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話し合いの「前提」や「目的」を教えると話し合いの質が180度変わった話

はじめに

今日は、話し合いの「前提」や「目的」の話をお伝えします。これを年度はじめに伝えておくと、1年間の話し合いの質が変わることをお約束しましょう。(ハードルを上げすぎました。でも、本当に効果あります!)

学校という場は、話し合いの場面がたくさんあります。
国語の話し合い活動、学級会、道徳の授業、係活動、いや…全ての授業に話し合いの場面がある。

というか、「話し合いがない」という日はないのではないでしょうか?

ということは、「話し合いの質が上がる」→「学級経営の質が上がる」→「みんなハッピーになる」と言っても過言ではありません。

また、例によって最後まで記事を読んでいただけたらダウンロードできる特典をつけておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

話し合いで困ることとは?

scene①道徳

まずは、道徳です!
これは、子どもの困りというよりは、どちらかと言えば、大人の困りの部分が大きいかもしれません。

私は道徳の書籍を出していることもあり、よくこんな質問を受けます。

「いい感じで話し合いを進めてきたなと思うのですが、最後の『まとめ』に苦労しています。どんな感じでまとめたらいいですか?」

これには、なんと答えますか?

ちなみになんですが、道徳の学習では「まとめ」という言葉はないんですよ。
「まとめ」ではなく「終末」という言い方をします。

なぜ、道徳にはまとめがないのか?
それは道徳には、いわゆる「正解」がないからです。

算数だったら、1+1=2という答えがあり、それを導くための考えを「まとめ」とすることができるけど

道徳の場合、「友達を大切にするには?」という問いに対して、一つの答えはないですよね。よって、まとめようにもまとめることができないんですよ。

では、「どうするか?」というのをこの後解説します。

scene②学級会

次は、学級会です。
今や、学級会にはいろいろなやり方があり、学級会の中身そのものについても検討したいといころですが、それはまた別の記事ということで・・・

オーソドックスな学級会では、通常何かを決めるためにやっていますよね。
例えば、「学級目標について考える」だとか「雨の日の過ごし方について話し合う」だとか。

「完全に一つに決める」というのは難しいけれど、何かしらの合意形成は生じているはずです。
自分の意見を出しながらも、時には、友達の意見を聞いて譲ったり、友達と知恵を出し合い新しいものをつくったりするのが大切になってきます。

さて、4年生を担任していたときのことです。
学級会をしていたら、こんなつぶやきが聞こえてきました。

「オレ、絶対に自分の意見を変えないもんね」

まぁ、気持ちはわかりますよ。自分の考えに自信があったのかな。
ただ、もしクラスのみんながこういう考えのもと学級会をしていたとしたらどうなるでしょうか。

話し合いは平行線のまま、前に進まず終わっていきますよね・・・

では、「どうしますか?」

それでは、解決編にいきましょう!

話し合いの3タイプを示します

拙著『おもしろすぎて子どもに会いたくなる学級経営図解』より引用

私は、年度はじめに上の図を子どもたちに示します。
黒板にチョークで書きながら説明することが多いのですが、スライドで示すこともあります。(拙著『おもしろすぎて子どもに会いたくなる学級経営図解』より引用)

さて、上の図ですが、何を示しているのかピンときましたか?

例えば、「学級会型」なら、話し合っていく過程でAというものを決めるんだよということを図で示しています。

もちろん、話し合いによっては、一つに決まることはないかもしれません。

学級会型の話し合いで大切なのは、「人の意見を聞いていいな」って思ったら、自分の意見を変えるという前提で話し合いに臨むということなんです。

続いて、道徳型の話し合いについて。
これは、スタートがAなんですよ。Aというのはテーマにあたります。
そこから、いろいろな意見が出て、深まりつつも広がっていくのが、道徳型の特徴となります。

道徳型の話し合いで大切なのは、「自分と人の物事に対する捉え方や考え方は違うな」と多面的多角的に考えられるようになる前提で話し合いに臨むということなんです。

つまり、「話し合いに臨むときの『前提』や『目的』が違うということを最初に示しておく」ということになります。

前提や目的を確認しないままに、話し合いを始めてしまうから、大人も子どもも混乱してしまうってことです。私も若手の頃は何度も痛い目を見てきました。ぜひ、話し合いの前提や目的を伝えてあげてください。(もう少し詳しく知りたいという方は拙著を手に取ってくださったら幸いです。)

おわりに

いかがだったでしょうか。

年度初めに、今回の図を示しておき、慣れるまでは話し合いの前に確認をしてもいいかもしれません。

「意見を少しずつ収束させよう」という意識が働いている学級会と
「他人を論破して打ち負かしてやろう」という意識が働いている学級会では、
話し合いの質が大きく変わってきます。
これは、小手先のテクニックではなく、大切なマインドの部分ではないでしょうか。

学級経営の記事も少しずつたまってきました。
自分の本から引用して書くことが多いけれど、
(すでに述べたいことを図解していて記事にするのが楽なんです・・・許して笑)
そうじゃないこともボチボチ入れていこうかなと思います。
フォローしていただいて気長に待っていただけたら幸いです。

現状、3〜4日に1回のペースで更新する予定でやっています。

それでは、次の記事でお会いしましょう!

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