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小林武彦「生物はなぜ死ぬのか」〜理科嫌いだけどおもしろい

学生時代は理科大嫌いでした。
生物、科学、物理、ちんぷんかんぷんで、
テストは全然ダメ。
虫にも植物にも宇宙にも興味ない。

でも、この本のタイトル、生物はなぜ死ぬのか、、に
グッときちゃいました。
哲学的ですよね。

なぜ生きるのかを考えることはあっても
なぜ死ぬのかって、、、
そういやわかんないな。

死を見つめると、自ずと生きることを見つめる、、
そんな気もします。

生物学の本だと思うととっつきにくいですが
表現や例えがわかりやすくて
理科嫌いの私も読みやすかったです。

例えば、

生命が地球に誕生する確率を表すのにこんな表現があります。
「25メートルプールにバラバラに分解した腕時計の部品を沈め、
ぐるぐるかき混ぜていたら自然に腕時計が完成して、
しかも動き出す確率に等しい。」p38

ほー、なるほど、
生物すげーじゃん、人間すげーじゃん。
心を掴まれました。

また、色素乾皮症の話では、
映画、ドラマ「タイヨウのうた」を例に説明してくれる。
文系一筋のわたしにもわかりやすい。

DNA、RNA、リボソーム、、、
と読んでもいまいち理解できない部分も多いですが
生物学者が、日々、こんな風に研究してはるんやー
と、知らないことを知ることができるって
楽しいですね。

この本の何がすごいって
死の恐怖、老い、アンチエイジング、子育て問題にまで言及していること。

どんなことも、自分の問題として考えることから全ては始まるのでしょうか。

一番心に残った部分は

腹八分目が体にいい、、というのは
理論上あっている。

ということ。食べすぎダメですね。

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