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複雑な問題に直面した時こそ、組織の多様性が武器になる

多様性はなぜ必要なのか?

最近は「多様性が大切だ!」という話をよく聞く。
だけど、多様性が大切な理由って何?
そう聞かれたらなんて答えよう。

そんなふうな疑問を持って読んだのが、「多様性の科学」という本。

この本によると、
複雑な問題に直面した時こそ、多様性は強みを発揮するらしい。

多様性な背景や経験を持った集団は多角的な視点を持ち、「盲点」も小さくなるので、見つけられる有益な解決策の幅が広がるみたいです。

ボルトが6人いても勝てない?

もしあなたが、6人で世界最強のリレーのチームを組むとしたら。
そしてそのメンバーには、クローンを作ってでも同じ人を選んでいいとしたら。


恐らく、世界記録を持つウサイン・ボルトを6人選ぶのではないでしょうか。

他のチームの誰よりも足が速い、「世界最速の男」が6回走れば、バトンを上手く渡すことさえできれば恐らく圧勝するはず。

このように、速いか、遅いかという単純な問題になると、多様性はむしろ邪魔になり得ます。

でも、答えが正解か間違いかの二つだけではない複雑な問題の場合は、ボルトのようなスペシャリストが6人集まれば勝てる、というわけではないらしいです。

その例として本に書かれていたのが、経済予測についての研究結果です。

経済予測で個人トップの成績を出したエコノミストの正解率と、上位6人のエコノミストの予測の平均正解率を比較したところ、
上位6人のエコノミスト、つまり多様性のあるチームの平均正解率の方が、トップのエコノミストより15%も高いとう結果が出たそうです。

なぜ、多様性のあるチームの正解率は、トップのエコノミストよりも高かったのでしょうか。

多様性が盲点をカバーする

画一的な集団だと、どうしても考え方が偏ってしまい、見えていない部分、つまり「盲点」も似通ってしまいます。

いくら能力が高い人が集まっても、その「盲点」の部分に問題解決のために必要な情報があった場合、いつまでも答えを導き出すことができません。

反対に多様性のある集団は、考え方がそれぞれ違うので、お互いの「盲点」も幅広くカバーすることができる。

そのため、画一的な集団が見逃してしまう情報やデータにも目が行き、幅広い視点から良い解決策を見つけ出すことができます。

だから、経済予測のような複雑な問題では、一つの視点からしか予測をたてられないトップエコノミストよりも、より幅広い解決策を導き出せる多様性のあるチームの方が、良い成績を出せたということみたいです。

多様性を豊かにして「盲点」を少なくし、できるだけ多角的な視点から問題にアプローチすることが、良い結果を生むポイントなんですね。

多様性は必須の素材

多様性は集合知を得るための「追加オプション」ではない。決して料理の添え物ではなく、必須の素材の1つだと考える必要がある。

本に書かれていた印象的な言葉です。


僕らが直面する問題の多くは単純なものではなく、むしろ複雑なものばかり。

答えが一つではない複雑な問題に立ち向かわなければならない時代になった今こそ、多様性は不可欠なものなのかもしれません。

本には他にも、

「アメリカのCIAが9.11を防げなかったのは多様性が欠けていたから」

「サッカーイングランド代表強化のためにIT起業家や教育の専門家など、門外漢の多様なメンバーが集められた」

といった、多様性が大切な理由がわかる具体的なエピソードもたくさん書かれていたので、気になる方は是非読んでみてください。

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