冷やし中華とサイゼリア
楽しい話を書きたいと思いながら、書きたいと思うことは楽しい話ではないことばかりだ。
今まで書いたものもプラスの感情だけで埋め尽くされた話ではない。
なんなら今回書く話も。
いつかはマイナスの感情は一切ないプラスの感情だけで埋め尽くされた文章を書こう。
私は父のことが好きだ。
だけど嫌いな所がいっぱいある。
私が中学生の時、
休日、起きてリビングに行くと起きていたのは母だけだった。
「お昼の時間に帰ってこれないかもしれないから申し訳ないんだけど、各自でお昼どうにかして!昨日の残りの冷やし中華とか残ってるし、他にもいろいろ食べるものはあるから!2階で寝ているお父さんと弟が起きてきたら伝えといて!」
と母は私に伝えて出かけて行った。
お昼ごろ父が起きてきた。
「あれ?お母さんは?」
私は父に母から言われたことをそのまま伝えた。
父は私にお昼をどうするのか聞いてきた。
「私は冷やし中華でも食べようと思ってる。」
そっかーと言い残して父は顔を洗い2階に戻っていった。
そして外に出る格好をした父と弟が2階から降りてきた。
「弟とサイゼリヤでお昼食べてくる」
そう言って父と弟は出かけて行った。
私は何が起きたのか分からなかった。
私は1人で冷やし中華を作って食べた。
何故だか分からないが1人で冷やし中華を食べながら泣いていた。
父が外食に行く際の頭数に私を含めず、”一緒に行くか?”と聞きもしなったことが私にとっては考えられない行動で、怒りなのか悲しみなのかよく分からない感情に襲われていた。
母が帰ってきて泣きながら冷やし中華を食べている私を見て驚いた。
何があったのか聞かれたので、冷やし中華を泣きながら食べるまでにで起きたことを淡々と話した。
自分でもなぜ泣いているか分からないから起きた状況だけを伝えた。
私は母に言われから”じゃあお昼は冷やし中華にしよ~”ぐらいの気持ちでお昼ご飯を冷やし中華にしただけだった。
泣くほどサイゼリヤでご飯を食べたかったわけでもない。
冷やし中華が泣くほど嫌いなわけでもない。どりらかといえば好きだ。
その時の私は中学生で、自分のお金で気軽に外食できる身分でもなかった。
だからと言って泣くほど外食がしたかったわけでもない。
私の話を聞いた母は悲しそうな顔で私に
「お父さんはそういう人なの。良いとか悪いとか関係なくね。お父さんは一人っ子だからね。別に一人っ子だというのも悪い意味でもないし、関係もないことなのかもしれないけど、お父さんはそういう人なの。」
なんとなくだけど中学生の私にも母の言いたいことが分かった気がした。
昔から父のそういった部分は感じていた。
だからといって、泣きながら冷やし中華を食べた時の感情がなくなるわけではなかったけど母のおかげで少し割り切りがついた。
父のことは好きだ。
でも父のような人とは絶対に結婚したくない。
大人になった今でもあの時泣きながら冷やし中華を食べていた時の気持ちが言葉にできていない。
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