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Vol.13 スクワット時の膝角度による効果の違い

こんにちは。
少し更新が停滞してしまいました。
やはり続ける事って難しいです。
気持ちを入れ直して頑張っていきます。

本日はスクワットの膝角度についてです。

ジムも再開し、本格的に筋トレを再開する人も多いのではないかと思います。

"スクワットは下げないと意味がない"

なんて事を言われたことがある人もいるのではないでしょうか。

今日はそのスクワットの膝の関節角度による効果の違いについてみていきたいとおもいます。

参考論文





○スクワットとは

もう説明不要かもしれませんが、膝を曲げ伸ばす運動です。筋力トレーニングで最も取り入れられている種目の一つで、股関節と膝伸筋力を高めるトレーニングです。
よく、けつに効くように、ハムに効くようにと実施する人が多いように感じます。


○研究の目的

異なる3つの関節角度でバックスクワットを行った時の下肢筋肉の活性化を比較すること。
関節角度は20度.90度.140度の3つの角度で行いました。

・20度(20度じゃないやんってツッコミ大歓迎です。自分の再現率と無料アプリの限界です笑)
クウォータースクワットと言われるやつですね。
GKの構えの膝の角度はこのような感じだとおもいます。

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膝関節角度はスネと膝を結んだ延長から大腿までの角度で測ったみたいです。


・90度

パラレルスクワット(床と腿が並行)の一歩手前といったところでしょうか。

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・140度
フルボトムスクワットと言われるやつですね。
ここまで来るとある程度の足首の柔らかさと股関節の柔らかさが必要になってきます。

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実際はスミスマシンというバーベルを用いてこの3つのスクワットをし、どのように筋肉に作用があるかをみている実験です。

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スミスマシンはこれです。
補助なしでもベンチプレスやスクワットで安全にできる為、僕の大学のトレセンにも導入してほしい器具です。

○研究内容

・スクワット経験のある男性15名で実施
・実施48時間前から下半身のトレーニングを控える
・5分間の自転車エルゴメーターでのw-up
・被験者は3つの関節角度でスクワットをそれぞれ実施
SEMG(表面筋電位検査)を実施し、筋活動を観察
SEMGによって運動単位の参加度合いを見ることができます。すなわち、どの角度で行った時にどういう筋肉がよく使われているのかを調べている実験です。


○結果

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・GM(gluteus maximus) 大臀筋
・VL(vastus lateralis) 外側広筋
・RF(rectus femoris) 大腿直筋
・VM(vastus medials) 内側広筋
・BF(bicep femoris) 大腿二頭筋
・ST(semitendinosus) 半腱様筋

スクワットがどこの筋肉を主に鍛えているのかこれでよく分かりますね。

外側広筋・内側広筋・大腿直筋が主に使われています。

どの筋肉も90度の時が多くの筋肉の運動単位を動員していることがわかります。(大腿二頭筋のみ140度スクワットがわずかに動員している)

ここで注目しておきたいのは、大臀筋です。

20度のスクワット(クウォータースクワット)と90度のスクワット(パラレルスクワットとハーフスクワットの間くらい)がフルスクワットよりも有意に運動単位を動員しています。

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これよりも

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こっちの方が実はけつに効いているらしいですね。

見た目的には深くしゃがんだ方が効きそうですし、20度のスクワットをしていると、
もっと深くだろ!サボるな!
と言われたことがある人もいるかもしれません。

少しこれをみながら大臀筋(けつの筋肉)を意識して写真の2つの動きをしてみてください。

深くしゃがむとたしかに股関節周りが苦しいとかはあるかもしれませんが、20度のところで止めた方がけつに効いている感じはしませんか?これに重りが加えられれば差は明らかだと思います。


そして何より90度のスクワットがどの項目よりも筋肉を使えています。
深すぎても筋肉を動員する事を考えるとあまり良くないのでしょうかね。

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○スクワットは90度以上下さない方が良いの?

ここからは僕なりの意見ですが、データが物語っていますから、筋肉の運動単位の動員数からすれば90度以上深く曲げない方が効果的なのかもしれないですね。ですから重りを上げていくように取り組むようなスクワットでは90度でやるべきなのかなとおもいます。

しかし僕は140度スクワットも需要があると思っています。

一つは柔軟です。

最近パーソナルトレーナーの方にストレッチを習う機会があったのですが、股割り時のサッカー選手の目標は

良い姿勢でけつと床の距離が拳一個分

といっていました。
バーベルを背負うと自然と背筋が伸び良い姿勢を作れますし、ウェイトにより普通に股割りをする時よりもストレッチを効かせることができます。2人組のペアストレッチで背中を押して伸ばす事をバーベルで演っているイメージです。

また、股関節は伸ばすだけでなく動かす事がとても大切で90度以上の状態からムーブを加える事で、より実践的な柔軟性を手に入れることが出来るのではないかと思うのです。

しかし、90度以上のスクワットで重りを上げていく必要はないとおもいます。なぜなら運動単位をあまり動員しないからです。なかなか筋肉が使われないからです。主に稼働性を高めるエクササイズ的な意味合いで動的ストレッチのw-upとして取り入れるのが良いのではないでしょうか。その日の自分の身体のチェックにもなりますし。


本日はトレーニング方法についてでした。
皆さんも理論的に考えて正しいトレーニング方法を身につけていきたいですね!!

参考文献

http://www.oisaka.co.jp/qatechnical.html

http://img.p-kit.com/neurojo/biofeedback/1499840714078454200.pdf

https://www.sakaimed.co.jp/knowledge/surface-electromyogram/basic/basic03/

#筋トレ #スクワット #運動生理学 #筋電位 #プロテイン #トレーニング

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