見出し画像

”DXの壁”を目の当たりにして感じた危機感。シタテルを通して自分の手で解決を目指す

多様なシタテルメンバーのインタビューを通して、カルチャーや特徴などを探る「sitateru voice」。今回は事業開発本部の本部長を経てCTOに就任した鈴木にインタビューを行いました。エンジニアとして、大企業でのシステム開発や起業を経ていま何を感じているか深掘りすることで、シタテルの特徴がみえてくるかもしれません。

鈴木 達也
CTO 

広告代理店を経て、2005年に起業。その後、フリーランスを兼任し、複数のスタートアップ・ベンチャー企業のwebサービスの開発に従事。その後は大手小売・アパレル企業にて、基幹システムのDX化、クラウドのリプレイス、アーキテクチャの再設計やオフショアを活用した開発リソース(内製化)の強化を進める。
シタテル株式会社へ入社後はIT戦略・開発部、事業開発本部の本部長を経てCTOに就任。


少数精鋭で2つのプロダクトの開発・改修を行う


ーー現在の業務を教えてください。

開発の体制構築をメインに行っています。具体的には、ベトナムのオフショア立ち上げをやりつつ、開発のスピードを上げられるように体制を整えています。

他にも、開発と事業部の橋渡し的な役割も強化しています。今までここがあまりできていなかったので、お客様がプロダクトを利用する中で出てきた要望や要件を事業部側でとりまとめて、会社としてもお客さまにとってもベストな解をスピード感をもって出せるように日々試行錯誤しています。

そもそもシタテルには「sitateru CLOUD」と「sitateru MARKET」という2つのプロダクトがあります。今は開発のリソースが十分確保できている状態ではないので、チーム全体で両方のプロダクトを開発・改修しているのですが、その状態を整理したいと考えています。
これまでは、やらないといけないことが山積みで目の前の問題をひとつずつ解消していく必要がありました。しかし、プロダクトが徐々に整って、開発メンバーも増えてきたことから、今後どういうプロダクトにするか、ということを代表の河野とも話をして未来から逆算しながら今後の計画を立てているところです。

そのひとつとして、開発のスピードを上げるためにもまずはオフショアの体制を構築する、ということに着手しました。これまでに、オフショアの立ち上げを何度か経験してきたこともあり、この辺りはスムーズにできたのではないかなと思います。

大手企業でDX推進の難しさを目の当たりにする

ーー前職は何をされていましたか?

シタテルの前は、大手のアパレルブランドで開発責任者をしていました。メンズもレディースもあり、全国に展開しているので、多くの方に認知していただいているブランドかと思います。

このブランドは、これまで外部のベンダーに開発をまるっとお任せしているような状態でした。しかしシステムを内製化し、自社で開発できるように、と舵を切るタイミングで「社内の仕組みをDX化する」というミッションのもと入社しました。

私は基幹システムのDX化を担当していました。ファッションというとトレンドの最先端でとても華々しく、先進的なイメージがあるかもしれませんが、社内はかなりアナログでした。

例えば、私が取り組んだことのひとつに社内稟議のペーパーレス化があります。社内では稟議を上げるために紙の書類に記入して、複数の役職者に押印してもらう、という創業から続く申請方法がまだ残っていました。

今は個人それぞれの環境からアクセスすれば発注稟議など経費精算のシステムを利用できる、というのは当たり前ですが、当時まだ私がいたブランドはこのようなアナログなやり方が残っていたんですね。このような風習を見直してDX化を進めていました。

この発注稟議のシステム化は、申請のスピードも上がるし、最新のデータをオンライン上で確認することも可能なので、かなりの効率化に繋がりました。

ただ、やはりDXを推進するうえでの”壁”としてよく言われていることではありますが、変化を好まない文化が強いとなかなか導入や活用が進まない、ということが実際にありました。

今まで非効率だったことを効率化する、生産性を高める、ということを、いまの時代に行わない選択肢はありません。面倒な作業から解放されることは喜ばしいことだと思うのですが「長年やり慣れてきた方法を変えたくない」「わからないからやりたくない」と考える方も一定数いることを実感しました。

いろんな業界を経験してきた私からすると、ファッション業界の特性なのかアナログな風習が残っている企業も多く、特に自分たちだけが遅れている感覚もあまりない気がしました。そのためか、取り組もうとしても変化を好まない人に「前例がないから」という言葉で済まされるなど、ぶつかる壁も厚く、多かった印象です。

でも自分はこの会社のDXを「推進する」という文字通り「推し進めるんだ!」という強い気持ちがあったので、とにかく前に進み続けました。

社内調整に翻弄する日々により、シタテルの価値をさらに痛感。


ーー具体的にはどのように進めたのですか?

