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甘いものは死んでも食べないおばあちゃん

むかしむかし、102歳になる元気なおばあちゃんがいました。彼女は長生きの秘訣を話すのが好きで同じアドバイスを何度の教えてくれます。

そんなある日、私は外から帰ってきたら、テーブルの上に美味しそうなクッキーがあることに気がつきました。早速食べようと思いましたが、コーヒーと一緒に食べようとコーヒーを用意しました。全ての準備が整い、いざクッキーを食べようとまずコーヒーを飲んでいたら、あのおばあちゃんが帰ってきました。暑い、疲れたなどブツブツ言いながら、テーブルを通り過ぎるかと思ったら、クッキーに気づき、手に取りました。「なんじゃい、こりゃ?」。おばあちゃんはまだクッキーだとわかっていません。私はそれがクッキーであると伝えると、「あー、甘いやつか」、おばあちゃんの頭の中にもクッキーの知識はあったようです。「あんな、あんまり甘いやつは食べちゃいかんよー、薬効かんくなるでね、ばあばはなぁ、小さい頃から、、、、(以下略)」、50回以上聞いたお馴染みの長生きの秘訣トークが始まりました。そろそろ一字一句暗唱できそうです。20分後、用意したコーヒーもとっくに冷めた頃ようやく長生きトークが終わりました。「だからなぁ、あんまり甘いもん食べちゃあかんよ、ばあばはもう部屋でいったん寝るでぇ」そう言って持ってたクッキーを口にくわえて、去って行きました。私はただただ去っていくおばあちゃんの堂々とした背中を眺めながら、「コーヒーなんか準備する前にクッキーを食べればよかった」とただただ後悔していました。

おしまい


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