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新人PTのすすめ ~良い新人って?~

はじめに


国家試験を終えていよいよ4月から理学療法士として働き始めるかたも多いのではないのでしょうか。

理学療法士として働き始める期待もあるかと思いますが
国家試験とはまた別の緊張や不安が多いのではないでしょうか。


実習で病院や施設など臨床の場に出ているとは思いますが
「実習生として学びに行く」と
「実際に免許を持ち患者様に介入して賃金を頂く」

ここにはとても大きな違いがあると思います。


よく、
いつまでも実習生気分でいないでという言葉もよく聞きますが

実習生気分でいないとはいったいどういうことなのでしょうか。


きっとそれぞれに考え方があり、正解はありませんが

自分がこれまで新人の指導や新人を見てきて感じたこと

また自分が新人事時代にやってよかったことやこうやればよかったことなどを踏まえて

実際に
こんな新人さんであれば患者さんを安心して任せられるな、
とても頑張っている新人さんだな


と感じることを「態度」「行動」「自己研鑽」の3つに分けて話してみます。

これをやってみよう! 態度偏

〇規則が守れる

初めの2つは社会人として当たり前のことになります。

働くということは
事業所の就労規則のもと契約を結び賃金を頂いています。

事業所側にも守らなければいけないルールの記載がありますが
社員に対してのルールもあります。
そのためまずはその規則は守らなければいけません。


就労規則の中には労働時間や休暇日数、安全衛生面や福利厚生など様々なルールが記載されており病院などによっても異なるため必ず目を通すようにしてみましょう。

社員のルールとして代表的なものに勤務時間があると思います。

最低限その時間はしっかり守りましょう。

「朝、遅刻する」「勤務時間に規則にはない私用をする」

はもちろん厳禁です。

これは本当に当たり前のことなので社会人としてしっかり守るようにしましょう。

こんなルールもあるのという社員にとって有益になる記載があることもあるため就労規則にしっかり目を通すことをお勧めします。


〇職員・患者さんと協調性が取れる

仕事をしているといろいろな方と関わることがあります。

学生時代とは違いかなり年齢の離れた先輩や患者さんであればもっと世代の異なる方とコミュニケーションをとることが多くなるでしょう。


実習などでも経験したかもしれませんが社会に出ると本当にいろんな人がいますよね。


自分があまり得意ではない人がいたり、
患者様でお病気があったりなどで関わりにくいかたがいたり、

必ずしもコミュニケーションがとりやすい人ばかりではありません。

そんな方とも無理をして多くコミュニケーションをとれ!

というわけではありませんが
このお仕事をしていく中ではチームとの情報共有や患者様とのラポール形成など最低限の連携は必要になります。

その際に気を付けてほしいことが感情的にはならないということです。

感情的になり冷静さを失うことで大きなトラブルやその後の人間関係も複雑になってしまいます。

こういう考えの方もあるのか
この方はこういう考えなんだな

と相手の考えを受け入れたうえで自分の考えも伝えるようにしましょう。

そうすることで徐々にその方の考え方がわかってきたり、
何気ない切り口から親睦を深める出来事があるかもしれません。

それでも、どうしても納得いかないこともあると思います。

その時は信頼できる、話しやすい上司に先輩してみましょう。

間に信頼できる方を挟むことでトラブルを回避できることが多いです。


吐き出すことは大切なのでくれぐれも無理のない範囲で人間関係を作っていきましょう。

これをやってみよう! 行動偏

〇実行に移す前にまず相談

「報連相」
これは皆さんよく耳にする言葉かと思います。

当たり前のことですが
これができていると指導者や上司は本当に助かります。

この新人さんは
ここで悩んでいるんだな
ここまでできるようになっているな

ということがわかることはもちろん
皆さんを守るためにも「報連相」大切です。


たとえば、担当患者さんを想った行動でも病院的に何らかの事情がありNGな場合や主治医に必ず確認が必要な場合があります。

患者さんのためだからと言って一人で突っ走ってしまうのは
入職したばかりの際は控えた方が良いかもしれません。

少しでも心配なことがあればまずは上司に相談してみましょう。


〇フォロー後のフィードバック


実際に患者様を担当することになるとほぼ毎日その患者様のリハビリを実施します。

そのため、自分が休みの日や
(1日2回以上介入がある際は、)自分以外の介入で
先輩に介入して頂くことになります。

先輩に自分の患者様を介入して頂いたあとは必ず
先輩のところへ行き、フィードバックをもらうようにしましょう。


「フィードバックってなにを聞けばいいの?」

と思う方もいるかもしれません。

まずは
担当患者様のどのようなところが問題でどのような介入を行ったのかを聞いてみましょう。

入職当初はどうしても、先輩方に比べると問題点の統合と解釈や介入方法の引き出しが少なくなってしまいます。

そこで先輩方はどのような考えのもとでどんな治療をしたのかを確認し自分の引き出しを増やしていきましょう。


徐々に慣れてきたら自分はこのように考えてこんな治療を行っているのですが先輩はどのように感じましたかと自分の考えも付け加えられるようになるとグッドです!


