしょう。
一方で文句を言う人は直接ではなく他所で言うでしょう。恐ろしいほど聞きます。
(私の文句を他所で言われている可能性も勿論あります。)

お金を払ってまで雇いたいと思える人、本当にそんなにいますかね。

何より世のため人のためにと思うのであれば、自分の能力をもっと磨くべき。
少なくともトレーナー界と治療家界は、お客様は満足していないんじゃないでしょうか。

特に学生、お金を稼ぐ方法を知るよりもまず、お金をいただける価値がある人でなければただの詐欺師。
AT試験は片手間にとれるくらいでなければ社会の役に立ちませんし、専門家としてお金を貰うに値しないのでは?
自身にとって難しいかどうかなど何の関係もない。高校まで勉強をあまりしてこなかった人が目指すパターンの方が大分多いでしょう。

柔整も鍼灸も理学療法士もドクターも、
本当の意味で専門家として人の役にどれだけ立てるかを考えて勉強し続けなければ、人を不幸にする仕事になる可能性もあります、というか多くがそうなっていると思えてなりません。

もちろん私もまだまだなので今年も精進あるのみです。

何が言いたいのかと言うと

最も大切なことの一つは
自分自身の基準をどこに置くか。

人はそのレベルに見合った生き方、思考になってしまう。
一気にレベルを上げることは難しい、
基準を上げるほど考えなければならないことが飛躍的に増える。
だが、やらねばならない。
でしょ?
そしてその基準は外部環境からなんとなく決められたもので生きるのではなく、自分自身で考えて設定することが肝心です。
自分自身の未来を自分でコントロールするために。

新年一発目、その辺を、考えるきっかけになれれば幸いです

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