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「正しい営業の目標設定」が組織のモチベーションを上げる


今回は「営業の目標設定」の仕方についてお伝えします。

会社の人事制度で相談を受けるときによく見られるのが「間違った目標設定」をしているケースがあります。

例えば過去のデータがなくて設定していたり、単純に昨年の10%とか15%伸びる数値にしていたり。このような短絡的な目標設定は組織の人材のモチベーションを下げる要因となります。

ビッグモーターのような不正な修理代水増し請求にあるように実態から乖離した目標は組織を壊す場合もあります。現場に過剰な売り上げノルマを課し、達成できない場合、降格人事を含めたプレッシャーをかけていたようです。

では、このような課題をどう解決するといいのか?

人事コンサルティングからの観点からお伝えします。

■大事なのは評価項目と目標数値の設定

何をどういう基準で設定するか。
大事なのは「正しい評価項目」と「正しい目標数値」です。
目標設定をする時の論点、運用するときの論点は以下の項目などを見直しディスカッションを進めます。下記にディスカッション内容の一例を掲載します。

・営業職に必要な能力要件を定義する
営業基礎力、仮説構築力、周辺知識以外で、営業として個社独自に求められる能力要素には何があるのか(例:PC操作、ITリテラシー、会計知識、部下育成、業務管理能力、リスク管理能力等)

・営業職の育成・評価項目の選定する
成果創出するための行動やその行動に際して育成すべき要素や評価すべき項目の選定の基準や判断する方法はどのように設計されているのか(役割を担っている部署や見直しのルールは決まっているか等)

・短期成果と中長期成果の考え方
短期成果(売上・利益)と中長期成果(人材育成)の考え方、それぞれの時間軸に対する考え方、またそれを評価制度や教育制度上どのように設計されているのか

■目標は定量数値と定性状態ゴールで設定する

「定量的な目標」は数値化できる目標なので、評価項目が決まればそれほど難しくはないと思います。「定性的な目標(状態目標)」を決めるときも大事です。

・自分がこの半年間で組織に対してどんな貢献をしようと考えているのか?
・自分自身がどんな成長をするのか?

このようなことを半年間という期間の中で達成できそうなことを決めていくはずです。そしてこの「定性的な目標」に、自分自身の成長目標を書く人がいるのではないでしょうか?

この時に大事なのが、モチベーションが上がる目標設定を立てることです。

モチベーションが上がる目標にすることも、ビジネスで目標設定する時には大切なポイントです。モチベーションの上がらない目標は、やる気も出ず成功率も下がりますし、企業や部署としても成果が出なくなってしまいます。

そのため、目標設定では、当人が重要と感じること、興味があることを選ぶことが必要です。
上司から押し付けられたものや目標の意味や目的が分からないものはモチベーションの維持が難しくなります。自分で考え、納得したものを目標にすることが大切です。

■目標設計から、組織定着まで結びつける

営業組織のモチベーションを上げるためには、営業部門だけに留まることなく、事業全体のマネジメント機能(人事機能・組織部門機能)との接続も重要です。

営業組織で陥りがちな罠もご紹介します。

・目標設計やシステム導入することが目的化していたり、設計だけで定着化までやりきれない。
例えばCRMシステム設計に注力して、組織マネジメントや営業マネージャーのレベルに見合わないシステムになっており、現場定着するまでに頓挫してしまう。システム設計した意図まで現場に伝わらないケース。

・営業の成果を把握する取り組みはなく、営業現場の負担だけが増大している。
積み上げ式に営業施策が増えている場合、現場メンバー・所属長から内容の重複、付帯業務増大、教育方針のズレなど、営業部への心理的反発を強めてしまっている恐れがある。Defince~Deployまでのサイクルが回せていない、検証できない、施策立案できていない恐れもあるケース。

■まとめ

組織のモチベーションを上げるためには、「正しい目標設定」とそれを「組織定着」させるまでの考え方についてお伝えしました。
まずは一度、今の目標設定がしっかり構築されているものなのか見つめ直してみましょう!
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