また、先輩の担当している患者様を自分がフォローで介入することも多くあると思います。

その際も、
介入してうまくいかなかったところ、疑問が残ったところなどを
先輩に聞いてみるのもとてもよい行動になります。

その、質問から知識のみならず、実技的なところでも
苦手なことを知ってもらい、移乗介助方法や歩行介助などの実技指導に結びつくはずです。


このように介入後に先輩とコミュニケーションをとることで積極性や意欲、成長しようとしている姿もとても評価されるはずです。


これをやってみよう 自己研鑽偏

自己研鑽は様々な意見があると思います。

仕事以外の時間も自己研鑽に時間を費やしたくない
という意見も多いなか、

医療やリハビリは日々進歩しており、継続した学習が必要と理学療法士協会でも言われています。


自分入職時より学会参加や外部の勉強会への参加、認定の資格取得、科内勉強会など、ほどほどに自己研鑽を行ってきたつもりです。


自分は自己研鑽を続けてきたため、
自己研鑽をしてきてよかったことをまとめます。

〇患者さんに還元できる

まず、第一に思うのが勉強して学んだ知識を患者さんに還元できることが
上がります。

患者さんに回復する力があってもそれを良い方向に導かなければ身体機能の改善にはつながりません。

良い方向に導くためには
「体や動作の仕組み」や「なぜよくなっているか・悪くなっているか」
がわからないとよい介入にはなりません。


また、「患者さんに寄り添ったセラピストになりたい」とよく聞きますが
専門職として知識と技術なしに患者さんに寄り添うことはできないと思っています。


〇スキルアップにつながる

次は自身のスキルアップにつながることです。

一番わかりやすいところで言えば
認定理学療法士三学会合同呼吸認定療法士
資格を取得することで
今後、転職する際などはかなり有利になります。

また、最近では
認定理学療法士や三学会合同呼吸認定療法士
などの資格に手当がつく病院や施設も増えてきているため

給料UPにもつながります。

〇仕事が楽しくなる

自分はこれを一番感じています。

私たちは1週間のうちに5日間(ほとんど)を勤務し生活に必要な賃金を稼ぎます。

この5日間が苦痛だと今後、長く続けられるのか心配になりませんか。


自分は学生時代はあまり勉強するタイプではなく、知識もほとんどありませんでした。

しかし、患者さんを実際に担当して

わからないことを調べたり、
学会や外部の勉強会へ参加したり
文献を読んだり

することで徐々に体の仕組みやリハビリについて知ることが楽しくなり、
約5日間ある仕事も楽しく行うことができています。

勉強会や学会の参加はお金もかかってしまいますが
それ以上に有意義な時間になりモチベーションの維持にもつながりました。


楽しく仕事が行えてお給料を稼ぐことができる。
これはかなり生活の質も向上するのではないでしょうか。

文献紹介

先ほど、文献などの話も少し出ましたが

働いていくなかで文献を「見る」「自身で書く」ことは
かなり増えてくると思います。

自分の記事でも多くの文献を紹介していますが
本日の記事でも新人理学療法士を対象にした文献や
皆さんが不安に思うリスク管理や副作用についての記載があるものをを紹介したいと思います。


〇新人理学療法士におけるリスクマネジメントに関する不安要素

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/26/4/26_4_467/_pdf/-char/ja


〇理学療法を施行するにあたって留意すべき臨床検査値と薬物療法の副作用

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/20/1/20_1_69/_pdf/-char/ja



おわりに


いよいよ皆さんも理学療法士として働き始めるわけですが

仕事をしていく中でたくさんの出会いがあると思います。

皆様が出会う人にもそれぞれの人生があって、
その人生をよりよいものにするために私たちは働いています。

人生100年時代といわれ

現在、日本の平均寿命は年々上昇しています。
しかし、健康寿命はほとんど上昇していないのが事実です。

なかなか簡単な仕事ではありませんが、
仕事を通してこの仕事に魅力を感じ、楽しく仕事を行ってもらえると

自分はうれしい限りです。

もちろん、プライベートもたくさん楽しんで仕事も楽しめる
そんな社会人生活を送れることを祈っています。


自分の記事では
新人向けの臨床では必ず必要になる知識啓発の記事
認定理学療法士」、「三学会合同呼吸認定療法士」、「福祉住環境コーディネーター
などの資格取得に向けた記事や問題集

を掲載しています。

まだ開始したばかりで
記事は少ないですが週1回以上のペースで更新していきます。

皆様が取り上げてほしい記事があれば取り上げていく予定です。

皆様の不安や疑問を減らし少しでも力になれるような記事を掲載していくのでフォローなどして定期的に見ていただけると嬉しいです。


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