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Daily Life Essay「あじわい亭」 ~2品目~

Daily Life Essay「あじわい亭」
感じていたことを伝えられなかったこと、ずっと自分の中で心にひっかかっていたことや感情、はじめて食べたご飯のような新たな気づき、覚えておきたいこと。週替わりでメニューが変わる幕の内弁当のように、いろんなエピソードが詰まった、日常を味わうエッセイマガジン。
それがDaily Life Essay(日常のエッセイ)「あじわい亭」です。


出会いも、再会も、突然に。


出会いは、狙って出会うものより、偶然出会ったものの方が、振り返ったときに印象的なことがある。それと同じように、人や場所との再会も、約束を取り付けたもの以上に、予期せぬところでの再会の方がインパクトが強い。


先日、神奈川県の国府津にいる友人を訪ねたとき、ランチを共にしたお店からすぐ近くにあるSHOP&GALLERY 「KURA」という施設に立ち寄ることに。


そこでは、平塚にあるデニムマンがデニム系(の衣類)を販売していたが、その中で売られていたオーバーオールに目が行ってしまう。オーバーオールを着たことはなかったが、前職の事務所をリノベーションする際、ペンキ塗りで同僚がオーバーオールを着ていたり、ホンジャマカの石塚さんが似合っていた印象があって、オーバーオールに惹かれるものがあった。


友人が試着をしていると、「この柄(ストライプ柄)は周に似合うよ」ということでいざ試着してみたら、思いのほか悪くなく、むしろこれ似合ってるかもという感覚に。いいお値段ではあったが、偶然のオーバーオールとの出会いは、何か意味があるのではないかという気持ちになり、購入。偶然の出会いが、忘れられない出会いに変わった瞬間だった。


この国府津での話は、それだけに尽きず。


ラジオの収録を終えて帰ろうと外に出ると、東京時代に出会った同い年の友人が。どこかで見たことがある顔だなと思いつつ、まさかここで会うとは思わない分、反応が遅れてしまった。人は、予想だにしないとき、思考判断が遅れてしまうんだろうか。

彼とは2年ぶりくらいの再会で、近況が気になっていた一人だった。車を停めていた駐車場までの短い時間だったが、その時間がとても温かった。


社会人としてスタートしたときよりも、今の方が、オンラインでしか会ったことのない人は減っていて、一度は会ったことがある人が多くなった。一度会って、話をしたり時間を過ごした経験があると、次にいつ会えるのだろう、もしかして今回が最後かもしれないと思う時がある。


会えることが無限ではないことを分かりはじめたとき、
突然の出会いも、突然の再会も、大切なものだと思えるのかもしれない。


誕生花でもあるミモザがちらほら見れて、とても嬉しいです。3月もよろしくお願いします。


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