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十四話 妖怪 電話泣き爺(でんわなきじじい)

タイミングの悪いときに固定電話はかかってくる

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会社でのできごと。大事なクライアントから電話がかかってくる予定があったので暫く待っていたが、トイレに行きたくなったので「ちょっとぐらいならいいだろう」と思い席を立った。用を済ませて戻ってみると、案の定、電話メモが机の上に貼られていた。「何てタイミングが悪い!」がっかりしながらも、相手に居留守だと思われたくなかったので、すぐに折り返しの電話をした。

またある日のこと。家の玄関の鍵を開けようとしたら、中から固定電話が鳴る音が聞こえてきた。慌ててドアを開け、走って受話器を取ったが、相手の電話がちょうど切れてしまい、ツーツーと言う音だけが聞こえてきた。このように、固定電話は近くに居ようが居まいがお構いなしにかかってくる。

昔、夜の山中に「子泣き爺」と言う妖怪が出没していたが、今は人が通らなくなったため山を降り、妖怪電話泣き爺」に姿を変えて人間にいたずらするようになったそうだ。

どんな妖怪だった?

子泣き爺(こなきじじい)
泣いている子泣き爺を見つけた通行人があわれんで抱き上げると、体重が次第に重くなり、手放そうとしてもしがみついて離れず、ついには命を奪ってしまうとされている。

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この物語は、無料マガジン『社会の闇にうごめく二十六妖怪今昔物語』に掲載されている第一話です。良かったら、他の物語も読んでみて下さい。


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