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あんこ好きを虜にする“冷やし饅頭”はじめました。

ふと、無性に食べたくなる”あんこ”。

夏は”水ようかん”、”水まんじゅう”もいいですね。

でも、和菓子好きなら”冷やし饅頭”もおすすめですよ。


暑い日に食べれば、キンキンに冷えたあんこが
まったりと舌に広がります。

やさしい甘みにうっとり。

冷たい日本茶をそえれば、爽やかな苦味が相性抜群です。


(“冷やし饅頭”ってどこに売ってるの?)と
お思いの方。


あんこ好きを虜にする
冷やし饅頭の作り方をお教えしますね。


①お気に入りのお饅頭を冷凍庫に入れる。

②解凍せずに、そのままかぶりつく。

以上。


* * *


大学時代にひと暮らしをしていた頃、
夏になると、祖母が作った夏野菜と一緒に
祖父がお菓子を詰めて送ってくれました。

スーパーで売っているきゅうりの2倍はある
パワフルな育ち過ぎきゅうり。
青くささが美味しいもぎたてトマト。
破裂しそうなほどハリのあるナス。


小さな畑でとれた夏野菜は、
どれも瀬戸内の太陽の香りがしました。


祖母が愛情こめて育てた野菜の横には
決まって松愛堂の紙袋が詰めてありました。


紙袋を開けると、ひとり暮らしということを
忘れたのかと心配になるほどたくさんのお饅頭。

気前のいい祖父のご愛嬌。

こうして私が好きなものを、
いつも食べきれないほど送ってくれました。



そのお饅頭とは、祖父の家から徒歩3分の
ところにある松愛堂の「島そだち」。

大正10年の創業以来、ずっと愛され続いている代表銘菓の焼き饅頭です。


そのフォルムは、まるで瀬戸内の小さな島のような、なだらかな山型。

小ぶりなお饅頭を口にいれると、
生地に入ったザラメがカリカリと音を立て、
やさしい甘味が広がります。

なめらかなこしあんはまったりと舌に広がり、
焼いた生地の香ばしさが鼻に抜けていきます。



懐かしさを運んでくれる素朴な味わい。

祖父の笑顔を思い出す、やさしい味わい。

ほっとする。


個人的には、間違いなく“日本三大まんじゅう“のひとつです。



そんな大好きな島そだち。

小分けにして長く楽しみたいので、冷凍することにしました。


数日後に冷凍したお饅頭を食べてみると…


カチカチに固まることもなく、しっとり。

ザラメがカリカリ、あんこはひんやり。

(うん、美味しい!)


それからは、お饅頭をはじめ、和菓子に限らず
焼き菓子やパイも冷凍保存するようになりました。


ひとり暮らしの小さな冷凍庫は、
6割をお菓子が占めるという幸せな比率。


学生時代、自分ではお菓子を買えなかったので
仕送りしてもらったお菓子を、
こうしてひとつひとつ大事に食べていました。



祖父は他界してしまったので、
もう送られてくることのない山ほどの島そだち。


今度お墓参りに行ったら、買って帰ろう。




* * *



梅雨明けとともに、おひさまが照りつける日々。

ゼリーやアイスもいいですが、
今年は冷やし饅頭はじめませんか?

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