見出し画像

初めての想い出が、重なった場所。

今日は、ライブに行ってきました。予備校に通っていたときから聴いていた、忘れらんねえよのライブに行ったのです。そのライブで聴けた、とある一曲によって、私はその歌詞通り「胸が苦しくなって」、とある想い出が脳内に浮かびました。また、そのライブ会場に着いた瞬間にも、幼少期の想い出が脳内に広がりました。

ひとつ目の初めて

真夏の夜の日、一見いつも通りの夜、でも何故かソワソワしていた。その日は花火大会の日であった。予備校から家に帰る際に使う電車は、河川の上を通るのだが、その河川こそ花火大会の会場だったのだ。 つまりは、私の中のソワソワの正体は、電車の中から花火が見えるかもしれないという淡い期待からくるものであった。勉強続きの日々だけど、少しでも夏を味わえる瞬間があれば、そんな思いで電車に乗る。河川の上を通るのは、電車に乗ってからおよそ10分後、少しの期待に胸を躍らせながら待っていると、一級河川のあの川が見えてくる。それとともに聞こえたドーンという音、紛れもなく花火の音だ。光っては消え、飛んでは消えゆく花火たちが、河川の上で次々に飛び上がっていた。
その光景を見てから、私は即座に忘れらんねえよの「花火」を聴いた。歌詞がとてつもなく切なくて、自分の置かれた境遇と重ね合わせて聴くと、ダメだった。目頭が熱くなって、涙腺が働かなくなって涙が出てきそうになる。そうなるのが怖くて、花火を見た後は、目を閉じたまま電車内を過ごす他なかった。この日の記憶は、なぜかすごく印象強く私の頭に残っている。
ちなみに当時の私のスマホには、音楽はサブスクで聴くというアイデアは無かった。音楽を聴くために、度々近所のレンタルショップに行ってはCDを借りていたのである。そんな中、忘れらんねえよのCDがレンタルショップには無く、アルバムの曲が聴きたいがために、私は初めて自分のお小遣いでCDを買った。
私の初購入アルバムは、忘れらんねえよの「僕にできることはないかな」である。これがひとつ目の初めてのお話。

記念すべき、私の初購入アルバム(5年前の話)


ふたつ目の初めて

その日のライブ会場は、小さなライブハウスだった。そのライブハウスは、ビルの10階にあり、行きはエレベーターに乗って10階まで上がった。実は、そのビルは元々映画館のある建物だった。1階でチケットが売られ、階段を上ったりしてシアターに入るようなところだった気もする。私は、映画館だった頃の、この建物に来たことがある。何を隠そう、ココこそ私が初めての映画館デビューをした映画館なのだ。観た映画は『チャーリーとチョコレート工場』。小学校に入る前かどうか分からない頃に、家族でここに来た。記憶に残っていることとしては、主に2つ。やたら人が多くて、階段が自由に上り下りできないこと。そして壁にあった窓(今はあるか分からない)から差し込む光が、やけに眩しかったこと。その帰りは、とある百貨店の前にあるドーム風で、ステンドグラスがたくさん上に貼られた空間を、家族と共に通り過ぎた気がする。
たったこれだけの、そこまで面白みのあるわけでもない記憶。なのになぜか、「初めて観に行った」というだけで、特別な記憶になっている。私にとってその映画館は、今は亡き「初めての映画館」なのである。これが私の、ふたつ目の初めてのお話。


以上、2つの「初めて」が重なる場所、それを実感できた今日という日に、感謝した1日のお話でした。音楽は、聴いていた頃の記憶を蘇らせてくれて、建物物もまた、そこに行った時の記憶を振り返るきっかけを与えてくれます。私の想い出は、もしかすると実際の過去とは異なるもので、記憶自体も正しくないかもしれません。それでも私は、音楽を通して、場所を通して、自分の心を強く震わせた想い出を、懐古したいのです。


今日のところは、こんなもので。

この記事が参加している募集

思い出の曲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?