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【文章作成の基本】「なので」は、文の頭に置かないこと。

 小論文や作文などで「かっこいい」は使わない方がよい、という話を先日しました。それと同じくらいの頻度で目にするのは、「『なので』を接続詞のように文の頭に置くこと」です。この誤り、間違いもよく目にします。

 これも先日上の記事で言いましたが、話し言葉や俗語は「正しい表記・表現ではない」ため、小論文や作文などで使うべきではありません。この「なので」も、そういう意味での「正しくない表記・表現」の一つです。

 今回も辞書を引いてみましょう。

なので 一(連語)〔助動詞「だ」の連体形や、形容動詞の連体形の語尾などに、助詞「ので」がついたもの〕理由をあらわす。…だから。なんで〔話〕 ~中略~ 二(接)〔話〕そんなわけなので。だから。なんで。

三省堂国語辞典 第七版

 これが、国語辞典の「なので」の項目です。

 まず、「なので」は、助動詞や形容動詞の活用語尾に助詞が加わった「連語(一つの『言葉』ではない)」であるということです。したがって、文節と文節との間で繋辞(つなぎことば)として機能させるのが、「正しい使い方」だと言えます。つまり、文中(文の真ん中)に置かれて機能する表現であって、「文頭に置くのは正しくない」ことがわかります。

 ただし、これを「なんで」という表現で用いると、〔話〕=「話し言葉」となると辞書にはあります。これは音便化したくだけた表現であるため、文章作成時には避けるべきものと言えます。

 また(元の使い方や意味から派生した)二番目の意味として、(接)つまり文頭に置く接続詞的な意味や使い方も掲載しています。しかし、〔話〕とあるように、それが「話し言葉」であるということも併せて明記しています。したがって、接続詞のように文頭に置き、文と文をつなぐ使い方は、やはり話し言葉であるため「正しくない」と、ここでも言えるわけです。

 以上のように、「なので」を文頭に置いて接続詞のように使うのは正しくないので、止めましょう。

 なお、この「なので」も、相当使い勝手がいい表現なのか、中高生の文章には頻繁に登場します。中には、何回も文章中で繰り返し使う人も。そういう人は「口癖」みたいになっているため、適切な表記・表現に、意識して矯正しましょう。

参考図書:三省堂国語辞典 第七版 2014年1月10日 第一刷

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