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Anytine Smokin' Cigarette

今年の正月、久々従兄弟と実家で遭遇した。

互いに家庭を築き、それなりの歳になってからはなかなか会う機会も減ったのだが、これまでも盆正月ぐらいは会う仲だ。そんな久々にあった従兄弟に一瞬違和感を覚えた。まさかの喫煙を再開していた。

喫煙者の肩身が狭いこの時代に於いて、時の経過と共にタバコを断つ人が増えていく現状とは真逆に、約10年ぶりに喫煙を再開したというのが驚きだった。ましてや子供の為を思って禁煙する輩がいる中で、彼自身も昨年の年の瀬に新たな命を授かったにも関わらず喫煙を再開したというのがなかなか共感出来ないというか、不思議だった。確かにタバコの喫煙は未成年以外は法律上自由だ。しかしながら健康を害するとまで言われ続けてきた喫煙を今更再開する動機とは一体何なのか。尋ねようと思ったが結局どうでもよかったのでその辺は突っ込まず軽く流すことにした。

かつて溢れる程に居た喫煙者は時間の経過と共に姿を消していくようになった。稀に仕事で先方に出向き、取引先の人などとスペースが限られた喫煙所で一緒になった際、一種の親近感が芽生え新たな仕事の契約が生まれたりしたこともあったが、そうでない人が相手ならばミソカスだ。上述の通り「健康を害する」というネガティブな謳い文句は古からも言われ続けてきたが、長年言われていた「クサい」だの「煙い」だのそれ以外のマイナス要因も強調され、いつの間にか「タバコ=悪」みたいな風潮がスタンダートとなってしまった。私の母も昔から喫煙者である父や私に対して嫌悪感を剥き出しにしていたが、父は「酒を飲んで暴れたり事件を起こすやつは居るが、タバコを吸って暴れたり事件を起こすやつはいない」などと、まるで大麻活動家の言い訳みたいなことを度々言っていた。実際にタバコには覚醒作用はないので、副流煙以外他人に迷惑をかけることはないような気がするのだが、世の中に蔓延してしまったイメージを今後回復させるのは到底不可能と思われる。

私自身も長きに渡ってタバコを嗜んでいるのだが、これまで数回禁煙を試みる機会があった。特に倅が生まれる前後は本気で禁煙を考えてみたのだが、結局1週間ほどで頓挫し、せめてもということで紙タバコから加熱式タバコへ切り替えることとした。当初は加熱式タバコの臭いが鼻から取れずかなり不快な思いをしていたのだが、やはり継続すれば人間何でも慣れるもので、今やあれほどまでに恋しかった紙タバコを口にすると不快になり、臭いすら気になるようになってしまった。その勢いで加熱式タバコさえも断つ勢いがあれば良いのだが、それとこれとは別で、やはり吸いたくなるのが実情である。飯の後のタバコなどは口直しに近い。よく食後にガムを噛む人が居るが、ニュアンスとしてはガムを噛むのと一緒である。ガムを噛む本人はエチケットとして噛んでいるつもりだろうが、それは噛んでるやつの思い込みであり、私がタバコを食後に吸う理由と何ら変わらないのだ。まあ正直「タバコが美味いか」と尋ねられると、別に対して美味いと思って吸っているつもりはない。ガムを美味いと思って噛んでいるのも戦後間もないころにGHQの奴らから貰って初めてガムを食べた日本人の子供ぐらいのもんで、誰もガムに美味さを求めていないだろう。

しかしながら、不思議と射精の後のタバコはめちゃめちゃ美味い。SEXだろうが自慰だろうが、あの射精後の虚無感の中のタバコは全てを煙で覆うような気がして不思議と落ち着く。おそらく射精前のサベージモードから解脱に至るまでの過程で、血流が若干おかしくなる所を鎮静する効果があるのだろう。射精後の虚無感を「賢者タイム」などと表現する輩が居るが、賢者もクソもなく単純に血流がおかしくなっているだけであり、賢者のように何かためになることを考えているわけではない。というか、上述のガム噛マー達は果たして射精後にガムを噛むだろうか。SEX後に女の隣でガムを噛んでるやつとかマジでGHQ過ぎるだろう。また、同時に喫煙者の勃起力が弱いという話を良く聞くのだが、私調べによると、かつて禁煙を試みた時期の勃起力は激しいものだった。もしかしたら逆にタバコを吸うことで勃起力を軽減し、自らの性欲をコントロールしているのかもしれない。現在渦中の人となっている松本人志40歳ぐらいから禁煙を始めたらしいが、その結果が今騒がれている飲み会の開催だった可能性がある。やはり何かを我慢すると何かに皺寄せが来るもんで、何事も程々にしないと大きな代償が発生するのだろう。なお、松本人志問題に関する私見は後日時間があれば書くとする。

血流の抑制、という意味では喫煙と便通にも関係があるのではないかと考えている。これも私調べだが、禁煙を試みた際なかなかクソの出が悪くなって太ってしまった。そもそも元々1日2桁クラスの快便だったのだが、紙タバコから加熱式タバコに替えて以降もクソの回数が減り、そこでもまた太ってしまった。科学的な根拠もなく私の持論でしかないのだが、元々の快便はおそらく紙タバコに含まれるタールが引き起こしていたのではないかと考えている。以前「デブは性欲が強い」と話したことがあったが、つまり「デブの非喫煙者」は老若男女問わず性欲がバケモンなのではないかと思う。しかしこの理論はおそらくデブが備えている贅肉だけの問題ではなく、人を纏う筋肉も同様だ。上述の松本人志も禁煙と同時に身体を鍛え始め、今や日本有数のマッチョ芸人の1人である。また、アスリートの多くは身体や健康に気を遣い喫煙しない人が多いと思うが、結果的にオリンピックの選手村でコンドームが配布される程性欲がバカである。何よりも象徴的なのが全身が鋼鉄のような範馬刃牙だろう。範馬勇次郎については喫煙者であるもののタバコ一本を一吸いで全部吸う辺りそもそもイカれてるので論外なのだが、息子の刃牙に関しては初体験時の描写からすれば相当性欲が強い。多様化が進む時代、ガールフレンドである梢江の体調のことを思えば、今からでも喫煙してほしいくらいである。

一晩でこんだけ擦るとかもはや粉吹くレベルである

まあ実情を考えれば、タバコを吸って良い事なんて一つもない。体調の面だけではなく、金銭的な部分もその一つだ。まだセブンスターが250円だった時代からタバコを嗜んでいた身分とすれば、一箱600円となった昨今が馬鹿馬鹿しくて仕方ないと思うこともある。タバコを1カ月我慢すればその分を倅のおもちゃや洋服代に回したり、別のことに消費することも出来る。昔から国策として生産されてきたタバコが今や合理的に税金を搾取する道具となっているような気がして悲しい気分になったりもする。タバコ価格の高騰と国民の収入が比例すれば腑に落ちるのだが、そうもいかない辺りが多くの禁煙者を生み出した理由なのかもしれない。

でも私達喫煙者たちは、globeが昔「100円玉2個と ほんのちょっとで 1時間くらいは It could be allright」とか言ってた時代を懐かしみながら、これからも、寧ろタバコの価格が500円玉2個とかになっても吸ってるんだろう。


【追記】
globeの「Anytime smokin' cigarette」収録のアルバム「FACES PLACES」、7曲目の「Because I LOVE the NIGHT」から8曲目の「Anytime〜」までの流れがめちゃめちゃ良いと今でも思っている。てか改めて当時を思い出しながら最近聴いてみたんだが一曲目からの流れめちゃめちゃ良いし名盤だと思う。

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