変化を好まない上の職位の方たちに、1回提案したぐらいだと全く相手にされないので、何度も案をブラッシュアップして提案し続けて、向こうが根負けするぐらいまで案を研ぎ澄まし続けました。(笑) それでやっと社内でも合意が取れて開発に着手できる状態になりました。

なので技術的な大変さよりも、社内でのコミュニケーションの方がよっぽど大変でしたね。こういうことに取り組んでいるタイミングで、たまたまファッション業界のデジタル化を推進している企業として、シタテルのことを知りました。

個社ごとに、自分のようにDX推進チームが孤軍奮闘するよりも、クラウドのプロダクトであれば導入を拡大することで業界全体を巻き込んでデジタル化を進められるのではないか、と思いすぐに話を聞きに行きました。

そして自分としては、本当は開発を進めたいのに、社内調整ばかりで無駄なリソースを使ってしまっているという”もどかしさ”を感じていたので、自分が感じていたこの課題をプロダクトを通して解決できるのではないか、とうれしく思ったのを覚えています。

前職が悪かったわけではなく、業界の根深い課題を身をもって感じられたことでいまの業務に活かせているので、とても良い経験だったと思っています。

新しい情報や技術をどんどん取り入れられるような仕組みをつくっていきたい


ーー現在、開発はどのようなチームですか?

当たり前を常に疑って、必要なところは改善したり、新しいものをどんどん取り入れたりする動きが結構あるので、流れに身を任せないチームだと感じます。指示された仕事だけをするというよりは、「このほうが良いのではないか」「こうやりたい」などの意見がよく出てくるので柔軟に変化しながら開発しています。

他にも特徴としては、熊本本社と東京支社という2拠点あるうえに、エンジニアはどこからでも仕事ができるので大阪や福岡など、みんないろんな場所にいます。そのため、オフラインで会えるのは年に数回ですが、オンラインでのコミュニケーションは密にとっています。

ミーティングやslackなどでこまめにやり取りしているので、相談や共有はチーム全体でしやすい環境だと感じています。CTOの私に対してというだけではなく、メンバー同士で相談に答えたり、何か困りごとがあれば助け合ったりと、話しやすい空気が醸成されています。
なので、まだ触ったことがなかったり、経験がないことでも、わからないことはすぐに聞けるのでエンジニアとしてのスキルアップができる環境だと思います。

JAWS FESTA 2023 in Kyushu 登壇の様子

これからは、プロダクトに向かううえで、もっと外の世界を見て知見を広げることで、チームスキルの底上げをしたいと思っています。今は、手元にある情報のなかから最善な方法で開発していますが、もっと新しい情報や技術をどんどん取り入れられるような仕組みをつくっていきたいと考えています。

ーー今後、シタテルプラットフォームをどういうサービスにしていきたいですか?

業界でのシェアはありがたいことに高まっていると思いますが、さらにシェアを拡大するためにも、品質面やパフォーマンス面を高めていきたいと考えています。品質のなかにはセキュリティも含まれています。

まだまだ、やらないといけないことも、やりたいこともいっぱいあって、チーム全体としてもリソースが足りていない状態です。当たり前ですが、直近経験した大手2社と比べて、まだまだ何も整っていない状態です。裏を返すと何でもできる状況なので、可能性しか感じません。自分で考えながら、プロダクトをつくっていきたいと思っている方にはぴったりではないかなと思います!

ーー鈴木さん、ありがとうございました!

シタテルでは、組織やメンバーに共感いただける方からのご応募をお待ちしています!
ご興味のある方は、wantedlyよりご連絡ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?