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“本が私を待っている”と思っていいかな。だっておひとりさまがいつも楽しい場所だから。

こんにちは!tamasiroです。
「本を読むこと」が好きな私。
本の入手先は、5割が書店です。
4割は図書館で、わずか1割が電子書籍。
絶版で手に入らない時や、電子限定の場合以外は紙で読むことにしています。
紙が好きだから、装丁が楽しみだから、というのが理由です。
毎日パソコンを使用し仕事をしているため、なるべくプライベートはデジタルデトックスをしたい、という理由もあります。

でもやっぱり行きつくところ、書店が「好き」なんです。
新刊本、古本、共に変わりありません。
旅行先で見つけたら時間の許す限り立ち寄りますし、お目当ての書店に訪問するために長距離移動の計画を立てることも。
書店の存在は生活に密着していて、月に2~3回は行きつけの書店を数件巡り歩きます。
一軒の滞在時間は一時間以上と長く、一日がかりです。
若干、悩ましい。





なぜ書店にこだわっているのか?


各書店の陳列や平積みされている本のセレクトは、まさに顔。

どの分野に力を入れているのか。
得意分野は?
この二点は訪れた際に、まず初めにチェック。

入荷状況や配本比率を比べてみると、気分に合わせて書店を訪れることができます。

笑えるエッセイが読みたい。
専門書だけど、店頭で確認してから購入したい。
古い本で発行部数が少ないけど、読んでみたい。
購入後、すぐ読みたい。近くに読めるところあるかな。

こんな我儘を叶えてくれる書店は、結構あります。

中でも書店員さんの個性が光るセレクトは癖になってしまいます。
自分では絶対手にしないであろうタイトルを次々と繰り出されてしまうと、好奇心から頻繫に通いつめます。
閉じこもりがちになってしまう読書傾向の幅を広げる大きなきっかけです。

個人書店は店主の個性で埋め尽くされているので、見ず知らずの人の本棚を見学しているようでワクワクが止まりません。

書店の個性は、個人書店だけではありません。
大型書店でも、各担当者が工夫を凝らしています。

本のセレクトや作成されたPOPには、立ち止まるであろう人を想像した思いが込められていると思っています。

その吸引力に、簡単につられてしまう私です。
まるで間接的なコミュニケーション。

最終的に読者との出会いを演出する書店は、とてもクリエイティブな位置にあるような気がしています。

本が舞台に上がり、お披露目されるための演出。
新たな出会いや感動を引き合わせる演出。
書店員さんは、さながら演出家のような。


何度か顔を合わせるうちに、中にはこんな私に話しかけてくださる書店員さんも。
恥ずかしがり屋のため、自分から話しかけることはありません。
購入傾向から、おススメを紹介してくださる方もいて、とても有難く思っています。

残念ながら、せっかく言葉を交わしても遠方での出会いは、なかなか再訪問が叶いません。
結果、閉店や二度と会えない状態になってしまったりと、後悔が残ってしまった出会いが最近立て続けに起こっています。
とても寂しいです。

本も人も、素敵な出会いを一度きりにしたくない。
素敵な出会いを思い出だけにしないために、後悔しないために、情報の取得と再訪問の予定を計画しています。
なるべく早く叶えたい願い。

「ひとりはつまらなくないの?」と知人に問われます。
しかし、これだけこだわって店内を楽しんでしまうので、必然的に“おひとりさま”が一番ですよね、同行者を放置してしまうので😅



わたしと書店、思い出があるから


以前書店にアルバイトで在籍し3年お世話になりました。
本に関する知識に貪欲であった私は、様々な装丁に魅了され、その後印刷業界へ就職。業務上多くの分野の方とのご縁に恵まれました。
転居のため退職してしまいましたが、とても素敵な思い出になっています。
紙本分野は斜陽と言われていますが、許される限り紙で読むことをこれからも続けていきたいと思っています。

子育て中に本の修繕を学ぶことで、私の本棚にある最も付き合いの長い本は修繕を繰り返し、今年で37年目。

人生の大半を共に過ごしたこの本は、おこづかいを数か月貯めてやっと購入した本。
当時の自宅から子供の足で40分以上離れた個人書店での購入でした。
無口ですが優しい店主様で、なかなか購入できない子供たちが立ち読みをしていても咎められることはありませんでした。
今思うと、大変なご迷惑をおかけしていたのだろうと思います。
初老のご夫婦が営んでいて、会計のスペースに椅子が複数用意され、学校であった話など会話を楽しんだ思い出があります。
当時私たち本好きの子供たちにとって居心地の良い場所。
振り返ると、きっと本を読む子供たちの姿が好きだったのではないかと思います。
私も今、きっと同じ気持ちです。
子供たちが本に夢中になっている姿には、平和の有難さを感じます。
識字率が保たれていること、図書館など公共の利用が保たれていること、安心して読める場所があること。
書店の児童書や絵本を真剣に選んでいる姿に、思い出が重なりほっこりしてしまいます。

もっともっと、楽しめる本に巡り合ってもらいたい。

私にとって書店とは、今も昔も変わらず大切な場所です。



これからを思う


一時期、感染症の蔓延から県外の移動が制限され、書店通いのハードルが高くなってしまいました。
解除後に一度訪れたことのある個人書店の再訪問を試みましたが、多くが閉店されていて残念で仕方がありません。

以前から書店は縮小傾向にあったため懸念はありましたが、やはり店舗の維持はとても難しいと実感させられました。

営業形態が変化するのは、経済を考えるとやむを得ない事です。

販売形態がネットに移行していくことや、電子書籍化、最近では「本は耳で聞く事」も珍しい事ではなくなりました。
様々な個人の事情を鑑みると、良い方向へ変化しているのだろうと思います。

より多くの人に作品に触れてもらうという点で、ツールが増えることはとても喜ばしいことだと思っています。


名作とは、いつでも生み出されるもので、もしかしたら今日にでも出会ってしまうかもしれません。
まだ出会っていない本の中に、生き方に影響を与えるほどの名作が私を待っているかも。
刺さる装丁との出会いも楽しみです。
こんなことを思いながら、新たな本との出会いに胸を弾ませ、まだまだ書店に足を運び続けます。

「本が私を待っている!」と、ひとり思って。



最後までお読みいただきありがとうございました。
今日が素敵な一日となりますように😊

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