見出し画像

団地にある唯一のスーパー

 僕はほぼ毎週、車で少し言ったところにあるUR団地内の、地元密着型のスーパーに買い物に行っています。

 理由は野菜の質が良い割には値段が安く、新玉ねぎの時期などは、近所では珍しく、10キロのネット買いができることや、果物もたまに傷んでるものがあるので要注意ですが、慎重に品を選べば同様に安いことです。今の時期は、他ではなかなか手を出しずらい、シャインマスカットを購入しています。

 このお店のある団地は、最寄りの駅からバスでそこそこ時間がかかり、団地内の高齢化率は高い、郊外型団地の典型のようなところであり、こうした大規模団地によくある、団地内商店街があり、他のこうした場所に比べれば、店は残っている方ではあるものの、それでも日用品や食料品は、このスーパーがなくては成り立たないため、車であちこちに買い物に行くことが難しい高齢者にとっては、生命線となっています。

 実際、買い物に来ている高齢者と店員は知り合いのようであり、よくレジを打ちながら、何気ない会話をしている、無人レジの増えた昨今においてはあまりみられなくなった、昔ながらの光景を目にします。

 このスーパーの強みは、そうした品質や価格面での勝負ができるだけでなく、それほど台数は多くないながらも、店の駐車場を持っている点です。団地の中だけでは、購買力には限界があり、ある程度、僕のような外部からの客を呼び込むことも必要で、そのためには駐車場は不可欠だと思います。
 
 前にも書きましたが、日々の買い物の楽しみというのは、QOLにおいて重要で、ネットスーパーや宅配サービスで食材を届けてもらえるとしても、それはアマゾンで本を購入するのと似ていて、「出会い」がありません。仮に出会ったとしても、手触り感のわからないものは、やはり手を出すのは難しいと思います。口コミから類推することもできますが、往々にして賛否両論のため、やはり手触り感は重要です。

 こうした団地に限らず、多くの場所では、近所の徒歩圏にあるスーパーは、商売を成り立つために、一つしかありません。それで、周辺の商圏が縮小して、成り立たないラインまで下がったとき、そこで撤退を余儀なくされる。そこに、取り残された人がいるという構図になります。

 これは、高齢者が多くて居住人口の減少が進んでいる団地で顕在化しているため、そうした団地の特有の現象のように思いがちですが、同じように年齢構成が変化すると、同様の展開に今後なっていく可能性のあるところは少なくないと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?