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好きなバンドがいること

 あなたには好きなバンドがいますか?
 そのバンドがいるというだけで、心があたたかな何か――ってかアップビートなサウンド――に包まれるるようなそんなバンドが、あなたにはいますか?
 そのバンドの新譜が出るというだけで、心があたたかな何か――ってか、わーい! っていうシンプルな嬉しみ――に包まれるようなそんなバンドが、あなたにはいますか?
 そのバンドのライブがあるというだけで、心があたたかな何か――ってか、生きるっ! それまでは何があっても生きるッッ! っていう強力な生存本能に由来するマグマのような生命力――に包まれるようなそんなバンドが、あなたにはいますか?

 えー、まあ、ぼくにはそんなバンドが居り、新譜が――しかもフルアルバムが!――近々リリースされることが決まっており、明日はライブであり、そのライブには当然行くことが完全に決まっている。
 休みは取った。半端な金曜日の休みだ。あえて、それまでを連勤長めのシフトにして確保した休みだ。だが、なにするものぞ! だ。連勤なにするものぞ。連勤なぞ、ライブに行くことが決まっているという事実に付随する追加効果【なにするものぞ】によって、些事だ。
 連勤・イズ・些事。
 それだけのちからが、好きなバンドには、好きなバンドのライブには、間違いなく、ある。
「フレデリック」というバンドには。

 チケット当選が決まったのは昨年の9月であり、ずいぶん待った。だが、そのバンドは、我々を待ちあぐねさせなかった。ライブは常に精力的にしており、ときおり遠方で行けないファンのためにネット配信をおこなったり、毎週のラジオ番組はテンション高くかつ楽しく、聴いててつくづく良いバンドだなーと思えるし、シングルのリリースをはさみ、飽きさせない。

 そして、やはり楽曲。とにかく楽曲である。あの、こう、新譜が出るたびに、思う。
 なんたる、80年代から現代に至るまでの多様なジャンルのサウンドを内包しながらもフレデリックらしさを維持しつつ更なる新しい表現によってリスナーの鼓動を踊らせる新鮮なセンス持つバンドか! と。
 そして、新鮮な驚きと喜びと音楽の楽しさを、毎回再認識せしめられることになり、既存曲やライブDVDなどがまた新たな発見と共に視聴することが出来、ビートが途切れない。
 そもそもがこのバンドを好きになったきっかけがラジオだったのですが、大阪のFM802のその月のヘビロテであったフレデリックの楽曲が、仕事しているときに突如脳内にリフレインし離れなくなった。そのときは、まだフレデリックというバンドを認識していなかったので、あとからちゃんと知った。あの、耳に住み着くサウンドの罠を仕掛けたバンドはフレデリックというのか、と。
 それだけ、印象的で中毒性のあるサウンドを作り続けているのだ。耳に住みつく楽曲は、いろんな曲を知って聞き込むうちに変わっていきながら、ときにループしながら、途切れることはない。
 仕事のときに、好きなバンドの曲が自然とくちずさむことがある。救われる。
 そんなにしんどい仕事をしていないけど、しんどいときはある。でも、音楽をくちずさむ自分を見つけたとき、「なんだ、あんがい余裕だな」と気持ちがラクなる。
 そういうバンドだ。そういうバンドは、あなたにはいますか?
 ともかくだ、ぼくには、そういうバンドが、居り、明日がライブだ。明日が、ライブだ。
 フレデリズムツアー『飄々とイマジネーション』だ。
 今日これから仕事だが、たぶん、シュッと終わる。わた菓子のように、儚いほどに、シュッと終わるだろう。明日がライブだからだ。
 わーい!

 でも、と思う。でも明日のライブが終わっても、世界はつづく。日常がもどってくる。気持ちをそこに全振りして大丈夫か、と思う。
 しかし、知っている。ライブは何度か行ったんだ。ライブはサイコーに楽しい時間になるだろう。
 そしてそれが終わって、すこし寂しい気持ちにもなるだろう。だが、耳に、ハツに、ビートは残る。どうせ忘れたくても忘れたつもりになってても、耳に住み着いたフレデリックのサウンドは、全く無造作にぼくの脳内で鳴り響き、「今日も案外ごきげんだな」と、歩む足がステップを踏むのだ。


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