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欅坂46の新しい物語に乗り遅れるな!

・宇野常寛さんの「遅いインターネット」で文化を四象限に分けて論考をしている。

・その四象限は、「自分の物語/他人の物語」という軸と、「日常/非日常」という軸からなる。この辺は、コルク佐渡島さんがYouTubeでまとめてくれているので興味があれば見てみてください。

・今後のコンテンツ論は置いておいて、「自分の物語/他人の物語」というのをみていて、気付くと欅坂46に思いを馳せていた。うちな、ケヤオタやねん…。

・坂道シリーズと呼ばれる「乃木坂46」「欅坂46」「日向坂46」が好きなんですが、ファンはアイドルその人たちの物語に熱中しているように思う。つまりは、他人の物語にファンは共感をしている。

・その物語が、坂道の中で欅坂46は特殊だなと思う。

・乃木坂46と日向坂46は、グループの結成からここまでの変遷に、応援したくなる物語性がある。

・乃木坂46は、当時国民的アイドルだったAKB48の公式ライバルとして生まれたものの、全く注目されずに苦しい下積みを経て、今では押しも押されもせぬ国民的アイドルだ。

・日向坂46は、元々欅坂46の妹分「けやき坂46」として誕生した。欅坂46のアンダーのようでそうでもない、立ち位置が不明確なまま、悩みながらも活動を続け、ついに「日向坂46」という、完全に独立したグループとして活動している。

・グループの物語をメンバーとファンが共有しているから、応援することに必然性というか、芯がある。あくまで物語の主役はメンバーなんだけど、ファンも共に歩んできた想いがある。これはよく分かる。

・欅坂46は、その物語性が比較的薄い。乃木坂46の次の坂道シリーズとしてオーディションし、結成された。乃木坂姉さんの知名度もあり、すぐにデビュー。デビュー曲の「サイレントマジョリティ」は爆発的に売れた。つまり、もがき苦しみ苦悩するといった、初期にファンをグループの物語に引き込むフェーズがなかった。

・デビュー曲は売れに売れたけれど、曲とパフォーマンスの世界観が支持されたのであって、グループの物語に引き込めたわけではなかったと思う。そしてその世界観は明らかにセンターの平手友梨奈が作り出しているものだった。デビューからセンターは平手友梨奈が固定で、描かれてきたのはずっと平手友梨奈の物語だったと僕は思う。

・そして2020年1月、全オタクを震撼させた平手友梨奈の脱退が発表される。

・「てちがいない欅坂なんて」という声もある。その気持ちは分かる。今まで欅坂46がパフォーマンスしてきたのは、平手友梨奈の物語だったとやっぱり思うから。

・でも平手友梨奈が脱退することによって、グループとしての物語が始まる素地ができたとも言えるんじゃないかと思う。てち脱退後のメンバーのインタビューを読んでいても、みんな不安で、悩んで苦しんで、でも前を向こうとしている様子が見られる。これは物語開始のフックになる。

・絶対的なエースがいなくなったことで、メンバーとファンがイチから物語を紡いでいける。ただ、新しい物語を始める前には、前の物語を完全に幕引きする必要がある。欅坂46にとっての幕引きが、ドキュメンタリー映画なのだと思う。なかなか9thシングルが出ないのは、そこのケジメをつけないと新章に移れないからだと僕は思っている。(まぁコロナの影響もあるかもだけど、レコーディングくらいできそうなもんだ)

・僕はいつも途中から誰かのファンになるから、記憶にある限りイチからグループの物語に関われる機会が初めてだ。だから、新しい欅坂46がどうなっていくか、めちゃくちゃ楽しみにしている。めちゃくちゃ応援したい。

・以上


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