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細 雪~静けさという贈り物~

今朝目覚めたら
雪化粧を済ませた東京の街並みが
私に、そっと破顔した。

相重なった銀世界は
あらゆる光線を集めて・・
乱反射しながら、ノイズを静めている。

窓からそっと手を差し出せば
波乗りをしているかのように
舞いながら、私の手のひらで
露と化していった。

私の体温と溶け合って
寄り添いながら、零れ果てていく雪は
さり気無い・・優しさの結晶なんだ。

混じり気のない透明な花びらは
こんなにも玲瓏に
移ろいゆく儚さを語ってくれるんだね。


静かだ・・・

逍遥していた私の心に
閑寂の感覚が蘇ってくる。

飛散していた心の破片を拾い集めながら
ヒビだらけの私と向き合う。

傷を負った渡り鳥のようだった私が
安らかな止まり木をみつけるまで
自分と語り合うの。

きっと・・・この細雪が
そうさせてくれているのだから。

どうか、貴方の心にも・・・
雪の祈りが降り注ぎますように。

Sara


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