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【映画感想】アントマン3/クアントマニア

見終わって最初に思ったのが「2023年公開のアントマンの3作目」。
それはそうでしょっ!て思うかもしれませんが、僕が見たかったのはMCU作品としてのアントマン

サノスに代わるラスボス征服者カーンも登場ということで、今後のMCUフェーズ5がどうなるか、わくわくさせるアントマンが見たかったですね。

蓋を当て見れば、アントマンの続編。それ以上でもそれ以下でもありませんでした。一つの映画としてはMCU版スターウォーズって感じでテンポもよく面白かったです。

前作のアントマン&ワスプで謎だった、ジャネットは量子世界で何をしていたのかという部分を掘り下げ、そことカーンと結びつけたとはストーリーとしてきれいで良かったですね。

ただ、MCUの良さである他のヒーロー作品、クロスオーバー作品とのつながりは感じられないし、他のヒーローが出るわけでもありません。MCU40作品で積み上げた”深み”はあまり感じられませんでした。マーベル映画、ヒーロー映画の1作品って感じ。

個人的に、ドラマ「ロキ」とつながるような展開が見たかったですね。

最近のMCUを見るとマイティ・ソー4もブラックパンサー2も単独作品の続編として色が強いです。このほうが予習する手間が省けるので新規参入はしやすいものの、やっぱりMCUの良さはでにくいと思います。

2019年公開のエンドゲーム以降クロスオーバー作品はゼロ。個人的に高評価の「ドクター・ストレンジ:マルチバースオブマッドネス」はそれまでになかったストレンジとワンダの絡みが見れたし、深みを感じられました。
ファンが見たいのってそういうのじゃないかと思います。

一方でアントマンらしさも薄くなっていたかなと。
今回、アントマンでおなじみのスコットの元泥棒仲間が登場しません。ルイスをはじめとする3人とスコットのからみ、マシンガントークがいい味を出していただけに残念。

MCUという大きなスケールに合わせないといけないためか、アントマンの良さであるこじんまりした世界観が活かしきれていないと思いました。

量子世界と言われてもスター・ウォーズやガーディアンズ・オブ・ギャラクシーに登場しそうな地球とは別の惑星にしか見えず、量子世界っぽさは感じられませんでした。量子世界をどう表現するかは非常に難しいところですが、これじゃない感はありましたね。

あと、「アバター・ウェイオブウォーター」の後というのもあって、量子世界を構成する自然や生き物の色合い、CG、3Dはどこかあと一歩と感じる場面が多かったです。

今作のヴィランのカーンについて、アントマン3のヴィランとしては良かったと思います。ただ、彼がサノスに代わるアベンジャーズのラスボスと考えると微妙。インフィニティ・ウォーで初めてサノスを目にしたときのような絶望感はなかったですね。

よかったところを挙げると、新しいキャシー役。
名探偵ピカチュウにも出演していたキャスリン・ニュートンですね。非常にかわいかったです。

アントマン1と2のキャシーが成長した姿に近い性格を持っており、エンドゲームからリキャストされたにも関わらず違和感がありませんでした。問題を起こして刑務所にいるのもスコットの娘って感じ。彼女が今後MCUでどんな活躍を見せるか楽しみですね。

総評すると、単体としては良作と言えますが、フェーズ5一発目のMCU作品として、フェーズ4を繰り返されるのではないかと少し心配になる作品って感じでした。以上です。

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