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ずっと友達

私はまだ関東に引っ越してきたばかりで、週末、朝からちょっと”休日っぽい”パンが食べたかっただけなのに、そのベーカリーカフェには1時間弱も並ばなければ入れなかった。この店にこだわっているわけではないので別の店に行けばいいじゃないかと思われるかもしれないが、ここ以前に行ってみたベーカリーはもっともっと並んでいた。ここは3軒目。

ようやく順番がまわってきて席に座れたことを嬉しく思ったが、ヘーゼルナッツカフェラテが770円もしてショックを受けた。クロワッサンはおいしかった。高かったけどおいしかった。もうひとつのパンもおいしかったが高かった。結局朝食に1800円かかって思い出したのは、福岡の『サイラー』だった。あの優雅な店内、数々の個性あるパンやサンドウィッチたち。オーストリアの魔法にかかったような素晴らしいお店だ。
私はサイラーのことを頭に思い浮かべるばかりで、ベーカリーカフェを出るときにはつい先ほど食べたクロワッサンのことをもう忘れていた。とても人気のお店らしいんだけどね。

それから街を1人で歩いた。1人でお昼時間に街を歩くのは初めてで、天気もいいし気分が良かった。初めて通る道かと思っていたけれど以前も通ったことがあると気づけたのは、訪れたことのある本屋さんを見つけたから。
お、いいね。と思い、気の向くままその本屋へ向かった。店内はとても広くて、入った瞬間から人の目を引くようにコーディネートされている。一歩踏む込みごとに、目が泳ぎ、目線だけで本を漁る。気になったら足がとまる。てきとーにペラペラめくるとそこには知っていることも知らないことも、知らない世界のように描かれてあって、いづれにしても新鮮だ。純粋な気持ちでに楽しめるって、本当にいいなって思う。

じっくり読みたいものもあるけれど、そうはしないのが本屋での佇まい。それでもほんの少しのキャッチアップで、私に必要だと思われるものがとめどなく頭に舞い込んでくる。あれ、私、これしたいかも、とか、お、私、こういうことできるかも、とか、ここに行きたい! みたいに、ヒントを得ながらワクワクしてしまうのだ。
もっといろんな本と繋がりたいと思いつつも、早くおうちに帰ってひらめいたことをしたいとも思った。いつもいつでもひらめくわけではないので、こういう瞬間ってありがたい。スイッチだってなかなか入らないものだから、今だ、今! なんて思い、足取り早めに帰路へ向かおうとした。

みなさんは本を読みますか?
私は本を読むことが好きだけれど、人より多く読んでいる感じではないと思います。だけど本という存在が好き。だから読んでない本もあるし、パラパラとしかめくっていないものも多くあるけど、それを再び読み始めるときも、全部読切る気持ちになるときも、そのタイミングは必要なときに登場するのかなって。

本ってなんか、友達と似てる。自分のことを話したくなるような、はたまた相手のことを聞きたくなるような。問いかけたら教えてくれたり、寂しいときには助けてくれたり、一緒にいるだけでなーんか嬉しくなってしまったり。自分の心にじわっと入ってきてくれるんだもんね。

そんな本たちがおうちの本棚にたくさん並んでるって、それだけで嬉しいことだね。なんか、なんだか、心づよい。本屋に行けばさらなる新しい友達も待ってくれているよ。

ヒラメキを大事にしながら、今日あなたは何をする?

よい週末を🌷


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