「会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。」うん、そうかもしれない。
「どうして発熱した子供を、具合の悪い子が集まる病児保育へ預けてまで働かなくてはいけないんだろう?」
「どうして、やる事がないのに17時までオフィスにいなければいけないんだろう?」
「どうして働く環境を勝手に変更されて、素直に従わなければいけないんだろう?」
私は、恐らく「会社不適合者」なんだと思う。
20歳で「社会人」になり、殆どの期間をずっと「会社に所属」して生きてきたけれど。
ふとした瞬間に「何で、こんな事を会社に決められなければいけないんだ?」と思ってしまうタイプだった。
「雇用契約を結んでいるから」
「正社員だから」
きっと答えはそんな所だと思うけれど。
私は、中々それを素直に受け入れられなかった。
そんな私が、今更この本を読んでみた。
ずっと前から知っていたのに。
ずっと前から読みたいと思っていたのに。
何故か読む機会がなかった。
やっと読めた。
これは、全ての働く人に読んでほしい。
「会社」が誕生する瞬間
そもそも何故「会社」を作るのか?
でも、当初の目的だった社会のニーズをあらかた埋めてしまったり、事業が伸びないと何となく会社だけが残ってしまう。
あぁ、そうだよね。
創業者が亡くなったり、会社の規模が大きくなったり、創業から何十年も経つと「何でこの会社に集まったんだっけ?」って状態になる。
本の中で松下幸之助の「水道哲学」について触れられていた。
どんな大企業だって、最初は「スタートアップ」だったのだ。
私は本を読みながら、自分の会社の「企業理念」は何だっけ?と思い出してみた。
でも、あれこれ会社が掲げているメッセージが思い浮かぶものの結局どれなのか分からずHPを見た(笑)
自分のやりたい事と、会社の企業理念が一致している程、「楽しく働ける会社」という事。
「会社」に対する意識
本の中で「会社」に対する見方が書かれていて、それがとても面白かった。
新卒にしろ、転職にしろ、会社を選ぶ時に「大企業は良い企業」みたいに思ってしまう事が多いけれど、それは怪しいぞ?という話。
特に「雇用」に関する話はとても面白かった。
「終身雇用」とよく言われるけれど、多くの会社で65歳位になると「強制退社」させられる。
でも「人生100年時代」と言われるように、実際にはみんな退職後の生活が凄く長い。
そういう意味で「終身」雇用ではない。
それでも「会社のため」に我慢レースを続けますか?
という話。
また、「沢山の雇用を生み出している」と誇る事もどうなのか?と。
大企業が大量の人を雇用する事で、他社の採用活動を邪魔してるかもしれない。社会全体で見たら良くない事かもしれない。
これは過去にも書いたけれど、最近それを痛感している。
「何か無理に仕事を作ろうとしていない?」って。
掛け算スキルを磨く
こういう本を読むと必ず出てくるのが「教育」の話。
著書の中で、「日本の画一的な教育には危機感を感じる」と書かれていた。
社会人になれば「自分が不得意な事」を仕事にする人はいない。
それなのに教育現場では全ての教科で満点を目指す事が良しとされている。
もっと子供自身の「やりたい」「得意」を伸ばす教育にシフトした方が良いのではないか?
という話。
そうなんだよ。それなんだよ。
私も子供の頃からずっと思っていた事。
それに大人になってからも、一つの事で勝負するのではなく「ユニークな存在」を目指した方が良いと。
大量生産・大量廃棄
ではなくて、「唯一無二の価値」を提供できる人やサービス。
そういう意味で「副業」を禁止する企業は勿体ないと書かれていた。
本当にその通り。
ちなみにサイボウズでは「複業OK」だそうです。
「副」ではなく「複」
つまり複数の業務。
「副業」と言うと他の「収入源を持つ」「お小遣い稼ぎ」ってイメージ。
だけど「複業」は、金銭的な面よりも「やりたいこと」が沢山ある人、所属する会社の中では実現できない事ができるイメージ。
いいよね。
世の中の殆どの企業が「複業OK」だったら「サードプレイス」とかわざわざ言わなくても、仕事で実現できるかもしれない。
元SMAPの森君だって、SMAPやりながらオートレーサーになれたかもしれない(笑)
サイボウズの複業については、特集記事を見つけたのでイメージはこちらを↓
この本は6年前の本。
本の中で「こうなるかもしれない」と書かれていた事が、徐々にそうなってきている。
特に「大企業をすぐに辞める若者」って、こういう事に気付いている人達なんじゃないかな?と思う。
私は「就職氷河期世代」なので、職を変える事に恐怖感がある。
更に上の世代になると「会社を辞めるのは裏切り者」という意識がある。
そう考えると「我慢が足りない若者」と思われている人達が、社会の構造を変えてくれるかもしれない。
そして私が育てている子供達も。
私にできる事は、自分の置かれた状況や社会を冷静に見つめる事。
そして、子供の純粋な思い行動を邪魔しない事。
そんな風に感じた。
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